にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

2012 Sheila's workshop report vol.5

2013年05月11日 | 2012 Sheila's workshop re
"Bebop Lives( Boplicity)"

-music by Miles Davis
lyrics by Ray Passman& Holly Ross
Arrangement by Bill Mays

vol.5はいよいよインプロヴィゼーションです。


課題曲として、シーラさんが”Boplicity”という曲を配られました。最初にシ―ラさんが歌い、その後みんなで何回か楽譜をみながら歌います。(←この曲、初見で歌うにはすごく難しくて何度も字余りになりました・・・-筆者談。笑)

Sheila:
この曲は、典型的なAABA形式(注1)の曲ですね。


(注1):AABA形式;AABC形式と並んで、多く作られている形式です。
年代で分けると1950年代以前はAABA形式が、1960年頃からはAABC形式に移行し、70年代以降はAABCが主流となっています。
ジャズのスタンダードナンバーのほとんどがこのAABA形式かABAB形式です。さらに大きな特徴として小節数もほとんどが同じで、A8小節、A8小節、B8小節、A8小節の32小節で構成されます。(Freedom Music School [作詞講座第一章 作詞の基礎知識12]より一部抜粋)http://www.freedom-vocal.com/archives/836 )

Sheila:
(みんなが歌うのを聴いて)悪くないわね!すごく感動してるわ。
それでは曲の始めに戻って、すこしライン(little line)のようなものをつくりたいと思います。これは即興(improvise)するためにわたしがよく使うものなの。

(シーラさんが二分音符でつくったラインをみんなも一緒に歌う。

具体的には、単音で、Bb→C→D→C,Bb→C→D→C,。。。。というようなラインです―筆者注)


Sheila:
即興(improvise)をするとき、必ずオリジナルのメロディーから派生します。
メロディーを知らなければ、歌詞があってもなくても、即興はできません。
メロディーを知らなければ、かならず途中でわけがわからなくなります。かならず迷ってしまいます。

飛行機が飛んで、どこかへ行っても、最後には必ず着地するように、着地点(=メロディー)をかならずわかっていてください。

さあ、improvise(即興)しましょう。

(シーラさんが参加者のなかから4人募り、前に立たせる)。

Sheila:
ではまずはじめにメロディーを歌詞と一緒に歌い、そのあと、ラインを歌って、そのあとに8bars(8小節ずつインプロヴィゼーションを交代で演奏すること)にしましょう。
ほかのみんなも一緒に歌うんですよ。

(歌詞つきでメロディーを一回歌い→ライン→8barsを2回ずつ→ピアノをはさんでの8小節ずつ歌う-8 bars-を2巡する。
1組目が終わったあと、ほかの4人を2組呼んで同じことをさせる。)


とてもいいわ!

このジャズのワークショップでわたしが伝えたいことは、みなさんに自信(want to give you a confidence)を持ってもらいたいということです。

決して歌うことをあきらめないでください。
もし、ピアニストやベースプレーヤーを見つけて、演奏してもらえるのならば、どんどん歌ってください。
セッションに参加することもできます。

あなたたちは、すばらしい音楽(wonderful music)と、たくさんのエネルギー(a lot of energy)、そして美しい心(beautiful spirit)を持っています。

なにかあればわたしにEメールで連絡してください。
最後に、今日すばらしい伴奏をしてくれたピーターに拍手を♪

(一同拍手)

あたたかい空気のなかでワークショップが終わりました。


(筆者より)

これで、ワークショップレポートは終わりです。
この日、インプロヴィゼーションは初めての方もたくさんいらっしゃったのですが、誰かが即興をするときに、ほかの参加者から拍手や励ましの声があがって、とても楽しいセッションになりました。

シーラさんのすごいところは、参加者のかたの緊張をほぐすのがほんとうに上手なところで、それは、暖かいお人柄によるものかなと思います。

音楽を通して、自信(confidence)を持ってほしいとおっしゃっていたとおり、音楽の根本にある、人としての生き方を教えておられると感じました。次の日の、ご自分のライブのときにも、" You are beautiful.(あなたたちは素晴らしい)"と何度も、観客に向かって言っておられたのが印象的でした。

8月に、シーラさんと友人のジェイ・クレイトンさんがヴォーカルコースの講師を務めておられる、Vermontのサマープログラムに昨年に引き続き今年も参加させていただく予定です。

またプログラムの様子もレポートしたいと思っていますので、そちらもよろしくお願いします♪

2012 Sheila's workshop report vol.4

2013年05月11日 | 2012 Sheila's workshop re
vol3まで、ふたりのかたについてくわしくシ―ラさんの指導の内容をお伝えしてきました。

あとの参加者のかたについては、くわしい説明は割愛したいと思います。
最初のふたりの方たちへの指導の中に、その後の指導のエッセンスが凝縮されていて、重複する箇所が多いと考えるからです。

シ―ラさんの指導内容のポイントをわたしなりにまとめると、以下の4点です。

1)一緒に演奏するひとが見やすい楽譜を用意する(できれば歌詞も書く。とくにRubatoがあるときは必ず書くこと)

2)歌い始める前に、イントロダクションとエンディング、テンポについて、自分のビジョンを明確に共演者に伝える(簡潔に。)

3)カウントをきちんと出す(リズムパターンに合わせたカウントの出し方がある。)

4)歌詞を話す(say, speak)練習をする。

この練習は、歌う練習とは切り離して、すべての曲について行う。


ほかの参加者の方の曲を記しておきます。

・”A sleepin' bee” (swing)
・”Too late now" (ballad)
・" It don't mean a thing” (swing)
・”Day by day" (bossa )
・ "Easy living" (ballad)
・"Fly me to the moon" (bossa)
・”Good Bye"(ballad)
・"Over the rainbow" (ballad)
・" All of me" (swing)
・ "The shadow of your smile" ( from verse , chorus-slow bossa)

参加者が持って行って歌ったほとんどすべての曲について、シ―ラさんが細かい箇所まで歌詞を完璧に暗記されていることに、あらためて驚きと感銘を覚えました。

ひとり1曲ずつ歌ったところで、vol.5では後半戦、インプロヴィゼーションに移ります♪

2012 Sheila's workshop report vol.3

2013年05月11日 | 2012 Sheila's workshop re
"Lush Life"         

-words and music by Billy Strayhorn


( 参加者がピーターさんのところにいって曲について説明する)

Sheila:
それでは、イントロはどんなふうにするのですか?

(アルペジオです、と参加者が答える)

Sheila:
ヴァ―スはつけますか?

参加者:
はい。

Sheila:
みんな、ヴァ―スVerse(注1)は知っていますね?
多くの曲にはverseがついています。曲のイントロダクションの部分ですね。

注1)verse(英); 楽曲構成上、リフレイン(コーラス)の前に配置された序奏部分を指す。
リフレイン部分よりは短く、比較的平易に作られている。バースは歌ものに多く見られ、時には楽曲の冒頭部分に省略する事のできないバースが組み込まれる事もある。( ”音楽用語辞典” http://www.craftone.co.jp/cfa/Dictionary/index.html より)


verseを歌わない歌手も多いですが、ヴァ―スも歌うんですね?

参加者:
はい。

Sheila:
昔の曲にはverseがついている曲が多かったんですよ。
なぜかというと、映画のなかの曲が多かったからなの。
フレッドアステアがロジャースに歌っていたようにね。

ダンスをするまえに、”That's a wonderful to see you~♪”こんなふうに歌って、そして、ダンスをしたり、スイングしたりしてたの。

verseは必ずしもrubatoにする必要はないんだけど、rubatoにすることが多いです。
では、verseをうたって、合計1コーラス歌うのですか?

参加者:
いいえ。2コーラス歌います。

Sheila:
なにか特別なエンディングはありますか?

参加者:
いいえ。
ゆっくり終わる(slow down)だけです。

Sheila:
それでは、こんなふうに演奏者に伝えてくださいね。
「アルペジオでヴァ―スから始めて、2コーラス歌い、だんだんゆっくりにして終わります。」というふうに。


(ピーターさんがアルペジオを弾く)

Sheila:
あなたはこの曲の意味を知っている?

参加者:
ええ、あなたが教えてくれたんです。

途中から、mediumのSwingにテンポがかわり、最後はゆっくりになって終わる。

歌い終わった後、シ―ラさんから”Nice.”と声がかかり、ピーターさんから、「ここのコードはこっちのほうがいいんじゃないかな。」というアドバイスがある。

Sheila:
この曲はみんな知っているように、とても重い内容の曲なの。
この曲を書いたビリーストレイホーンはアルコール依存症で(注2)、この曲は彼自身について書いたものなの。
彼自身を蝕んだ、アルコールについての曲なのよ。

(注2)実際には、ビリー・ストレイホーンがこの曲を書いたのは、18歳頃だったと言われており、自分自身について書いたというよりは、その後の彼の人生が奇しくも自分自身が書いた曲のようになったというのが実際のところのようです(―筆者注)。

Sheila:
あなたがやったように、途中でアップテンポにすると、この曲全体のエッセンスが失われると思うわ。
少なくともわたしはそう思うの。
わかるかしら?
テンポを変えることはできるのよ。でもそんなに速くしないほうがいいと思うわ。
だめだと言っているのはないのよ。だけど、そんなに速くない方がいいと思う。
ほんとに酔っぱらってるみたいになっちゃうから。

わたしはこの曲にほんとうに深く共感できるの。
なぜならわたしもアルコール依存症を克服した経験があるからよ。
だから、テンポを変えるとしてもそんなに速くないほうがいいと思うわ。

それじゃあ歌詞にうつりましょう。
とてもいいんだけど、ちょっとだけわかりにくいところがあったの。
読んでもらえるかしら?


(参加者が読み始め、途中ですこし間が空く)

Sheila:
これは、歌手のみなさん全員にきいてほしいの。
歌詞を話す(speak)ということは、歌手にとってはほんとうに難しいことなのよね。
歌手はみんな歌を歌えるし、その歌の歌詞を知っている。
だけど、歌詞を"話す"ことはできないのよね。
わたしにとっても、歌うことと歌詞を話すことは、すこし違ったエクササイズなのよ。
みんな歌える(can sing)けど、歌詞を話すことはできないの(can't speak)。

あなたたちが曲を覚えるときに必要な練習は、歌い方を覚えること、メロディーを覚えること、歌詞を覚えること、それから、その曲がなにについての歌なのか、深く入り込むことなの。

そのために、歌詞を言ってみてください(say the lyrics)。

誰かに語りかけるようにね。

(シ―ラさんがLush Lifeのverseをゆっくり語り始める。)


この練習をみんなも試してみてほしいの。
歌詞を見てもいいから、読んでみて。


(参加者が読みあげ、シ―ラさんがいくつかイントネーションや発音についてアドバイスをする。)

Sheila:
あなたたちが歌う曲すべてについて、こんなふうに音読(speak the lyrics)してください。
この練習は、英語の勉強に役立つだけではなく、あなたの感情(emotion)にとっても素晴らしい勉強になるのです。
そうすれば、ほんとうに、深く、歌を歌えるようになります。
とてもよかったですよ。


(一同拍手)

vol.4に続きます♪

2012 Sheila's workshop report vol.2

2013年05月11日 | 2012 Sheila's workshop re
"Come rain or come shine"


‐words by Johnny Mercer

Music by Harold Arlen

Sheila:
Come rain come shineですね。
大切なことなのでよく聴いてください。

この楽譜は鉛筆で書かれていますね。
これはとても読みにくいです。
これはあなただけではなく、みんなに言えることなんですよ。
楽譜には、メロディー、コード、歌詞を書くので、
五線のあいだがもう少しあいているほうがいいです。

今日は仕方ないですが、これからは歌詞も書くようにしてくださいね。
そのほうが、一緒に演奏するひとにとってより演奏がしやすいのです。
お互いによくしらないひとと一緒に演奏することもありますから、
できるだけわかりやすい譜面を用意した方が、問題が起こりにくいのです。
このままでも悪いわけではないのですよ。
でも、歌詞も書いた方が、よりよいのです。

それでは、ピアノソロはなしで、歌だけに集中してやりましょう。

もし見たければ今日は譜面を見てもいいですよ。
自分が歌う曲の歌詞を覚えるのはとても大切なことです。
けれども、今日はワークショップなので、歌詞を見てもかまいませんよ。

それでは、いろいろなイントロをデモンストレーションしてみます。
ピーター、アルペジオ[Arpeggio;分散和音]をください。

(ピーターさんがアルペジオを弾き、シ―ラさんがルバート[Rubato;柔軟にテンポをかえる奏法]で歌い始める。)

Sheila:
もしテンポをはずして(Out of time)歌いたいのであれば、楽譜に”Rubato”と書いてください。

歌詞を楽譜に書く必要があるのは、ピアニストやほかの演奏者は、Rubatoで演奏する時、楽譜に書かれた歌詞を手がかりにして演奏するからです。

2小節のイントロ、4小節のイントロなど、イントロについても、楽譜に書いておいたほうがいい場合は書いておいてくださいね。

ではアルペジオをもう一度。

(ピーターさんがアルペジオを弾く。)

次はコードで。

(ピーターさんがコードを弾き、シ―ラさんがテンポをつけて歌い始める。)

もし2小節のイントロなら・・・これは2小節に限らずテンポをつけて歌うときにはいつも言えることですが、
あなたはカウントを出す必要があります。

1,2,3,4・・・・(ピーターさんが弾き始める。)

Sheila:
さあ、これまでアルペジオ、2小節のイントロ、4小節のイントロを演奏しましたね。
大体、バラードの場合は、アルペジオか4小節のイントロが多いです。
アルペジオの場合は、アルペジオのあとで、Rubatoで、あるいはテンポをつけて歌い始めます。

どうかわたしを信じてください。

いまわたしがあなたたちにお話していることは、あなたの人生においてきっと大きな助けになりますよ。
多くのミュージシャンたちが歌手と一緒に演奏するのを嫌がる理由のひとつは、
歌手が、自分がどう歌いたいのかをきちんと共演者に伝えないからです。
あなたは自分がどう歌いたいのかわかっているはずです。
わたしはあなたにそれを一緒に演奏する人にきちんと伝えてほしいのです。

たとえば、4小節のイントロをください、アルペジオをください、というように。

たいてい、8小節のイントロはスイング[Swing](注1)の場合です。

注1)Swing;ジャズ演奏の躍動的なリズムを形容する用語。本来は「揺れる」という意味。
転じて1930年代に社交ダンスと結び付いて人気を得たベニー・グッドマン、グレン・ミラーなどのビッグ・バンド・スタイルを「スウィング・ジャズ」と呼ぶ様になった。更に、バウンスやハネと同じ意味で 使われる事もあり、リズム・マシンなどに見られる音符をバウンスさせる機能を一般 にスウィング機能と呼ばれている。
("音楽用語辞典 http://www.craftone.co.jp/cfa/Dictionary/index.htmlより。)


Sheila:
バラードで8小節のイントロということはほとんどありません。では、8小節でSwingを歌ってみましょう。

(シ―ラさんがスキャット[scat;歌詞ではなく、音をあてて、即興的に歌う唱法]で歌い始める)


それから、ワルツ、ボサノバがありますね。
ワルツやボサノバでは、Vamp(注2)と呼ばれるイントロがあります。


注2)Vamp; 特定のメロディ・ラインが示されず、シンプルなリズム・パターンを主体として構成された部分、及びその演奏を指す。通常2-4小節を単位として繰り返され、メロディを導入するために使われる事が多い。("音楽用語辞典 http://www.craftone.co.jp/cfa/Dictionary/ha.html より)

Sheila:
Vampのあいだ、あなたは好きなことをしていいんですよ。

もし共演者がVampを演奏してくれている間にだれか知り合いがきたら、そのひととずっとおしゃべりしていたっていいのです(笑)

(ピーターさんがVampをしばらく演奏し、シ―ラさんがMy favorite thingsを歌い始める。)

それから、わたしが嫌なのは、歌手がこういうことをするときです。

(シ―ラさんがピアノの近くに行き、一音鳴らす。)

こういうの、見たことありませんか?
歌手がピアノをぽーんと一音だけ鳴らして、ステージに行くの。
これってないでしょう?

(「そんなことするひといるのかい?」とピーターさんが驚いたように言い、シ―ラさんが「いるわよ!」と答える。)

そんなことをせずに、ちゃんとピアニストに、アルペジオを弾いてください、とか、コードを弾いてください、というようにお願いした方がいいわ。

それから、エンディングにもいろいろあります。
最後の1小節、2小節をゆっくりにする方法や、最後の何小節かを繰り返す(Turn Around)方法もあります。


わたしは、いつも必ずエンディングを楽譜に書いています。
イントロは変えることもあるから、書かないこともあるけれど、
エンディングは危険だから必ず書くの。


(ピーターさんが弾き、シ―ラさんがいくつかのエンディングを実演してみせる。)

Sheila:
さあ、これでイントロとエンディングがわかりましたね。

それでは、ピアニストに、どういうふうに歌いたいかを簡潔に伝えてください。
「曲について伝える」ということが、今日わたしがみなさんに教えたいことです。


参加者が前にでて、ピーターさんに伝える。
「4小節のイントロで、バラードで、最後の4小節をくりかえして(tag ending)終わります。お願いします。」

どう歌いたいかを簡潔に伝えた後で、カウントを出してくださいね。

(参加者が1コーラス歌う。)

いいわ。
それじゃあ、歌詞について見ていきましょうね。
ところどころ、イントネーションが違うところがあったので、イントネーションの練習をしてくださいね。
あなたの英語は素晴らしいわ。
ただ、途中すこし歌詞が違っているところがあったので、歌詞を読んでみてください。

(参加者が歌詞を読む)

あら、さっき歌った歌詞と違うような気がするわよ(笑)
続きを読んでみて。

それでは、happy together, unhappy togetherという箇所を言ってみて。

(参加者がいい、シ―ラさんはunhappyのイントネーションを訂正する。

それからピーターさんに指示して、ブルースにあわせて、unhappyを何度も歌わせる。)

いいわよ。
これ(ブルースに合わせて同じ単語を歌いながら練習する)はわたしが考え出した練習法なの。
さっきは歌詞を見てなかったから歌詞をまちがえたのかもしれないわね。
イントネーションの練習をしておいてね。
でもあなたのフィーリングはとても素晴らしいわ。
とってもlovelyだったわよ。

(一同拍手)

Vol.3に続きます♪

2012 Sheila's workshop report vol.1

2013年05月11日 | 2012 Sheila's workshop re
1st, April.2012, 14:00~1800 at le club jazz KYOTO,

Sheila Jordan シ―ラ・ジョーダン  ( vocal )
Peter Mihelich ピーター・ミケリッチ ( piano )
Chikako Sakakida 榊田千佳子 (interpreter,vocalist) 通訳・ヴォーカリスト

(ワークショップが始まる前に、録音、撮影, facebookでの内容紹介などすべてOKである旨、参加者に伝えられました。)


Sheila:
" I just want to say that what I said before, is ..this music is a total dedication,and you won't get rich."

―以前にもお話したことですが、音楽は全的な献身であって、あなたは決してお金持ちにはなれないということを言っておきたいと思います。
音楽のほうがあなたをサポートしてくれるまで、あなたはずっと音楽をサポートしなければいけません。
でもそれは、歌ってはいけないということではなくて、歌う場所があればどんどん歌っていいのです。

ここに集まっている人はみんな音楽が好きですよね。好きじゃない人はいますか?

チャーリーパーカーが誰だか、みんな知っていますよね。誰か、チャーリーパーカーが誰だか知らないひとはいますか?

・・・いませんね。素敵です。

それでは、以前にもお話しましたが、あなたの曲をあなたのキ―で歌うという、大切な作業をいっしょにやっていきたいと思います。
一緒に演奏してくれる演奏者のひとと問題が起こらないように、
どうやっていくかということをお話したいと思います。

そんなに難しいことではありません。とてもシンプルで簡単です。

でもそこにはすべてがつまっています。

ピアニストと一緒に演奏するのなら、ピーターのようにたくさんの曲を覚えているピアニストと演奏することもあれば、ピアニストが知らない曲の楽譜をあなたが書いて演奏してもらう機会もあるでしょう。

これは、とても楽しく、ほとんど恋をしているようなものです。
恋に落ちるより楽しいかもしれません(笑)
なにか質問はありますか?
質問がなかったら答えもありませんよ(笑)

どうかわたしの言うことをきいてください。
わたしを怖がらないでくださいね。
べつにあなたをとって食おうというのじゃないんですからね(笑)

わたしはみなさんが音楽を勉強するのを助け、あなたがどれだけ音楽を愛しているかに気がつくチャンスを与えたいのです。もしあなたが音楽を愛しているなら勉強を続けるでしょうし、愛していなければ続けることはできないでしょう。

怖がらないでください。
わたしがかわりに怖がりますから(笑)

ではウォームアップをしましょう。
ブルースを歌います。

はじめに、このなかで英語を話さないひとはどれくらいいますか?
遠慮なく手をあげてください。

(数人が手を挙げる)

Sheila:
わたしがいつも言っていることは、この音楽(ジャズ)を勉強するときに必要なことが4つあるということです。
一つは、耳をよくすること。
ヒアリング(hearing)とリスニング(listening)、それからあなたの心(heart)と感情(emotion)、そしてタイム感覚(timing)。
そして、英語(English)です。

英語を勉強してください。

勉強の手助けはわたしがします。
でも、いますぐに英語で歌うことは難しければ、日本語で歌ってもいいのです。
リラックスしてください。

まあ、なんて素敵な赤いブーツ!(参加者のかたの赤いブーツを指して。)
わたしのめがねをかけたらぴったりね!(シ―ラさんはこの日赤い縁のメガネをかけておられました。参加者を笑わせてリラックスさせようとしておられるのが伝わってきました。)

物理的にというよりも、こころをウォーミングアップしてほしいのです。

(ブルースのコードにあわせてシ―ラさんが歌い始めました。実際は英語ですが、大意です。)


~♪あなたのことを歌ってください。
あなたが歌いたいのはジャズでしょう?
あなたの名前はなんですか?
もし英語を話せなくても心配しないで。
日本語でもいいのよ~♪




それから、ひとりひとり、ピアノにあわせて自己紹介をしていきました。
英語のかたもいれば、英語の途中から日本語(関西弁)で歌われた方もいて、楽しいブルースができあがりました。
ブルースのあとは、ひとりひとりに対しての指導になります。
続きはvol2でお伝えします♪

Sheila's workshop report

2012年04月07日 | 2012 Sheila's workshop re
先日、Sheila Jordan(シ―ラ・ジョーダン)さんのワークショップとライブがありました。

ほんとうに素晴らしい内容で、たくさんのかたとぜひシェアしたいので、
シ―ラさんの許可を得て、ワークショップのレポートをフェイスブックとmixiですこしずつ書いていっています。

もしどちらもなさっていないかたで、レポートを希望する方がおられれば、
個人的にメールでお送りしますので、わたしあてにメッセージをくださいね。

数週間前にひどい風邪をひき、なかなか治らないのでおかしいなと思っていたら、
病院で花粉症だと言われました。

ワークショップでは、声が出ず、聞きぐるしい声になってしまいましたが、「喉の調子がよくないのに、よく歌ったわね。とてもemotionalだったわよ。」とシ―ラさんにいっていただけて、嬉しかったです。

たくさんのいい刺激を受けたので、これを糧に、楽しみながら音楽の勉強を続けたいと思います。