にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

長い長い殺人

2009年01月31日 | 日々のこと
アルバイトの勤務時間が朝9時からに変更になっていたのをすっかり忘れていて、8時前に着いてしまったので、休憩室でインスタントコーヒーを飲みながら、読みかけの推理小説を読んでいました。(あいかわらずのうっかり八兵衛ぶりを先輩に笑われながら)。

おもわぬところでぽっかり空いた空白の時間。

こういう時間もまた、いいものです。

宮部みゆきさんの作品は、まだこれで2冊目なのだけれど(愛読者であるアルバイト先のひとが貸してくれました。一冊目は『蒲生邸事件』。)、この方の人間洞察力はほんとうにすごいとおもう。

生半可なヒューマンドラマを観るよりも、よっぽど人間の心の闇と光が深く胸に刺さってくる。

誤解をおそれずにいえば、人を殺してもなんともおもわない、残酷な気持ちは、たぶんわたしをふくめて、たくさんのひとのこころの奥にあるものだとおもっている。

ただ、それを行動にうつすかどうかが大きな分かれ目なのだとおもう。

「人殺しは悪い」とか、「他人を傷つけてはいけない」という言葉は、時として、こころの闇にはまったく届かない。
自分のなかのどろどろした闇は、否定し、目をそらそうとすればするほどせりあがってきてしまうもののようにも思える。

宮部さんの作品は、奇麗ごととは無縁だ。闇の奥深くに分け入りながら、闇の恐ろしさから目をそらさない。けれども、どんなに微かでも、どこかに光が存在することをあきらめない。

極上のミステリ、そして同時に深い社会批判として読みました。

***宮部みゆき『長い長い殺人』光文社、1999年***

ゆたんぽ

2009年01月26日 | 日々のこと
おくればせながら、ゆたんぽを購入しました。

ちいさいころ実家で使っていたのとおなじ、オレンジのカメみたいなかたちのゆたんぽ。

一晩中ぽかぽかあったかいし、なかのお湯は朝になると洗顔にちょうどよいあたたかさ加減。

ほしいほしいとおもいながら、なぜもっと早く買わなかったんだろう。ちょっとくやしいけど、そのぶんよろこびも大きいから、まあいいか。

ゆたんぽライフを満喫中であります。

ボタン

2009年01月23日 | 日々のこと
最近きがついたこと。

それは、自分が“ボタン”というものをとてもとても愛しているということです。
今日も、たまたま立ち寄ったボタンとビーズのお店idolaで、時間が経つのを忘れてしまいました。

ちいさいころ、よく洋服を縫ってくれた母のお針箱のなかには、いろんなボタンがたくさんありました。色とりどりのボタンは見ているだけでもたのしくて、こっそりのぞいたり、手にとってじゃらじゃらいわせたりしていたのを思い出します。

2年ぐらい前から服を縫い始めてから、はぎれやボタンやリボンがすこしずつ増えてきました。
いつか母のお針箱のように、小さな紅茶の空缶(←ボタン入れにしている)がボタンでいっぱいになる日がくるといいなあとおもいます。


2009年01月18日 | 日々のこと
ウールの紅のきものを買いました。

ぱっとみると無地のようにみえるのですが、よくみると緑色もすこし織り込まれていて、透かし模様のように複雑な織柄になっています。

そのあといっしょにごはんを食べたともだちが教えてくれたこと。

ひとつの色にはいろいろなバリエーションがあって、たとえば「赤」といっても、青みがかった赤や、茶色に近い赤、ピンク色がかった赤など、さまざまな「赤」がある。

だから、「わたしは赤が似合わない」とおもっていても、そのひとに似合う赤というものが必ずあるということ。

最近読んだカラーセラピーの本にも、同じようなことが書いてありました。

たとえば、目の前に色とりどりの洋服があったとき、多くの人が「これはわたしの色じゃない」と敬遠してしまう「思い込みの色」があるそうです。

その色は、ほんとうは自分の魅力を一番引き出してくれる色かもしれないのに、人生のどこかの段階で、「これは私じゃない」と封印してしまった色かもしれない、と筆者の方は書いておられます。

だから、似合う色を初めから自分で限定してしまうのは、人生を限定してしまうことに等しい。裏を返せば、すべての色が、そのひとを輝かせる色になる可能性を秘めている、ということです。

ひとつの色のなかに無限にグラデーションがあり、ほかの色と連続しているように、ひとりのひとのなかにもやはり無数の彩があり、ほかのひととつながっている。

買ったきものにどんな帯や羽織を合わせようか、わくわくしながら考えています。




happy-valentine-tour

2009年01月09日 | 日々のこと
以前にもちらっと書かせていただきましたが、来月福岡でライブをします。
こじんまりした印房2Fの素敵なギャラリーにて。

*2009年2月13日(金)夜7時スタート、9時ごろまで
*宮の杜ギャラリー もも庵♪
*charge(1,000yen)+ 1drink(500yen~)

ヴォーカル&クラリネット、ピアノ、パーカッション、そしてゲストにおともだちのバイオリニスト兼ヴォーカリストをむかえてのこじんまり編成で、ジャズ、ポップスを中心にお届けします。

福岡でのライブは今回2回目ですが、吹奏楽部の仲間と過ごした(文化祭での踊りの練習とか。ひょっこりひょうたん島、またいつか踊りたいですね<ブラス女子tallサイズのみなさま・・・笑)、思い出がたくさんつまった場所でのライブはとてもうれしいです。

福岡在住のわたくしの友人のみなさま、もしお時間があえばぜひお越しください。

2009年01月09日 | 日々のこと
いい風が吹いてきた。

今年は、たぶん自分にとってとても大きな、飛躍の一年になる。

そんな予感がしています。

いい風にのるためには、風をうける帆である自分自身のアンテナを、こまめに手入れをしていい状態に保っておくこと。

森羅万象の一現象である風を自分の意思でどうすることもできないように、風向きや風の強さを自分の意思で動かすことはできない。

けれども、いい風をうけられるよう、自分の帆を手入れする努力はできる。

来年の自分がどうなっているかたのしみです。

追悼

2009年01月08日 | 日々のこと
おもいがけない訃報に接した。

お会いした回数こそ少なかったけれど、修士論文が書けなくて苦しんでいたころに偶然お会いした先生で、資料館に連れて行ってくださったり、論文の感想を送ってくださったりと、その後もなにかと助けてくださった先生だった。

ひょろりとした風貌と誠実なお人柄の持ち主で、大風呂敷を広げず、地道な研究を続けておられた方だった。「こんなに素晴らしい研究が、なぜもっと評価されないのか」、というほかの研究者の方の無念さを帯びた賞賛の声もあるなかで、そんな声はどこ吹く風といった様子で、淡々と研究と授業に取り組んでおられた。名誉や出世のためでなく、純粋に研究を愛しておられたのだとおもう。

大切な方がまたひとり、この世を去られた。涙を流すほど、親しくしていただいたわけではないし、みずからの不勉強を思えば、こんな文章を書かせていただいているのもおこがましい気すらする。けれど、だからこそ余計に、こころのなかになんともいえない寂しさが通り抜ける。2ヶ月近く前に他界されたときに、なにも知らずにいたことが、どうしようもなかったこととはいえ、悔やまれる。

残された者にできることは、いまを一生懸命に生きること。目の前のひとを大切にすること。それしかないのだとおもっている。

「研究などという因果なことを続けていけるのは、どこかで、だれかと一緒に歩いていけるという希望があるからでしょう。」と、学問という営みの理不尽さや重み、先の見えない不安にもがき反撥して、「研究なんて」と自棄になりかけていたわたしをそっと諌めてくださった先生。

いまごろは、天国で、お好きだとおっしゃっていた聖画を眺めながら、ポルトガル語やスペイン語、そしてタガログ語の聖書の翻訳に頭を悩まされているのでしょうか。

この先の進路をどうしていくのかはこれからゆっくり考えていくつもりですが、どんな進路を選ぶにせよ、読んで下さった方々と一緒に歩いていけるような、そんな音楽のような研究を続けていきたいとおもっています。

おとしだま

2009年01月07日 | 日々のこと
おもいがけず、お正月に働いた分のお年玉をいただいたので、ずっと前からほしかった服を買いました。

オレンジがかったやわらかいピンク色のワンピース。ダブルガーゼなので、ふんわり軽くてあたたか。前あきボタンなので、コートがわりにもなりそうです。うれしいな。


100個のねがい

2009年01月05日 | 日々のこと
先日、ともだちと話していたときに、彼女が毎年100個願い事を書いていて、ひとつひとつ、かなったものから消していっているというお話を聞きました。もちろん、100個すべてがかなうわけではないけれど、毎年書いているとのことでした。

さっそくわたしも真似をして100個書いてみました。
ふだんやりたいことがたくさんありすぎて困ることが多いのですが、100個ともなると、後半は探し出すのがちょっと大変なくらい。かなり余裕を持って書くことができます。逆にいえば、たくさん夢があるといっても、せいぜい100個くらいのもの。そうおもえば気も楽です。

100個も書こうとおもうと、「料理がうまくなる」「楽器を練習する」などという大きな目標ではなく、「シフォンケーキを焼く」「クラリネットでこの曲を吹く」などと、かなり具体化されるので、そのぶん願い事がかなう確率も高いような気がします。

しぼりこんでいくのもいいとおもいますが、ケチケチせずにどーんと100個の願いごとをかいてみるのもいい方法だなとおもいます。

追伸;ちなみに、シフォンケーキを焼く夢は、きのう達成しました
次はどんなケーキを焼こうかな。