にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

永遠の出口

2006年09月29日 | 日々のこと
この人の文章は、言葉が肌にしっくりなじむ。
前に読んだ、『アーモンド入りチョコレートのワルツ』もそうだった。

本屋さんの宣伝文句や解説には、「児童文学からの転向のきっかけとなった作品」と書いてあったけれど、わたしはそうは思わない。

「児童文学」とそうでない文学をわけるのはナンセンスだと思っているし、「○○向け」などというのは、作者が決めることではないと思っている。

森さんの作品で一番好きなのは、毒から目をそらさないところだ。
こころの奥深くに潜む、どろどろしたもの。

そういったものから、目をそらさずにきちんと向き合っていて、その上で希望を捨てていないところ。

一気に読み終えてみると、ここ何日かの心身の不調がすこし快復している事に気がついた。

ほかの作品も読んでみたいなと思う。


***森絵都『永遠の出口』集英社文庫、2006年***





パンの駕籠

2006年09月27日 | 日々のこと
研究仲間の弟さんご夫婦が、パン屋さんを始められました。
9月の水曜日と土曜日は、10月のオープンに先がけたプチオープンで、食パンを配達販売しておられて、今朝うちにも届けてくださいました。

袋をあけると、ふんわりした優しいパンのにおい。
普通の食パンより小さめですが、ちぎって食べたら、ほの甘く、しっかりした食べごたえでした。
次は、銀閣寺の近くに行った時に、「かごあん」を買いに行こうと思っています。

ごはんも好きですが、わたしは焼きたてのパンのにおいが大好きです。

きのう実家からホームベーカリーの材料が届いたので、
近々豆乳パンを作ってみようかな。


パンの駕籠さんのホームページ

練習再開

2006年09月18日 | 日々のこと
先月から、大学卒業後7年間休んでいたクラリネットの練習を再開しました。

この間、休み休みとはいえ、歌はずっと続けていたはずなのに、やっぱり知らず知らずのうちにマイクに頼ってしまっていたんだなあと実感。おなかと背中の筋力がかなり落ちていると思います。

でも、一度歌をくぐったことで、
クラリネットの表現力は以前よりも豊かになったような気がしています。

優れたミュージシャンの演奏は、楽器の音色であると同時に声のようでもあり、
歌声であると同時にさまざまな楽器の音色のようでもある。

道のりは遠いですが、そういう演奏を目指したいと思います。


The Bassist

2006年09月14日 | 日々のこと
"Don't be afraid that you don't know,
We can learn."

"Yuki, you said, 'It's difficult'.
But remember that difficult things make you better."

             -Richard Davis-

「知らないということについて怖れる必要はない。
わたしたちは学んでいくことができるのだから。」

「ユキ、きみは『むずかしい』って言ったね。
でも、むずかしいことこそがきみを成長させてくれるんだってことを、
覚えておきなさい。」

                  



ワークショップで、ベーシストのリチャード・デイビスが言ってくれた言葉。
彼のCDを聴きながら、思い出しています。




海からの贈物

2006年09月12日 | 日々のこと
最近、自分のなかの所有欲と闘っています。

なにか素敵なものを見つけたときに、
なんでもすぐお金を払って自分のものにしたいと思ってしまうのは、
そのものに対する冒涜なのではないか。

もちろん、気に入ったものをなんでも手に入れることは経済的に無理なのですが、
手に入れたいという焦燥感にも似た思いに駆られているときは、
「買えない」ということが世にも不幸なことに思えることが多々あります。

そのとき、頭の中はそれを手に入れたいという思いでいっぱいになっていて、
目の前にあるものの美しさを愛おしんだり、慈しんだりする余裕はどこかにいってしまっている。

結局、そういうふうにして手に入れたものたちは、
手に入れたことで満足してしまい、
ほんとうに大切にはしてこなかったのではないか。

こころがほんとうに満足していないから、
買っても買ってもまだ足りないような気がしてしまうのではないか。

もちろん、物欲は消えることはないでしょうし、
ものを買うことが悪いことだとは思いません。

ただこれからは、ひとつひとつのものを買ったり、自分の近くに引き寄せる過程を、
時間をかけてゆっくり考えて味わっていきたいなと思います。


そんなことを考えさせてくれた本でした。


***Anne Morrow Lindbergh,"Gift From The Sea",1955.
アン・モロウ・リンドバーグ『海からの贈物』新潮社、1967***

帰洛

2006年09月08日 | 日々のこと
1ヶ月ぶりに、京都にもどってきました。

家に着くと、ワークショップでお友達になった方々から、
お手紙や、絵葉書や、CD―Rが届いていました。

ワークショップのときの空気を優しくまとった贈り物たち。

あのとき偶然出会えた方々それぞれの笑顔を思い浮かべると、
なんだか力が湧いてきます。

そして、福岡や大阪でも、さまざまな方々に
元気をもらいました。

感謝のきもちでいっぱいです。


先月から体調がすぐれず、一昨日は熱を出して寝込んでしまったので、
しばらくゆっくり休む予定です。

無理せず、気長に続けたいと思います。