建設現場の卵

建設現場からのエッセイ。「建設現場の子守唄」「建設現場の風来坊」に続く《建設現場の玉手箱》現場マンへ応援歌。

責任逃れ(2)

2010-06-18 08:36:41 | Weblog

 何とか出来るものなら2週間前に何とかして、作業完了させられたはずである。

仕方なくAさんはサッシの枠に外部からネジで留める方法を担当者に伝え、現場で工夫しながら半日以上もかかって、最後の1台の手摺を取り付けたのである。

 他の手摺のように溶接で留めてあれば事故は起きなかったのは確実であり、施工図にない作業命令を下したのはゼネコンで、Aさんは仕方なく取り付けざるを得なかったのである。

更に悪いことに、この手摺はメーカーから、

「住宅用であるから2階以下で設置すること」
と条件書きがあるものを、3階~4階にも設計事務所の承諾印を受けて
取り付けている。

 メーカーはこの手摺が4階に取り付けてあるとは夢にも思っていないし、
責任はない。

手摺の数も多いし、少しでも安い既製品を探した結果、手摺のメーカー
は2階以下の条件を指定しているが溶接で留める方法なら大丈夫と誰か
が提案し、誰かが承諾したのである。

この手摺の施工図にゼネコンと設計事務所の承諾印が両方共押してある
から、施工図チェックをミスったとは考えられないので金属会社は手摺
を購入し、Aさんは取り付けただけなのである。

「Aさんと金属会社に罪がある」とまだ言えますか?

「ゼネコンに責任がない」と逃げられますか?

亡くなられた家族の人の話では、
「入居して半年頃から手摺がグラ付いているのに気が付いていた」
と言う。

いつもなら触らない手摺だが、お友達が遊びに来ていて、窓下にお母
さんが見えたので、手を振ろうとした友達が窓まで寄って出て、手摺を
掴んで、そのまま二人が……。

何とも悲しくて、聞いていられない話である。

窓の手摺がぐらつく事はゼネコンに最初から修理依頼を伝えていて、
「今度まとめて、手直しをしますから…」
と言われたまま
3年経っても、手直しは一向にされなかったそうだ。

しなかった理由は歴然としている。
手直しをしたくても、補修する為の受け金物(下地)が入っていない
のを知っているし、入っていなければ補強が出来ないし、他の方法で取
り付けるにしても4階まで足場を架設せねばならないし、ゼネコンは
クレームの処理をする気がなかっただけである。

それでもゼネコンは責任をAさんに押し付けるのか!

  《責任逃れ 3へ続く》

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責任逃れ(1)

2010-05-28 08:55:06 | Weblog

                  

 

「弁護士さんに建築業界の説明をして頂けないでしょうか?」
と親しい金属工事の世話役から困惑気味の電話が来た。

ことの起こりは、
3年前に手がけたマンションの4階から子供が二人落ちて亡くなった
両親から手摺の取り付けミスで職人さんと会社に高額な賠償請求が来て
いる……
弁護士さんから建設業界について、もう少し勉強したい部分があると言
われて…
詳しい話は会ってから…と深刻な問題になりそうな気配が濃厚であった。

一週間後、社長と世話役がやって来た。

「小学校に入る前の子供さん二人が、窓の手摺を掴んだまま、買い物帰
りの母親の目の前に落ちて、二人とも亡くなられた。一人は近所の子供
で、遊びに来ていて、事故に遭った」

手摺を握ったままで手摺がはずれたの?」
と建築工事に重要なポイントを確認した。

事故の調査が始まって、関係者が集められた時、警察から、

「この手摺を取り付けた人は誰ですか?」
「済みません、私です」
と謝まりの言葉を職人さんが最初に言ったので、         
「原因の一つはこの人にもあり」
と直接手摺を付けた職人さんに、事故責任が一気に被さったという。

「ちょっと待ってよ、それはオカシイよ」
「だけど、外れた責任を最初に認めたので、賠償請求が…」
「その前にゼネコンには責任追及の手は伸びていないの?」
「3年前に竣工物件だから、もう、外れたのは関係無いと言っている…」
「施工ミスが原因であれば、職人よりも工事監理者が第一責任者だ!」

施工時のミスなのか、設計ミスなのか、入居者が破損させたのかで外れ
たことの責任の発端となるが、話を聞く程、だんだんと腹に据えかねる
ものが膨らんで来た。

そこで訴訟のいきさつを詳しく述べてみよう。

職人(Aさん)はその窓枠のみ違った方法で手摺を取り付けたのである。

他の窓の手摺は総て溶接して留めてあるのだが、その窓には溶接を受け
る金物がゼネコンにて取り付けられていなかったから、請負仕事は完了
せず手摺を会社に持ち帰っていた。

ゼネコンが受け金物を設置するまで2週間程度現場を空けていたら、
「明後日、足場を解体するので、あの手摺を早く何とかしろ!
「受け金物は付きましたか?」
「付いてないけど、何とかしろ」
「(2週間、何もしていなかったとは…)」

何とか出来るものなら2週間前に何とかして、作業完了させられたはず
である。
仕方なくAさんはサッシの枠に外部からネジで留める方法を担当者に伝
え、現場で工夫しながら半日以上もかかって、最後の1台の手摺を取り
付けたのである。

他の手摺のように溶接で留めてあれば事故は起きなかったのは確実であ
り、施工図にない作業命令を下したのはゼネコンで、Aさんは仕方なく
取り付けざるを得なかったのである。

更に悪いことに、この手摺はメーカーから

   《責任逃れ2へ 続く》

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塗装工事3

2010-05-10 16:02:25 | Weblog

では、楽しい塗装工事を……(日立建機PR誌ティエラ76号から)……

 塗装工事の目的は仕上がり面を華やかにすること。
この『色を付ける』という作業、簡単なように見えて実は施工監理
が難しい
ものなのです。
 塗装工事の監理について話をしましょう。

 マジックペンに油性・水性があるように、塗料もまずその成分
(アクリル・
ビニール・ウレタン等)を確認することから始まります。

 仮に鉄面に塗る場合、塗装は鉄を保護する役目、つまり錆から守る
役目を果
たしますが、海上の橋桁と高速道路の橋桁、あるいは歩道
橋とでは、例え色彩
が同じでも成分はまったく違います。

 鉄面の錆び止め処理は成分(JIS規格)の何種を何度塗装する
のか……を
まず第一に確認します。
 一般的に色(赤・黄・白等)を見て錆び止めの材質を判断していま
すが、一
種・二種の区別は18㍑の塗料缶に明記してあるので、事前
に必ず確認してくだ
さい。

 私の失敗を一つ、
錆び止め塗料と仕上げ塗装色のメーカーが異なっていたため、監理
者から、
「実際に問題は発生しないのか?」
と疑問を投げかけられたことがありました。

過去の組合せ実績が無い以上は「OK」とは言えません。このときも、
「多分良いでしょう」
の結論を出す前に、錆び止め塗料の総入れ替えを実施しました。
材質の違うものを混ぜるとか重ねる場合は慎重な配慮を怠った
のは私の監理ミスと判断したのです


鉄骨組み建て時にボルトのネジ部分は油が塗ってあり、油面に塗装は出
来ま
せん。
錆びを発生させて(油が落ちた状態)から錆び止めを塗ります。
コンクートに埋まる鉄骨部分に塗装した場合は付着力を弱めるので錆び
止め
処理は禁物です。
塗る・塗らないの境界位置も重要な管理ポイントなのですね。

仕上げ工事に突入した時点で工程が不足していれば、塗るというより色
を付
けるという作業になり、結果として一時しのぎで仕上げた事になり
ますが、こ
うしたケースは後で必ずツケが回ってきます。

鉄骨階段・手すり・建具などで数年も経過しないうちに仕上げ塗装色が
無く
なり、下地が現れている部分などを見ると、塗装した意味が薄れて
来ますね。
やはり簡単な言葉ですが「下地処理」が施工監理の重要ポイントになり
ます。
下地に1㍉の段差があれば塗装してもそのまま現れてきます。塗料で
1㍉も
厚さは塗れませんし、厚く固まった塗料は剥がれ落ちます。

下地の段差部分を同一面らしくカムフラージュして塗装しても、光が
あたれ
ば逆に補修面が浮き出る経験はよくあることです。
「塗れば隠れるから」
という雑な監理はしていないつもりでも、突貫工事現場に検査に行くと、
は飛び出たまま、しかも釘まで塗ってあるのを見ると、塗装監理に
合格点は与
えられません。

塗装工事の監理は塗り面に神経を使いますが、塗りの厚さも重要です。
塗り
厚さを計測できる便利な機械もあり、私は重要な場所は自主検査
記録表にてミ
クロン値を提出していました。

施工監理を十分行っていても、数年経てば止むなく塗装は色あせてき
ます。
しかし、色あせた塗装を除去している時に
「おっ!前のヤツらはいい仕事をしているな
と感嘆させる仕事こそが職人ワザでしょう。

塗装面はいつまでもキレイに見せておきたいものです。
 塗装工事が管理できれば長期間キレイで良い建物になることをぜひ
肝に命じ
ておいてください。

      塗るよりも
            付ける感じの 錆止めは
                  鉄面塗装の ガードマン 

  《続く》・・・コメント待ってるからね~
*****************************************************
《建設現場の玉手箱》 

《建設現場シリーズ最終章》
リストラの風により現場所長から一転した私は篩(ふるい)から
落ちた砂なのか篩いの中に残った土なのか…。
建設現場をこよなく愛する人達の《人間ドラマ》第3弾。

建築屋として苦労して築きあげたものは《信用》である。
信用とは《技術》であり、技術とは《人》である。
一流の技術であればこそ、次ぎの時代に繋がねばならない。
今、残せしもの、それは《信用と技術》である。
         (本文より)     名古屋丸善:刊 ¥1500-
*******************************************************

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塗装工事2

2010-04-16 08:48:41 | Weblog

塗料が缶に残った場合は地面に捨ててでも、とにかく空缶を大切に集めて
写真を撮れば、
塗装監理が終わった
ような話である。

「クダラナイ」
といえば同感出来るし《ヤレ!》と言われても、やってら
れない話である。

 ペンキを頭からかぶるようなシーンが、映画や劇に出て来るのは塗装屋さ
んから見れば、パイを顔面にぶつける喜劇のようで、侮辱されたような気
分になるのではあるまいか。
(一時的に笑わせる為の小道具に、建設材料を使って欲しくない)

 私の好きな塗装シーンは「トムソーヤの冒険」の塀のペンキ塗りの一幕
である。
そのシーンを少し回想すれば・・・。

 父母をなくしたトムはポリーおばさんに育てられてイタズラっ子だが、
どことなく憎めないところを持っていて頭の回転が速いのも人気の秘密
であろう。

イタズラの代償にポリーおばさんから、丸一日はかかりそうな長い塀の
ペンキ塗りの仕事を言われて、長いブラシを肩に塀の前でため息をつく
(しっくい塗りが正解だったかな?)

ペンキ塗りが終わらなければ遊びに行かせてもらえないし、ペンキを
一度ブラシで擦っただけでもう木陰に行って、サボる方法を考えていた
ら友達がやって来るのが見えた。

「おい、仕事させられているのかい?」
全く気がつかない振りをして、楽しく歌いながらペンキを塗っていると、
友達のベンが、
「面白そうだね?トム、僕にもさせてよ」
「だめだよ、こんな楽しいものは毎日やれないし、親友にもさせないよ」
 
ブラシで一塗りしては右から左から眺めている。
この一挙一動を見ていたベンはペンキ塗りに非常に興味を持って、
「このリンゴ上げるから少し塗らせてよ…」
「う~ん、少しだけだよ」
 
ベンと交替して塗り始めて、ベンがそろそろ飽きるころに、また友達が
やって来る。

「ビー玉と交換して、塗らせてくれないかい?」
同じようなセリフで次々と友達が変わってはポケットにどんどん財産が
増えて行く。
トムは木陰でノンビリしている間に、塀は塗り上がっていく・・・。

 夕方に「よくやったね」とポリーおばさんにほめられて、リンゴを
もらって、いたずら好きの少年のウインクで終わる。

「仕事」というものはしなければならないからする事。 
「遊び」
とは 
しなくてもよいのにする事。
 
トムは遊びの中から二つ学んだと私は思っている。

では、楽しい塗装工事を監理する話として……

***********(日立建機PR誌ティエラ76号から)************

 塗装工事の目的は仕上がり面を華やかにすること。この『色を付ける』
 という作業、簡単なように見えて実は施工監 が難しい
ものなのです。
 塗装工事の監理について話をしましょう。


  《塗装工事3へ 続く》

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塗装工事1

2010-03-29 13:06:20 | Weblog


塗装工事が始まる頃で現場の進捗事態が推測出来るのだ。

躯体工事が遅れ気味の状態になっていれば、
下塗りだけでも済ませておこう」
と、気が急くのも無理はないものの、コンクリートやモルタルの下地が
乾いていなければどうにもならない。
竣工検査日は言うに及ばず、竣工日当日もまだ塗装をしている現場も多く
見たものだ。

仕上げ工事の最終が色付けであるので、工事が遅れているのが塗装屋さん
の責任みたいに見えるのは、仕方のない職業のようだが、実態を分かって
あげたいものだ。

階段の手摺とか建具の扉とかはそれぞれの職人さんが取り付けてからが、
塗装屋さんの仕事始めになって、
「塗った所が傷ついた」とか「汚れた」とかで,
竣工しても補修用に色を残している。

塗装工事は何回塗るとかの決まりがあっても、決められた塗り回数以後は
「追加工事代の請求だ」との話は、あまり聞かない。

『ペンキ塗りたて』の小さな張り紙があっても、触ってみて、
「まだ乾いてないかな?」
と塗装屋さんの仕事を増やす人もいるものだ。

塗装工事を監督しながら、クダラン事をしていた(今もしているかも)話
がある。

 塗料の入った一斗缶(18㍑)を現場搬入時に数量が確認出来るように積
んで写真を数枚も撮る。

 塗装面積に対して塗布量が決められているから、大概の塗料数量は計算
出来る。

 例えば、トイレの天井だけ塗るにしてもその色の必要量を計算して、納
入写真を撮る。
建物全体の塗装面積は見積資料にあるものの、男女のトイレは普通では色
が違っているので、塗料の色毎に搬入数量を計算するのは、誰の仕事なの
だろうか。

『色々』と言う言葉のように、建設現場にて使う色は三~五色では納まら
ない。
塗装工事の色毎への気配りは色事の話に似て、綺麗な中にも面倒と思うと
前に進まない。

塗装面積を計算すれば青色
22缶、肌色30缶、アイボリー45缶…色は濃淡・
つやの量も様々であるし、塗る場所に於いても水性・油性・樹脂の他にも
多種あるし,
JIS1種2種とか、木に塗る場合と鉄面に塗る場合など、
材料搬入までの準備が煩わしいものだ。

色の三原色を持ってきて、塗装職人さんが色を調合するものと思ってい
たが、建設現場の塗装の量を思えば、塗料メーカーが品種・材種・規格に
適合した調合したものを、職人さんが塗ればいいだけになったのは、大進
歩である。

(見方を変えればクロス屋さんが指定メーカーのクロスを貼るのと同じ
かな?ただ貼るだけ…ただ塗るだけ…ならばネ)

さて、現場搬入した一斗缶は空になっても処分が出来ないのである。

空になった缶をそろえて潰して、これまた数量がわかるように撮影する。
 潰れた缶は見苦しい形になっていて、塗料の残りが缶の表面にこぼれ出て
いる。

「これを写真に撮って何の意味があるの?」
「さあ、昔から役所の仕事では塗装工事の提出写真に必要だから」

 予定量を塗ったら空き缶になって、空き缶の数で塗った事を証明出来る
からなんて本気で思っていたのだろうか。

塗料は刷毛からボタボタこぼれて床や手にまで付くし、丁寧に塗装して
塗料が缶に残った場合は地面に捨ててでも、とにかく空缶を大切に集めて
写真を撮れば、塗装監理が終わったような話である。

「クダラナイ」といえば同感出来るし、『ヤレ!』と言われても、
《やってられない》話である。

 ペンキを頭からかぶるようなシーンが、映画や劇に出て来るのは塗装屋
さんから見れば、パイを顔面にぶつける喜劇のようで、侮辱されたような
気分になるのではあるまいか。

  《塗装工事2へ 続く》

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交通安全対策・比較(3)

2010-03-15 09:10:31 | Weblog

名古屋という土地柄は変わっている。

 たまたまその交差点で運転手とパトカーのハチ合わせかと思ったら、15分もしな
い内にまた同じパトカーが右側から来る車に対して、隠れるように定位置の如く止
まっている。(まだまだ反則切符を切ってや
るぞ~)

「あんたには駐車禁止はないの?」
と聞きたいよね。
捕まえる為に赤色回転灯もピカピカ廻さないで止まっているのは、捕まえるのが
仕事と言う事になり、交通安全指導対策(死亡事故撲滅)の為に路上駐車している
のでなくて、交通違反者を待ち構えているのでしょうから、安全に対して私は腑に
落ちないのである。

 建設現場でトラックからホースを引っ張らざるを得ない仕事でも、仕事だから仕
方ないと説明しても駐車禁止だから車を移動させろと何度も命令を受けた。

 警察官の仕事も建設現場の仕事も大義名分の『仕事』としては同じである。
仕事の中の一つに『安全・無事故対策』がある筈なのです。

安全・交通安全・安全運転を掲げている愛知県警にもう一つ言わせて頂こう。
 
名四国道(名古屋~四日市)は高架を含んだ一般道路であるが、平気で時速
80㎞で
走行しているのを、取り締まらない。
時速
70㎞走行ならば遅い部類で夜間は90㎞越えは常識である。

 名古屋に赴任して来た当初は60㎞で走っていたら、長距離運転手から一撃を食わ
される寸前の恐怖を味わったのは二度や三度ではありませんでした。

 法を守っているのに他県ナンバーの車だったからか
「チンタラ走るなタワケ(馬鹿者)!」
と追い越されざまに急ブレーキをかけられて、注意と言うか叱られたのだ。

  愛知県警に質疑したら、
あんなところではスピード違反は取り締まれないから」
 には、驚いたしネズミ捕りさえ行っていないとの裏情報が生きているとは…。

 暗黙の暴走道路を、名古屋人は走っているのだから、運転は上手かも知れないが
一たび事故になれば大事故は免れない。

 それでも、何とかしようという対策は《スピード落とせ・静かに走行》の排気ガス
汚れた看板ばかりであって、安全走行の原則・死亡事故の絶滅対策とは言い難い。

 その反面、都市高速と言う全線高架道路では、走行距離で換算すると日本一高い
高速料金でありながら制限時速
60㎞であり、時速80㎞出せば当然パトカーは追っか
けて来る。

 高い高速料金を払っても制限速度が遅く、タダで走れて猛スピード走行が混在する
道路の安全監理・交通安全は誰が本気で取り組んでいるのだろうか。
 
 
警察官は事故の後処理に追われて人手が不足との声も聞こえて来るが、命に係る
ことに手を出し惜しみして他人まかせにしていて、電柱の影で安全を言っても
「死亡事故死者は減らない」
と 何故気がつかないのでしょうか?

それとも気がついているけれども何ともならないから、腹いせに捕まえられると
ころに出向いて、市民から更に嫌われる仕事を続けていらっしゃるのでしょうか?

国家に意見を言っているのではありません。市民が安全に交通事故から身を守れ
るような方針は誰に頼めば叶えていただけるのかを知りたいのです。
建設現場の安全監理と比較して無事故対策の本気度があるのでしょうか?

 最初にも言いましたが『誰の為の交通安全』なのですか・・・。

《続く》・・・コメント待ってるからね~

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交通安全対策・比較(2)

2010-03-01 08:41:46 | Weblog

 取り締まらなければ死亡事故が発生するような、また取り締まる価値のある危険
直結場所こそ、警察官が前に出れば事故防止であり安全対策と言えませんか?

 それとも反則金を徴収する為には隠れることも必要なのでしょうか?

徴収する為ではなく安全の為と言われるのならば、厳重注意で済むことです。

人と車の接触事故のない場合ならば,
「一旦停止は完全停止ですよ」
教えれば済む事だ。

 だが現実は、小さな交差点の左側にある道路にパトカーを隠すように止めて、一旦停止違反しかも
『完全に停止』
していなければ法令違反だと目を光らせて、
「ブレーキランプはついたのを見たが停止してない」
と左側から急発進して急に回転灯を廻して追跡して出ている。

 警察官二人が停止していないのを見たのが証拠だと運転者に迫る。

 狭い道路で徐行運転しているような時でも、
「見たとか見てない・止まったとか止まっていない」
と確たる証拠はないまま警察官の言いなり になる。

 裁判してもいいのだが、警察官二人の証言が《正しい》という判決が何度も出
ているらしい。

 日本の警察官は法を守り、軽犯罪すら全くないという《全員が正しい警察官》
であるならば警察官の証言は絶対のものであろうが、警察官が犯罪者の場合も多
くあり、その上司が謝っている御時世でありながら、警察官の行状がいつも正し
いと言えるのだろうか。

「謝って済めば警察はいらない」
と言う俗語があるが、警察官の上司とは、謝れば済まされるものなのですか?

「警察官だって間違いがある」
と頭を下げて言い訳をするのであれば、国民はもっと間違うし、間違っても謝る
ことすら出来ないまま、反則金を納める法令のどこに安全対策があるのですか。

 徐行運転していて人も車も前にいなくて、ブレーキは踏んだが完全に停止はしな
かったのを見逃せと言うのではありません。
その場の交通状況で判断して欲しい。

「済みませんでした、以後気をつけます」
 と警察官のトップは堂々と謝っているのに、運転者は同じ言葉を何故一度も言えな
いのはどうしてだ。

 左右確認して完全停止(3秒停止)はしなかったけれど何もなかった状態でも、何
が何でも反則金を徴収するより、犯罪警察官の上司のように
「済みません…これからは完全に停止します」
と運転者が謝る場合があっても良いでしょう。

 
一旦停止の場所で事故が起きた場合に当事者の責任を重くすれば良いのであって、
その場に事故の要因がなければ、止まる必用のないところに取り締まり用の止まれ
の標識を立てているのです。
 死亡事故を撲滅させる為に一旦停止の標識が設置してある訳じゃないって事だ。
 今、この場で一旦停止無視だから衝突事故が発生した訳でもないし、死亡事故撲滅
運動のスローガンに、この隠れた取締りは考え物ではないだろうか。

 危ないから止まれと言うならば、危なければ危険を取り除き、事前の手を打つのが
建設現場では常識》です。
看板を設置して物陰から眺めていての交通事故対策、それが死亡事故者の数を減らせね
ばならない『この地域の緊急安全対策』にどう繋がっているのか…
 
  それに、名古屋という土地柄は変わっている。

 《交通安全対策・比較 3へ 続く》・・

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交通安全対策・比較(1)

2010-02-10 08:44:58 | Weblog

 

       

 
国家警察に喧嘩を売る気は全くありません。
 
 しかし、警察の交通安全対策を見ると、安全の根源が建設現場の「安全」
の感覚とどうも違う気がするから、個人的な偏見から「誰の為の安全」
守っているのか話をしたい。

 私の住んでいる愛知県を例にして申し訳ないが、忌憚無く述べさせて
頂く。

 愛知県は毎年のように交通事故死者全国一である。二位になったとし
ても一位と大差はないのでありながら、安全運転により死亡事故を減らす
方向性が、私には見えない。

 建設現場では特に重大災害・死亡事故に対して事前に危険予知対策を施
す対策をしている。
 例えば墜落してから事情聴衆しても仕方がないので、落ちる危険性のあ
る場所にはネットを張り、毎日のように事故が無いようにチェックする。

 建設現場の事故も交通事故も《安全対策》の根底は同じ筈であり、事故
を防ぐ行動・仕草の内容によって、建設現場は無災害竣工が達せられるが、
交通安全を叫びながら、不名誉記録を返上できないのは何故かと思う。

 人気女性タレントを一日警察署長として呼べば、交通事故が減る女神な
んてまさか本気ではあるまいし、もっと別の安全監理対策があるでしょう。

 さて------本題。
 車を運転していて、いつも思うのであるが、信号は誰の為のものなのだろ
うか。

 歩行者を保護する為に信号を設置して、車を止めて歩行者を守るのでな
くて、車の邪魔にならないように
「歩行者は瞬時に横断歩道を渡れ」
の如く歩行者用の青信号時間は短い。

 事故は信号のある場所で、しかも大きな同じ場所の交差点で死亡事故
が度々発生しているのだが、事故処理はするけれども事故が起こらないよ
うな方法がなされていない。
 
 事故の多い交差点付近の建物に自動カメラを設置して、どちらの車の運
転者が信号を無視したから…と言う事故解明の為の道具からは事故防止に
はなりません。
 
 私が疑問に思うのは、小さな交差点での安全の対処の仕方です。
   
5メートル幅もない一方通行道路上の《駐車違反の車は無視》しながら
「止まれ」
の標識がある電信柱の影に二人で隠れて、一旦停止違反を捕まえる行為
が『安全対策』なのだろうか。死亡事故が絶滅になるのだろうか。

 捕まえるから安全になるのか、事故を防ぐ行動が安全なのか本質を選
んで欲しい。
 
 
建設現場では開口部があればネットとか蓋を先ず整備して、作業者が墜
落しないように手前に手すり等を設置して安全を監理している。
 ネットを外したり穴が空く状態になれば、隠れたままで落ちる可能性を
待つような事は決してしない。

 《隠れて安全監理》をしていたら、目の前で落ちる人を助けられないの
は誰でもわかる。

 交差点の手前で安全を注意するように警察官が立ってくだされば、歩行者
も車にも事故は起こらない。一旦停止違反を捕まえるが為に隠れていて、
「一旦停止をしなかったから反則切符を切ります」
が悪いと言うのではありません。

 あなたが隠れている目の前で事故が発生すれば、目撃者として証言出来
るでしょうが、万一、亡くなられた人がいた場合に遺族から、

「あなたが交差点の前に立っていてくだされば」
 と言われたら心に響くモノはありませんか?

  建設現場の所長以下全員は自分の現場から事故は起こさないように、
安全には厳しい姿勢で取り組んでいます。

「誰かが手すりを外したから」
と犯人追求よりも、なぜ誰かが手すりを《復旧》しておかなかったのかと
悔やまれるのです。

「その近くで作業した時に、気になっていたのだが…」
 手すりを外したのは私ではないけれど(ごめんなさい)と仲間意識が
増し、血の涙を浮かべ、悔いが残る。

 交差点の前に立っていては一旦停止義務違反が検挙出来ないのなら、もう
一歩考えて頂けたら…と思うのは私一人でしょうか。

 危ないから一旦停止の標識を立てているのならば、危なくないようにす
れば良いだけであって、標識を信号に取り替えれば警察官の方々も電柱の
後ろに《隠れて》迄して、取り締まりをしなくて良いではありませんか。

 歩行者の為に折角設置した小さな交差点の信号に対して、今度は黄色
で進入したから信号無視という違反を《隠れて》取り締まる場所に置き
変わっているのも解せないのです。

 取り締まらなければ死亡事故が発生するような、また取り締まる価値の
ある危険直結場所こそ、警察官が前に出れば事故防止であり安全対策
言えませんか?
 それとも反則金を徴収する為には隠れることも必要なのでしょうか?

 徴収する為ではなく安全の為と言われるのならば、厳重注意で済むこと
なのです。
 人と車の接触事故のない場合ならば
「一旦停止は完全停止ですよ」
教えれば済む事だ。

          《交通安全対策 2へ 続く》・・ 

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弋工の思い出(3)

2010-01-25 09:58:14 | Weblog

……………………… (弋工の思い出 3)………

 今度はレッカーのオペレーター(運転手)が蒼い顔をして来た。

 鉄骨を吊り上げていたら、左右の弋の合図が違っていたそうだ。

 80㌧レッカーは重量を吊り揚げる力はあっても、揚重する速度は少し
遅い。
 
全速旋廻でもゆっくり動くようにしか見えないので、弋がイラ起った
ようである。

 弋の一人は早く巻き上げ(上移動)と言い、一人は廻せ(旋廻)とオ
ペに合図したのだが、オペは安全上、自分の判断で一旦動きを停止した
ら、二人からボルト(リポビタンD程度)
が運転席に向かって
げつけられたのだ。

「で、被害は?」
「重機(レッカー)に傷が少し付いたのはイイが、もうこの弋さんとは
やってられない!」
「弋はどうしてる?」
「鉄骨から(地面に)降りてどこか行った、鉄骨は吊ったままですよ」
 少々の風では動かない鉄骨梁だが、宙ぶらりんは危険な状態だ。

「とにかく梁は地面に一旦降ろしてから、話をしよう…よね」
 
相当、オペさんは頭に来ているが、なだめる言葉も見当たらない。

 最初から弋とオペさんの連携は上手くいっていなかったらしい。
 
そこまでの配慮が出来なかった私のミスでもある。

「まだ先は長いし、ちょっと弋の社長を呼ぶから、皆で話し合いをしよ
うよな?」
「弋を代えるか、私が出て行くしかないでしょうよ…」
「そうかも知れないが、所長に相談もしなければ、俺は何も言えないよ…」

「オペやって20年以上なるが、こんな弋さんグループは初めてだ、私は
もう出来ません!」
「交替するにしても、事情をはっきりさせておかないと、次ぎのオペさ
んが困るから」
「・・・(次ぎの人には悪いことを、押し付けたけど…)・・・」

 とにかく、私もはっきり言ってここから去って行きたいので、一触即発
でケツをまくる腹づもりは出来ていた。

 鉄骨工事がかなりの工事量を占める現場であって、鉄骨建方にマゴつい
ていたのでは話にならない。
 どうやってこの状態を乗り切るか・・・
(内輪話から得るものは何もない…のでここでの話は省略しますが、弋職
人は交替メンバーがいなくて、オペさんを交替させるしか無かった)

 竣工まで鉄骨建方のみならず突貫状態は続いたが、重大事故がなかった
のは幸いである。
 工事全般に於いて苦心した割に儲けも出ず、イイ思い出もなく、教訓に
なるものもなかった。

 高層ビル・マンション・体育館・大劇場など色々な鉄骨造の建物を経験
したが、鉄骨建方の度にこの現場を思い出して複雑な心境になり、
同じ轍は踏まなように反省もしている。

 底辺を経験しただけにその後の鉄骨工事は気合が入っていて、現場は
順調に進んでも気持ちは悪い方向ばかり憂慮して、鉄骨建方にはどうも
笑顔を忘れているようだ。

    《続く》・・・コメント待ってるからね~

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            E-mailandante2@d2.dion.ne.jp
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弋工の思い出(2)

2010-01-15 08:49:46 | Weblog

     ………………………(弋工の思い出 2)…………

 鉄骨建方が始まった。

 80㌧レッカーが2台、少し離れて45㌧レッカーが1台待機している。

 先日地面に山積みしてある鉄骨を、45㌧レッカーで先ず柱から引きずり出して80㌧レッカーに柱を引き渡し、それを受け取って更に奥の80㌧レッカーに引き渡してから、やっと1台の柱が建つのである。

 バケツリレーのように柱を2度手渡してから、柱が垂直になるように方向を変えてやっと柱を建てるのであるから、時間がかかっても鉄骨はなかなか建たない。

 普通一日に30ピース(大小の30部材)ほどが取り付けの目安である。

 昼まで作業しても遠い所から鉄骨を移動させていただけのようであり、だんだん焦って来る。

 の字にならなくてもせめての字のようになるまで、柱(コーナーの)4本と梁5本(周囲と中の1本)は繋いでおきたい。

 それでも一日予定数の30分の9であるから、弋は今日、全く稼いだことにならない。

 鉄骨建方の開始早々から、弋職人の周囲の空気は重くなってしまった。

 それでも、三日間は耐えていた。

 だが、四日目の朝礼時に弋さんが一人も来ていない。

 今日からはトラックから直接吊り上げて、そのまま建てられる柱もある。

 トラック3台はもう場内に入って荷降ろしを待っているのだが、肝心の弋さんがいない。

 携帯電話のない(職長はポケベルを持たされていた)時代であるから、職人さんと連絡が付かないので、現場に現れるのを待つしかないが8時20分は廻っている。

 朝礼が終わって、
「弋はどうした!いつ来るンだ!」
と周辺が騒がしくなった頃に、

「二日酔いで……、すぐには上に上がれんよ、福さん」

 酔いが残っていれば上がれないのは当然だが、弋が鉄骨に上がれないでどうするンだ。

「じゃあ誰がこの荷を降ろすンだ?」

「アンタらで降ろしてくれ、まだ酔いが残っているから…」

だらしない職長であり、若い弋さんも下を向いているだけで何とも気まずい空気である。

 刀を持っていたらブッタ切っているところだ。

「もう帰れ!宿舎に戻って寝てろ!

 弋は今までも不平タラタラ言いながら作業をしていて、周囲の意気が萎えている所に、チームワークを乱す態度は許せなかった。

 足場組立ての弋さんにお願いして、トラックの荷物は降ろしたが鉄骨建方は休みとなった。

 工事全体が遅れている所に、また遅れを重ねてしまったし、レッカー使用料も一日分無駄になってしまったのは私の短気からであり、所長にも鉄骨工事の関係者にも申し訳がなかった。

(雨が降って今日は高所作業が出来なかったンだ)
と自分に言い聞かせるしかなかった。

 それ以後、弋は私の機嫌をとるかのように、少しは私の指示を聞くようになったようだった。

 やっとのことで10日間が過ぎた頃、

「もう、帰ります!二度とこの現場には来ません……」
「何?何があったの?」

今度はレッカーのオペレーター(運転手)が蒼い顔をして来た。

  《弋工の思い出3へ 続く》

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