……………………(型枠工事 その2)…………
いまさら、何が出来るのよ……。
大手ゼネコンと言えども職人さんの良し悪し次第で、建物の品質は決まるのである。
大手だから職人さんの腕が良いかと問われれば、一概にイエスとは言えない。
正直に言えば、大手だからこその超大型工事をかかえていて、仕事量が多くて職人さんを集めるのが大変であり、
全国から集まった職人さん達は、
「俺ら今回限りの現場で、日当が良くて応援仕事(責任は無いモンね)だ」
との思いがあり、型枠大工・鉄筋工に限らず、
「地元業者の職人さんよりタチが悪い」
と思うのは、私一人ではないだろう。
とまれ、型枠工事はコンクリートの形をなすものであるから、コンクリートを打設する前に出来るだけ精度を確保し、打設中も型枠の変形をチェックする仕事も重要である。
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前回の話の続きとして、……(日立建機PR誌ティエラ70号から)……
「鉄筋が型枠にくっついているから型枠を広げろ」
こんな状況の時、作業の結果を型枠大工さんの責任にしていませんか?
同様に型枠と鉄筋の間隔(被り)が狭くなっている場合でも型枠検査時には修正を命じられますが、組上がった型枠はそう簡単に広げられるものではありません。
前回に続いて型枠工事管理について話をしましょう。
鉄筋はコンクリートに埋まってしまいますが、型枠は表面の仕上げまで美しく見せる役目を持っています。
吹き付け塗装やタイル貼りを施工して後日、下地の不陸が現れる原因は、型枠の組立精度に原因がある場合が多いのです。
型枠組立をイメージして、机の上に鉛筆を立ててください。
一度で立ちましたか?
鉛筆の底に接着剤を着けて垂直に固定する事の何倍も、実際に型枠を組立てるのは困難な作業なのです。
型枠は床のコンクリート面に釘を打って固定しますが、コンクリートの中に2㌢程度しか打ち込みが出来ません。
足元が不安定な状態から組立てるのですから精度確保は大変です。
《型枠工事の話(3)へ 続く》