建設現場の卵

建設現場からのエッセイ。「建設現場の子守唄」「建設現場の風来坊」に続く《建設現場の玉手箱》現場マンへ応援歌。

JV企業体ならば

2017-05-30 10:39:21 | 建設現場

…………………………(JV・企業体)…………

いつの時代から始まったのか知らないが、一つの建築物を創るのに
JV(建設共同企業体)という看板名を出している現場が増えている。

『ジョイントベンチャー』なる言葉で土建屋のやっている事柄を、あたかも
大事業でも始まったかの言葉を使って世間体をごまかしているだけだ。

最初に言いたいのは、ジョイントする必要性が無いもので、三流タレントの
ジョイントコラボと似ていて、とにかく儲けようとの魂胆が大きいのだ。

このJVとして工事を行うシステムが発生したのは、大型工事をスーパーゼネ
コン1社に発注しない(皆=ジョイントしで儲けを分けよう)との大義名分から
であり、特に土木工事には多い。

ダム・新幹線・地下鉄・高速(高架)道路・トンネル・下水道など土木工事は、
ほとんどJV工事である。

建築では空港・高層ビル・官公庁庁舎・◎◎会館などの公共建築物にJV工事
が多い。

土建会社から言えば入札をして、1社で請け負いたいものだが、国の発注工事
には後ろで操っているヤカラがたくさん口出しして、官側が土建業者を1社に
落札出来ないウラ事情を張り巡らせている。

つまり、落札に天の声さえ聞く耳を持たず、《族》議員の力量で甘い汁の奪い
合いが始まるのである。

そこで更に工事範囲を分割し共同企業体の数を増やせば、ゼネコン数社に仕事が
分配される訳で、ひいては議員さんの『票』に繋がって行くのである。

《政》  口出しをしない訳がない。

建屋》談合をしない訳がない。

《業界 にJVがなくなる訳がない。

まともなモノが創れる訳が・・・

専門分野の仕事を持った業者が2~3社で共同企業体という看板で工事をする
のが、JVを組む目的だったが、土建屋は最初から賛成したとは思えない。

日本のゼネコンとしては専門技術力に大差がないのであるから、だれがどこと
JVを組んでも同じである。

「俺の会社は◆◇部門が弱いからその部分をZ建設にまかせよう」てな事は
ゼネコンの口から絶対に言わない。(プライドより意地があるのだ)

しかし、JVの組み方にしても極端な場合は会社更生法適用申請中のゼネコン
が最新の大プロジェクトのJV看板に名前が並ぶのだから、土建屋の裏という
よりも
《政》がどのようにからんでいるのかをはっきりさせたいものだ。

 共同と名を付けてみても実際は幹事会社が総てに主導権を握り、その下に名前
を並べる通称JVのサブ会社は社員を出向させるだけで、予算作成や下請け業者
の選定にも権限がない。

「幹事会社の言うとおりに総てお任せします」がJV組織円滑の基本である。

工事請負額の持分も幹事会社が60%取り、サブAが20%・サブBが10%・サブ
CDで10%のように比率を配分する場合も多々あるのに、共同とは何を指して
いるのやらだ。

儲けた場合も損をした場合も請負金の比率で負担する原則であるが、大儲けし
ても
幹事会社が財布を握っている以上、サブには原価監理は霧の中であり、
予算より
少し儲けた程度の清算書が公表されるのだ。

正直に儲けた全金額を発表するならば幹事会社の意味がないし、自社の儲けを
削って
まで企業体へ分与するほど幹事会社はマヌケじゃあない。

だからJVの幹事会社としてはサブの会社から出向してくる社員に対して、
請負金比率の頭数(人数)が揃えばいいのであって、実力を期待する必要は
なく、
原価監理の乏しい人や幹事会社のイエスマンである方が、現場にとって
は円満に
工事が進むので何かと都合が良いものだ。

企業体各社のトップがJV会議を開いて、工事予算書を承認すれば、余程の
ことが起
こらない限り、竣工まで幹事会社の「やりたい放題」、思う壺で
仕切って行く。

共同企業体と言ってもすべてがオープンではなくて、応接室や所長室はもちろ
ん、
幹事会社の担当者の机や書類ロッカーは鍵がかけられていて、マル秘の
書類や
帳簿らしきものにはサブ出向社員と一線を引いて厳重管理されている。

幹事会社の契約書や請求書・経費伝票について口を出したり、工事途中で
共同利益の分配
額を追求したりする人が出て来たら、現場の空気に軋轢が
生じるのを防ぐ為とで
も言うのであろう。

現場構成の人数と年齢をJV会議で決めて、副所長にはサブコンが座り、
現場担
当員も主要工区は幹事会社で占めて、サブは鉄筋工事(配筋検査でも
やらせとけ)
が関の山である。

サブから出向社員が来ても『裏サブ』と言って会社の名前を出ないゼネコン
JVにくっついている場合や、名前があっても出向社員はいなくて、名前
だけの
幽霊社員の時もある。
(天の声の為、誰もが見て見ぬふりで………族議員のチカラに口を閉ざす)

JV工事と世間の目を向けさせていても専門分野で共同合作しているのでは
決してない。

私もサブとして出向した経験があるし―――
                《JV・企業体ならば 2》へ続く

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ピラミッドからの発信 2

2017-05-09 11:57:16 | 建設現場

…………………………(ピラミッド からの2)…………

(前回の訂正から)

 

『しかし、20万人で創ったのならば年間1万人であり、一日当27人となるし、
310箇所で作業していれば(310÷11)一人が11箇所同時に立っている事に
なり、計算式は成立しない。』

 

(訂正)一日当たり27人で310箇所石積みですから310÷27=11. 
一人が11箇所
同時に立って作業している事です。
--------

話を続けよう。
思い切って「毎日20万人の労働者が休まずに20年働いた…」が古文書の
正解
な訳だとしても、現実味に欠ける数字と私には思える。

ナイル川が氾濫して年間9ヶ月しか工事が出来ないとも言われているから、
その環境でも20年で出来たのならば、秒速(15秒で一個)で230万個の
石を積み上げた事になるから、今から計算をやり直すより、
もう工程分析の計算は止めにしよう。

作業速度も人数も想定出来ないので、工事方法は秘密のベールで隠して
おくしか
あるまい。

計算がどうであれ、現実にピラミッドは石で積み上げられている。

興味はさらに、作業方法についても夢が膨らむのである。
レッカーもトラックも無い時代なのだから頼れるのはラクダと人力
のみしかない。

周囲は砂漠であり数百kmも先にある石の採掘山から建設現場に搬入する
には、
気温40度の中を、船を使うか人力運搬で引きずって来るのだから、
時間も労働
力も計算不可である。

現場に石が到着していて、積み上げ工事が始まっての20年としても、
人力で頂上へと
運ぶのであるから運搬用のスロープを創って、丸太の
上に石を載せて引っ張って
いる『絵』が浮かんで来る。

運搬専用道路を10分の1勾配(引きずれる最大勾配)で作ったとしても、
斜路
だけでも長さ1460㍍、高さが140㍍のものを創らねば頂上に達せず、
盛り土は800万立方メートル(ピラミッドの3倍)も必要になる。

砂漠の中斜路用の堅い土はないし、斜路は二方向は最低必要と思えるし、
斜路を創る道具もない。

この石の横移動方法も、有り得ない話としか言いようがないですね。

搬入斜路が実際にあったとは、判明されてはいないが、斜路がなければ
どうやって……。

シンプルな姿の中にもまだ驚きの精度の問題が残っている。
ピラミッドは四角錘となっており四面の勾配が51度もある角度の精度は、
底辺
が230㍍もある水平の確保とともに、どうやって四面を《錘》に
させたかである。

四面の内、一面の勾配が少しでも違えば四角錘には成り得ない。

急な勾配の為に人も石も不安定になり、転落事故の発生にさらされながら、
二分間に一個の早さで角度まで正確に据えつけるのは、今の時代に
油圧ジャッキ
を使用しても不可能である。

ピラミッドの中に王の間・女王の間・重力軽減の間もあり、高さ45㍍まで斜め通路もある。

途中で15㌧は越える重さの巨大石もあるし、9㍍の高さを持つ廊下のような空間もある。
(太陽光が入って明るい部屋もある)
複雑な石積みには指揮者も必ずいた筈で、石を積む原理はどこから知識を得たのであろうか。

ピラミッド建設時代(紀元前2500年)、日本はまだ海の中であったかも知れないし、
日本人の存在はまだ記録に現れてさえもない中で、精度の高い工事がなさ

たのである。

外から見れば単純な形であるのに、建築物として眼を閉じれば、
宇宙の彼方まで
想像をかけめぐらせても、答えがみつからない不思議さに
感動さえ与えてくれ
ている。

ついでにオマケのこじつけ?コメントもしよう。

そう、宇宙的に見ればピラミッドの位置はオリオン星座の三ツ星に深い関わりが…について、

三ツ星は一直線ではないが、この配置がキザにある三つ並んだピラミッド
と同じ角度と同じ比率で天体に何らかの意味を正確に示していると思える。

それから、ピラミッドの大きさは地球の北半球の43,200分の1である…について、

ピラミッドの底辺四辺合計長さと赤道の長さ、北極から地球中心までの
高さ
比率は長さで6㍍高さで40㌢しか誤差がなのは偶然の出来事では
あるまい。
地球が楕円であるため誤差として6㍍となった。

(当然勾配が51度になる事も、地球の大きさを既に知っていた…とも
思われる)

《これは現代人の解析結果論であり、太古の昔に考えていたのか、
私にはオマケ
の話である》

シンプル・イズ・ベストから話が飛んでしまったが、
「俺様の不思議を解明出来るならやってみろ」
とピラミッドは言い続けているに違いない。

単純な形の中に、これほどの神秘があろうとは……。


                ****
次回はJV企業体のアレコレ話しよう

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