建設現場の卵

建設現場からのエッセイ。「建設現場の子守唄」「建設現場の風来坊」に続く《建設現場の玉手箱》現場マンへ応援歌。

教え方(2)

2009-07-20 09:06:05 | Weblog
…………………………(教え方 2)………………  
言葉や図面で表しても、職人さんにはこちらの意思が通じない場合は多々ある。

「職人なら、変な図面だ…そのぐらいは分かるだろう!」
と自分の指示の疎漏を認めようとはしない。
「これは変更ですか?」
 親方から見れば一旦作ってあるものが、今になって違うと言われても簡単に、
「作り直します」
とは言えない。
 変更による追加工事という訳ではなく、
「指示がなくても職人なら納まるように作って来い、納まらないのは見れば分るだろう」
と見下した言い方で親方に言うのが深川所長の口癖であった。

 しかし、《このように創って来い》というのが施工図であり、承認印のある図面を親方
に渡しているにも拘わらずに、
「職人ならわかるだろう!」
の一言に、とうとう私がプッツンしてしまった。

 一体どうすれば良いのかと説明を聞いているのに、返事になっていない。
 説明する内容は所長から見れば幼稚な話かも知れないが、私も職人もその幼稚な内容さ
え理解出来ないのだから、見るのではなくて教えてもらって、聞く事が最優先である。
 
 深川所長さんが若かりし頃は、
「先輩達のやっている事を、側で盗み見て覚えたものだ」
と親方と一緒になって、昔話(自慢話)を酒を飲みながら繰り返して聞かされていたと言う。
 しかし、昔の時代は昔の事であり、今はこの間違いらしきモノを如何にするのかの指示
が先決なのであるのに、説明下手なのか修正の詳細が全く伝わって来ない。

「どうすればいいのですか?」
親方も所長の指示を待っている。
「お前らで考えろ…」
(それではコタエになっていない!)

 万事この口調であるから、若手職員が育たないし、職場を去って行く。
「根性ないなあ、あいつは…」
の人物評価が上司に伝わるだけだから、若手には気の毒である。

「福本さんの現場なら続いていたと思います」
とK君から会社を辞める相談を受けた時に聞いたが、手を差し伸べるには力不足だった。

  《教え方(3)へ 続く》

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1 コメント

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Unknown (ソクシラベ)
2009-07-20 11:32:35
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