今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

ガンダム人物列伝 株式会社レッカ社 2008年2月18日 PHP研究所

2015-04-23 07:54:00 | ガンダム
アムロ、シャア、カミーユ、ジュドー。もし彼らが歴史上の人物だったとしたら……。本書は、『機動戦士ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』に登場した90人を、実在の人物と仮定して捉え、それぞれのエピソードを紹介しながら寸評を加えたものである。「ザビ家打倒を目論むジオンの『赤い彗星』=シャア・アズナブル」など、新視点で解説を施した大人のための一冊。文庫書き下ろし。
裏表紙より。
『新視点』・・・?2008年時点では新視点だったのかも・・・ははは、御冗談を。

第1章 機動戦士ガンダム

キシリア・ザビの政略を支えた腹心
マ・クベ

戦場に降りた貴族趣味の官僚

 彼は戦術に長けていたり、戦功で有名な軍人ではない。貴族趣味を持ち、数字など目に見えるものしか信じないという言動からは、官僚臭が強く感じられる。戦術や戦闘に関しては、参謀や前線指揮官にまかせていたのではと推測できる。しかし、戦争全体を見渡すことができた数少ない軍人でもある。
残念な将の解説に『官僚臭』という表現が使われて、しかもそれに納得できてしまうあたりが・・・。
『戦争全体を見渡す』ったって、目の前の兵士のことも見えない奴に何ができると。

ミライ・ヤシマの頼りない婚約者
カムラン・ブルーム

親の力を自分の力だと思い込む

 親の金や権力を使うのは、カムランには当たり前のことだった。もしも、それを鼻にかけて自慢するようであったなら、逆に誰かに叩かれて成長できたのかもしれないが、彼はそこまで腐ってはいなかった。あくまでも善良なのである。そのことが、かえってミライとの別れにつながってしまう。




第2章 機動戦士Zガンダム

名前を変え地球圏に再び舞い戻ってきた赤い彗星
クワトロ・バジーナ

クワトロ・バジーナという仮面に隠した傍観者の立場

 シャアが名を変えエゥーゴに加わったのは、地球連邦政府と戦うことを名目に、アースノイド(地球居住者)による、自主変革の可能性を確認したかったからではないだろうか。そのために、できる限り傍観者という立場を貫こうとしていたのだろう。
 ティターンズという当面の敵を倒すことには協力するが、「導く者」として立つなどということは極力避けてきたのである。そのためのクワトロ・バジーナという名前だった。シャアとしてはアースノイドが自覚的に地球を離れることを期待していたのだ。
民衆(ボクを含む)は基本バカだから、どうしても「指導者」がいないと動けない。クワトロ(=シャア)もそれはわかってるはずで、諸々の事情を客観的に考えれば「自分ならどうにかできなくもない」「今よりいくらかマシにはできる」こともわかってたはず。
それでも僕はやりたくない・・・が結局通らなくなって、ご覧の有様だよ!というのがZ。不憫な子やで・・・。


失意のジェリド・メサを献身的に支えつづけた女性パイロット
マウアー・ファラオ

聡明な彼女がジェリド・メサの中に見たもの

 その後、ジェリドと共にパプテマス・シロッコ配下として可変モビルスーツ「ガブスレイ」のパイロットとなったマウアーは、いつしかジェリドと男女の仲になっていた。しかしそのことを知りながらシロッコは、マウアーに何度となく自分のものになるよう誘う。しかしマウアーはそれを頑なに拒む。希代のナンパ師であるシロッコが、手元に引き込めなかった唯一の女性がマウアーだけだったことから、その強い意志と、ジェリドに対しての深い愛がわかる。いや、それだけでなく、ジェリドの中にこの世界を変える力を見たのだろう。聡明な彼女が単なる個人的な感情だけで、ひとりの男に固執する理由がほかにないのだ。
「ダメな子」ほど可愛いと思う女性の典型。
厳密には「ダメな子(ただし諦めない)」であることを「ダメな奴(ボクを含む)」は忘れないようにしましょう。


第3章 機動戦士ガンダムZZ

ジュドー・アーシタにライバル心を持つジャンク屋のリーダー格
ビーチャ・オーレグ

変わろうとする自分、振り向かせたい彼女

 戦闘がはじまり出撃を要請されるも決心がつかず、大人がはじめた戦争の尻拭いをなぜ子供の自分たちがしなければならないのかと、出撃を渋ったりもした。
 だが、その言葉に反論できないメカニックのトラジャ・トラジャが、動かせもしないモビルスーツ「百式」で出撃しようとするのを見かねて「百式はオレのですからね」とコクピットに着くビーチャだった。
 素直じゃない行動だが、ブライトもトラジャも、エンドラで見たネオ・ジオン軍の兵士たちのように私利私欲で戦っているのではないと感じ取れたからだろう。ただ、今はこの艦の人たちを手伝ってもいいと思ったのだった。
ビーチャすら自発的に働かせるブライトさんやトラジャさんを我々は見習うべき。
あ、俺は誰かを働かせる立場ではなかったワー。

光を求めて孤独な戦いをつづけた女性指導者
ハマーン・カーン

手に入れたかった光

 そう、ハマーンの求めていた光とは、自分より強い心の持ち主だった。極寒のアクシズの中で孤独な戦いを続ける自分を助けてくれる強い力。
 周囲の人間はすべてハマーンにつき従うことで、彼女にすべての責任をかぶせていた。それゆえ彼女は、自分を導いてくれる強い父性の持ち主にめぐり会いたかったのかもしれない。そして最期にそんな人間に出会えたことを確信したハマーンは、本来のやさしい顔に戻って光の中に消えたのである。
ジュドーがあの時点で10代後半なら・・・それでもまだ・・・同い年、いや1,2歳上でもまだ厳しいか。
ええい、アムロがヘルメットをぶち抜いていればこんなことには!



この本に限らず「レッカ社のガンダムの本」は読んでて微妙に思うところもちょいちょいあるけど、どういう訳か本棚に増えていく。「このセンス、嫌いじゃないぜ」ということかもしれぬ。時間切れ。