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民進・北沢氏「安倍政治は、数を背景に国民の多様な意見に耳を貸さない度量の小さな政治だ」

2016-06-07 17:17:29 | 政治
 当ブログでは、テレビニュースなどで野党の言動が報道されないことが、国民が安倍政権を「なんとなく」支持してしまう要因になっているのではないかという状況分析のもと、野党議員の発言などを紹介する記事を書いている。今回は、その一環として、民進党の北沢俊美元防衛大臣の発言について書いた朝日新聞電子版の記事を引用する。5月24日にアップされた記事である。


《「安倍政治は、数を背景に国民の多様な意見に耳を貸さない度量の小さな政治だ」――。今期限りで引退する民進党の北沢俊美元防衛相(78)が24日、参院外交防衛委員会で最後の質問に立ち、昨秋に安全保障関連法を成立させた安倍政権を厳しく批判した。
 北沢氏は、同法の集団的自衛権の行使容認について「専守防衛の実質的な意味をなし崩しに変容させてしまった」と指摘。「有事法制を3国会かけて与野党合意した経験に学ぶべきだった。1国会で強引に通したことは憲政史上の汚点」と述べた。
 北沢氏は戦前の国会を念頭に「議会が形骸化した場合、どういう結末をたどるかは昭和の歴史ではっきりしている」と指摘し、岸田文雄外相や中谷元・防衛相に「議会が将来にわたって独立し、政権と対峙(たいじ)し、正すべきところは正す姿を与党にもお願いしたい」と語りかけた。》


 「度量の小さな政治」というのは、言いえて妙である。
 安倍総理は、しばしば批判する相手に逆ギレしたり挑発するような言動をみせるが、それも度量の小ささからくるものなのだろう。つまりは、人間が小さいのである。自分に自信がないから、「批判するやつは勝手に批判していろ」と泰然自若としてかまえていることができない。だから、報道に圧力をくわえたりする。そのへんのおっさんであればただ面倒なやつというだけですまされる話だが、それが総理大臣だというのだから、社会にとって看過できない害悪といわなければならない。

 また、北沢氏の発言の後半部分も重要である。
 当ブログでは先月「5.15事件」に関する記事を書いたが、そこでも書いたとおり、戦前の日本は、議会主義が形骸化していった結果として破滅的な戦争に突き進んでいってしまった。やはり、きちんと政党が機能していてときどき政権交代が起きる風通しのいい民主政治を構築しなければならないのだ。
 旧民主党政権が国民の期待にじゅうぶんに応えられなかったのは事実だろう。しかし、有権者の側もはじめからあまり高望みをするべきではなかったと私は思う。なにしろ、それまでまともに政権交代など行われていなかったのだから、それまで野党側だった政治家たちが政権をとっても最初からうまくいくはずはない。多少の問題があっても、それで全否定してしまうのではなく、批判するところは批判しつつも、自民党と対抗しうるきちんとした政治勢力を育てていく――という態度が必要だったのではないだろうか。
 そしてそれは、今からでも決して遅くはない。いま、市民団体の後押しを受けて野党共闘が大きく進展してきている。これが市民運動と密接に結びついた政治勢力に成長すれば、じゅうぶんに自民党に対抗しうるだろう。それこそが、私のかねてからの主張である「日本民主化」だ。先日、全国50ヶ所で反安保法デモが行われたということだが、この勢いがあれば日本の民主化は十分に可能である。