goo

コアジサイ・4~小花

 長沼公園“野猿の尾根道”で見られる「コアジサイ(小紫陽花)」。アジサイ科(←ユキノシタ科)アジサイ属の落葉低木で、先日は株全体の様子を撮影したが、今回は小さな花に注目した。花径はわずか3~4ミリで雌蕊の柱頭は3~4裂している。雄蕊は10本で花弁よりも長く、花糸は淡青色をしている。アジサイの仲間は香りが無いが、コアジサイだけは爽やかな微香がある。先日の記事のコメント欄で、園芸家の故柳生真吾さん(NHK『趣味の園芸』の元キャスター)がコアジサイについて記述されているサイトをご紹介いただいたが、それによると、コアジサイは、他のアジサイの仲間が持つ装飾花が無く受粉の手助けをする昆虫には目立たない存在だが、装飾花の代わりに香りを出すことで昆虫を呼んでいるとのこと。なるほどと納得させられる。
コメント ( 12 ) | Trackback ( 0 )

ヤブデマリ・4~中尾根

 長沼公園“中尾根”の急坂を駆け登っていて見つけた「ヤブデマリ(藪手毬)」。写真を撮るのが良い休憩になった。ヤブデマリはいつも長池公園や東京薬科大学で見ているが、ここ長沼公園にも生育していた。ヤブデマリの花序は直径10センチほどで、中央の両性花の周りに純白の装飾花が付く。
 さて以前のエングラー分類体系ではヤブデマリはスイカズラ科に分類されていたが、APG体系でレンプクソウ科にまとめられた。しかし最近、また変わってガマズミ科になったようだ。そのあたりのことを当地の植物専門家に伺うと、旧スイカズラ科ガマズミ属をはじめ、多くの分類群がレンプクソウ科に加わることとなり、レンプクソウ科は一転して200近い種を含有する大型の分類群となった。しかしガマズミ科の学名が1820年、レンプクソウ科の学名が1839年にそれぞれ発表されており、ガマズミ科のほうが古く名称の優先権があるのでガマズミ科を用いるべきであることが提起された。そして2017年7月の国際植物学会議で正式に“ガマズミ科”の採用が決定した。ということで現在は、ヤブデマリはガマズミ科(←レンプクソウ科←スイカズラ科)ガマズミ属であり、レンプクソウは科名が無くなりガマズミ科レンプクソウ属になった。
コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )