高尾山を登ってきて最後の階段で、多くの登山者は『頂上が見えた!! あと少し!!』と歓声を上げ足取りが軽くなる。その先で富士山が見えればもう気分は最高。昼時ならお弁当を広げ、食堂で蕎麦を堪能する人も多い。その頂上前の階段横には「アブラチャン(油瀝青)」が生えているが気付く人はほとんどいない。アブラチャンはクスノキ科クロモジ属の落葉小高木で雌雄異株。ここでは果実を見ていたのでこれは雌株。写真は冬芽でこのまま冬を越し、3月頃に淡黄色の花を咲かせる。
奈良ばい谷戸奥の山道に生えている「ヤマニガナ(山苦菜)」。今年の夏に花を見ていたが、すっかり枯れて果実が出来ていた。果実は長さ4~5ミリの痩果で先端に5~6ミリの冠毛が付いている。ヤマニガナは全国の林縁や野原に生育するが、この界隈では個体数は少ないと思われる。