【そこは2匹席なんですか? いなり君】
白い巨頭ではなく、白い巨塔でおなじみの教授回診が、ここN大病院にもある。
白い巨塔ほど仰々しくなく、教授が淡々と患者全体の把握に努める、といった感じである。
前回の回診のときは、抗がん剤の副作用で絶不調のときだった。
教授が傷と体調をチェックして次へ行く。
教授が去ってから、担当医D氏は、傷をなでなでなでなでしながら
「ちょっとえらい(名古屋弁で「えらい=辛い」)ねぇ」と気の毒そうに声をかけてくれた。
私はパンツ下げて傷が見える姿のまま、D先生はしばらく傷をなでなでなでなで……。
なでなでなでなで……。
なでなでなでなで……。
なでなで大サービスだった。
たぶん、先生は何となく手持ち無沙汰で、目の前の腹をなでなでしていたと思うのだが……。
絶不調のくせに、頭に浮かんだのは、この滑稽な様子をどう伝えるか、だった。
白い巨頭ではなく、白い巨塔でおなじみの教授回診が、ここN大病院にもある。
白い巨塔ほど仰々しくなく、教授が淡々と患者全体の把握に努める、といった感じである。
前回の回診のときは、抗がん剤の副作用で絶不調のときだった。
教授が傷と体調をチェックして次へ行く。
教授が去ってから、担当医D氏は、傷をなでなでなでなでしながら
「ちょっとえらい(名古屋弁で「えらい=辛い」)ねぇ」と気の毒そうに声をかけてくれた。
私はパンツ下げて傷が見える姿のまま、D先生はしばらく傷をなでなでなでなで……。
なでなでなでなで……。
なでなでなでなで……。
なでなで大サービスだった。
たぶん、先生は何となく手持ち無沙汰で、目の前の腹をなでなでしていたと思うのだが……。
絶不調のくせに、頭に浮かんだのは、この滑稽な様子をどう伝えるか、だった。