子宮頸がん治療のはなし+副鼻腔がんも少々

2004年の年末に手術しました。
不具合はありますが元気でやっていますよ!
不安な人は気軽にコメントをどうぞ!

入院生活(2)教授回診

2005年01月27日 14時39分19秒 | 05.入院生活
PIC_0011-05【そこは2匹席なんですか? いなり君】

白い巨頭ではなく、白い巨塔でおなじみの教授回診が、ここN大病院にもある。
白い巨塔ほど仰々しくなく、教授が淡々と患者全体の把握に努める、といった感じである。

前回の回診のときは、抗がん剤の副作用で絶不調のときだった。
教授が傷と体調をチェックして次へ行く。
教授が去ってから、担当医D氏は、傷をなでなでなでなでしながら
「ちょっとえらい(名古屋弁で「えらい=辛い」)ねぇ」と気の毒そうに声をかけてくれた。

私はパンツ下げて傷が見える姿のまま、D先生はしばらく傷をなでなでなでなで……。

 
 
なでなでなでなで……。

  なでなでなでなで……。

 
 
 
なでなで大サービスだった。


たぶん、先生は何となく手持ち無沙汰で、目の前の腹をなでなでしていたと思うのだが……。

絶不調のくせに、頭に浮かんだのは、この滑稽な様子をどう伝えるか、だった。


入院生活(1)採 血

2005年01月25日 13時06分23秒 | 05.入院生活
pic_0016-05【弟からの写真。いつもこんな感じで待っているようです。】
入院生活に欠かせないもの、それは「採血」である。
さすが大病院の看護師さん、みんな上手に採血をしてくれるので助かっている。
とはいっても、高齢者は筋肉もなく、血管ももろくなっていて、プロでも採血を失敗することもあるとの事。

採血は、ガン治療患者にとっては日課のようなものになる。
なぜなら、治療の副作用で、血液の成分が薄くなる可能性が高いので、常にチェックし対応する必要があるからである。
この病院の場合、週2回、10cmくらいの試験管に数本を採血するルールである。

さて、この採血、食べ物などの影響を受けない「朝」に行う。
たいていは寝込みを襲われ、ちゅーっと持っていかれる。

たまたま6時に起きていた私は、今日は誰が採血に来るのかなぁ、と暗闇にぼぉぉぉっと待ってみた。

「うおっ! びっくりした!」

今日はたまたま看護師Aさんが採血担当だった。
いつも寝込みを襲ってびっくりさせている看護師さんが、マジでびっくりしていた。
 
 
患者さんが起きちゃいますよ~。
 
 

「採血を起きて待ってた人は初めてです」
 
 
ヒソヒソとくだらない話をしながら、ちゅーっ。

本日の採血の結果は、ほぼ正常。まだ骨髄抑制は起きていないようで、ほっ。


抗がん治療(1)放射線治療

2005年01月18日 19時07分43秒 | 04.放射線治療
PIC_0086【捨て猫。皆にエサをもらって丸々と太っていました】
私の子宮に巣を作っていたガンは扁平上皮癌といって、ポピュラーなタイプなヤツだった。
コイツは放射線に弱く、浴びると死んでしまう特徴がある。
そのため、放射線を約1ヶ月間、同じ場所に毎日照射する。

毎日全く同じ場所に照射するために、放射線科の専門医はどうするか。

腹部に油性ペンで印をつけるのだ。いわゆるトンボ(十字のマーク)である。たくさんの十字が、腹のあちこちに書き込まれる。
大の男が2人がかりで、サインペンを持って、女の下腹部に落書きをする様は、何だか可笑しい。

rider、殿方にこんなに下腹部を見つめられた事は、今までに1度もない。
しかし、「いや~ん、はぢゅかちいっ」とも思わないのも、34歳たるゆえんか。

寝転がった私の腹に、書き書きしている先生の頭を二つ眺めて、こんな事を思っていた。


患者さんいろいろ

2005年01月13日 13時31分57秒 | 08.ガン患者の輪
PIC_0002-05【一緒におねんね】

4人部屋に入ると、いろんな患者さんが入退院で出入する。
退院した患者Bさんは、とても恐がりで、ベッドを囲むカーテンを閉めるのも恐い。
だから着替えをするときも、カーテン開けっ放しでパンツ一枚になっていた。

「ごーめんねぇ。私、恐いもんで」

パンツ一枚でBさんは謝っていたが、全く悪いと思っていない様子でもあった。


患者Cさんは、瀬戸内寂聴さんに似た穏やかな風貌である。
寝ると、とてもイビキがすごい。

んごー、んごー … ぷはぁ~! ぷはぁ~! 
もー、もー ……

自分のおかんなら、丸めた新聞紙でぱちこーん!とやるところだが、しかし他人のおばあちゃまである。
眠くて倒れそうになるまで本を読み倒して寝ると、雑音も気にならない。
そんな技を身につけてみた。

4人部屋にはいろいろな人がいる。


看護師Aさんの変身

2005年01月12日 11時12分09秒 | 05.入院生活
PIC_0006-05【いなりを枕にして爆睡するのりまき】

看護師たる者、いつも冷静でなければ…、という気負いもなく、朗らかで、きゃぴきゃぴしていて、とても可愛い看護師Aさん。
また担当の看護師さんとしてお世話になることになった。

私のおかん位の年齢の患者さんの退院説明をし始めた看護師Aさん。
「あんまりねぇ~、動いていかんよぉ。手術してまもないでしょぉ。ほんだでねぇ~ …… 」

 
アッ、変身した(;¬_¬)

 
べったべたの名古屋弁である。

看護師Aさんは、みのもんたテリトリーのお姉さん説得用の、名古屋弁の使い手でもあった。


とりあえず、退院してみた

2005年01月05日 06時51分57秒 | 05.入院生活
PIC_0193【なすび】
突然ですが、一時退院する事になった。
切除した臓器の病理検査の結果がまだでない事と、異様に回復が早かったので、やることがなくなってしまったためだ。
嬉しい誤算。

なしゅびぃ~!
ふじこぉぉ~!
いなりんこぉ~!
のりのりまきまきぃ~!
もうすぐ帰るよぉ。
(↑飼っているネコの名前です)

写真を見て、ブツブツしゃべる。
にやにやして写真を突っついてみる。
写真のネコのおでこを、なでなでしてみる。

し、しまった(汗)
  …………不気味な事をしてしまった。


術後のたんこぶ

2005年01月04日 09時25分04秒 | 02.広汎子宮全摘手術

PIC_0172【なすび巻き】
手術した次の日の記憶はたった2つしかない。
1つは吐いた事。もう1つは後頭部が何だか痛かったこと。
2~3日して首と右腕が動くようになって、後頭部の痛い部分を触って見る。

たんこぶだ。ちょうど人差し指くらいの細長いたんこぶ。

たんこぶ('_')? なんでだ??

で、考えて見た。

******************************************

【妄想1】麻酔が切れた説
助手A「先生! 麻酔が切れそうです!」
先生B「あと少しなんだけどなぁ~」
助手C「先生、ここにトンカチがありますが」
先生B「じゃあ、一発叩いといて」
助手C「はい」

ボコッ!

******************************************

【妄想2】落とした説
先生A「じゃあ、患者を病室に」
助手B「はい、じゃあ、そっち持って。」
助手C「あっ、しまった」ボコッ
助手B「ダメじゃない、頭落としたら!」
助手C「すいませぇ~ん。でもこの患者重いっすよ~」

******************************************

(;`O´)o 何だとー!

自分の妄想に怒ってみる。

真実は誰も知らない。
 


看護師Aさん

2005年01月03日 10時52分28秒 | 05.入院生活
PIC_0171【いなり巻き】
入院生活で、一番お世話になるのが看護師さんである。
看護師さん次第で嫌な検査や測定も、「屈辱」と感じるか「回復を計る楽しいもの」になるか天と地の差ができる。

まだ体に管がいっぱい刺さっていた、術後4日くらい経った日。大腸の回復具合を見るために(腹部への忘れ物チェック?)レントゲンを撮りに行く事になった。
当然、別棟へ歩いていけるほど回復はしていないので、看護師Aさんが車椅子を引いて連れて行ってくれることになった。
去年の年末の一番寒かった日である。

エレベーターに乗り、1階に着きドアが開くと、着込んで行ったにも関わらず、めちゃくちゃ寒い。
看護師さんの制服は半袖。
「きゃ~!寒いぃぃぃぃぃ!」
叫んだのは看護師さん。
車椅子を押すスピードがめちゃくちゃ上がる。

キ、傷に響くんですけどぉぉぉぉ~(ToT)
看護師さぁぁ~ん! 走ってませんかぁ?

この人、ちょっとドジなんですが、苦しかった時、この看護師さんの笑顔にかなり救われた部分があり、大好きな看護師さんの1人である。


お正月ならではの入院生活

2005年01月02日 15時13分27秒 | 05.入院生活
goma【友人のネコ。かなりのおばあちゃんである】
年末からお正月にかけて入院する事は、緊急でもない限りあまりないことである。
なぜなら、どんな重症患者もできれば正月くらいは自宅に帰りたいと願う。
また、看護師さんや医者だって正月くらいはゆっくりして、リフレッシュしたいのだ。
だから、年末から病棟人口はどんどん減っていく。

さて、気になる食事なのだが、やはり正月メニューだった。
●大晦日・夕飯……てんぷらそば
●1月1日・朝食……雑煮+タツクリ・かまぼこ・かずのこ
●1月1日・昼食……鯛の塩焼き+筑前煮
●1月1日・夕飯……車えび塩焼き+レンコン酢ずけ

とこんな具合である。
ご飯のおかずというより、酒のつまみという感じで、思わず「お酒はないよね」と聞いてしまった。

私も親父も酒飲みではあるけれど、昼間から飲みたいタイプではない。
唯一、正月だけが「朝から」酒を飲む特別な日だった。

正月に酒を飲まなかったのは、中学生以来かもしれない。


広汎子宮全摘手術(3)膀胱の回復

2005年01月01日 16時59分39秒 | 02.広汎子宮全摘手術
PIC_0221
あけましておめでとうございます。
昨年は本当にお世話になりました。
今年も、お世話になっちゃいます。
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、去年から引っ張っている「謎の臓器」、それは膀胱。

尿管に管を通して1週間を過ごした膀胱。
過去に膀胱がこれほどまで仕事をしなかったことがあるだろうか。
怠けた膀胱をたたきなおす事が、術後の大仕事なのだ。
早い人で1週間、長引く人は1ヵ月以上も要するという。

どれくらい怠けているかの指標の1つに残尿量の測定がある。
ネコの写真を見てにやにやしたおかげか、2日目で残尿量は正常の人と同じ(50ml以下)になり、続いている。
この早さには看護師さんもびっくりしている。

それに加え、たまりがちであった「ガス」も、年末!大晦日大放出で、すっきりした正月を迎えている。

あとはキズを治す事のみだ。
しかし、これはあんまり頑張りようがないので、待つしかない。