いかんっ、ちょっと間が開いてしまった。
では、ラストです。
主治医にいろいろと最新情報をヒアリングしていた時に、ヒトパピローマウイルスが発見されるがんは、子宮頚がんだけではないことを知りました。
口腔内のがんや、のどのあたりにできるがん、鼻、男性の陰茎部や肛門、直腸にできるがん細胞の中に、ヒトパピローマウイルスが発見されることがあります。
どれぐらいの割合で発見されるのかは、研究者の発表によってばらつきがありますが、
化学療法の領域 2011年2月号 特集:ヒトパピローマウイルス感染症の基礎と臨床 価格:¥ 2,415(税込) 発売日:2011-01 |
こちらの58~63ページにまとめてあります。
簡単に要約すると、肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんはヒトパピローマウイルスが関与している可能性が高いということが分かってきています。
なので、子宮頚がんの予防ワクチンという名前はどうなんでしょうね。
海外ではヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンという名前だそうです。
日本だけ、わざわざ子宮頚がんと限定した名前になっているのは、非常におかしい話です。意図が分からない。
今は16型、18型のみの抗体を入れる二価ワクチン(良性のイボを防ぐ四価もあるが)が主流で、女の子のみの摂取ですが、今後、9価や15価ワクチンが開発されていけば、男女ともに摂取するワクチンになるのでしょう。
ただし、婦人科のがんは子宮頚がんだけではありません。
はっきり言って、子宮頚がんはほんの一部です。
また、子宮頚がんの検診が有効ながんであることは証明されていますが、検診をしていても尚、発見されにくいタイプのものもあります。
婦人科は、内科と違って、ちょっと調子が悪くても気軽に行きにくい病院ではあります。
でも、何か不調を感じた時にはすぐに相談することが一番大事だと思います。生理不順や不正出血や鮮血は、何歳であろうと迷わず相談しに行ってください。
もちろんがんの早期発見ということもありますけど、病気はがんだけじゃありません。
また、子宮頚がんは検診で早期発見が可能ながんです。
卵巣がんや子宮体がんは、子宮頚がんの検査ではもちろんわかりません。
でも、不調があったらすぐに病院に行くことで、少しでも早く発見できる可能性が高い。
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がんにならないことは難しいと思います。
人生の中のどこかの時点でがんになる可能性は50%と言われています。
がんになる50%の人には家族がいる可能性が高く、ほとんどの人ががんと関わることになります。
10年、20年前の治療の常識は、現在の非常識です。
昔の事は忘れちゃってください。
既に私が治療していた8年前の治療方法とは、使う薬が変わってきていたり、治療の幅が広がっています。
抗がん剤の副作用の吐き気を抑えるいい薬もできました。
治療内容は日々進化しています。
一番新しく、より確実であるがん治療のコトは、無料でも公開されています。
例えば
http://minds.jcqhc.or.jp/n/top.php
医療情報サービスMinds
こちらには、いろんな病気の診療ガイドラインがあります。
ガイドラインとは、現段階で一番リスクが少なく効果が高いとされる治療方法のことです。
つまり、専門医であれば知ってて当然(のはず)。
この方法を患者が知ることで、医師との話し合いもしやすくなると思います。
ただし、すべての病気のガイドラインがあるわけじゃありません。
治療方法が確立されていないものに関しては、ガイドラインがないんです。
そういう病気に関しては、病院間、医師間で治療方法が大きく変わることがあるかもしれません。
もうひとつ。
http://www.tri-kobe.org/nccn/index.html
NCCNガイドライン
こちらは、アメリカのがんセンターが集まって作ったガイドラインの日本語版です。
もちろん、まだ翻訳されていないものもあります。
ガイドラインがあるものに関しては、病院間で大きく治療の差が出ないはずです。
しかしガイドラインがある病気なのに、ガイドラインにない治療をする病院も多々あります。
ガイドラインにない治療というのは、リスクがあるということを知った上で検討すべきです。
「体の負担がない」「新しい」という心地のいい言葉に惑わされないでほしい。
全く効かない/副作用が大きい/健康保険が効かない等々のリスクが、少なからずあることを分かった上で、治療というより挑戦するならいいカモ。
別にガイドライン教の信者ではないですがw
あ、免疫療法とか温熱療法とか・・・・フコなんとかとか、アレは治療ではありませんので、気をつけてくださいね。
がんビジネスです。
以上、真面目な話特集でした。