湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

昨日の夕景

2017-10-01 09:10:52 | ポエム
昨日の夕景























360度
見渡す限りの空
何一つ同じ日の夕景はない


多分
私が
この地に来て
今までやってこれたのは
水面に映る夕陽があったこと


たとえ
それが湖の向こうであったとしても。


この地の人々は
夕陽は海に沈むことを知らない


私は
夕陽は海に沈むのが当たり前だと育った



もちろん
日本の場所により
全ての地が
海に沈む夕陽を見れるとは限らない


しかし
海に沈むのが当たり前だと
思って育った私には
水面に夕陽が沈むこの光景にホッとする



初めて
この地に来たとき
夕陽だけは
どこにいても同じなんだと
そのオレンジ色を見ながらよく泣いた


この地に
もう人生の半分以上も居る


今だに
不思議に思うことの一つ


場所を変えて暮らすことの難しさを
あえて考えてこなかった


考えれば
容易でないこと
色んな哀愁に身を置くことを知っていたから


けれど
夕暮れ時だけは
もう
なにかを思い出すというより
今の暮らしを思うことより


美しさを誰かに伝えたくなる


この夕景があったから
気持ちも穏やかにして
歩いて来れたのだと
思うような日


あらためて
その本当の夕景を伝える術が
難しいと同時に思うような日



カメラを買いたくなった。