湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

珈琲と紅茶

2018-05-19 23:56:52 | 日記
うちの両親は2人とも
コーヒー党だった

小さい時から
それを見てきたし
仕事が休みの日曜日なんかは
モーニングをよく食べにいっていた

しかし、私はホットミルクか紅茶だった

コーヒーが飲めたのはいつだろう

苦さがダメだったわけじゃなく
なんだか胃が重くなりそうで
あのコーヒーの中の酸味が
何故かしっくりこなかった


高校生の時
初めて付き合った人が
とてもコーヒーの好きな人だった

だから、
勧められて初めて喫茶店で飲んだのが
グァテマラのコーヒーだった


まろやかで美味しかった


それから
コーヒーが飲めるようになったのかもしれない


けれど
今でも初めて訪ねた場所だったりすると
コーヒーは頼まない。
今のようにカフェがあるわけでなく
喫茶店自体、それぞれの個性が強くて
コーヒーさえも洗練されてなかったのか
私にまだ、そのキャパがなかったせいなのか
コーヒーの味がわからない場所では
紅茶は無難な飲み物だった


しかし
いまではどうだろう


コーヒーばかりが重視されていた時代が長かったので
あの繊細な紅茶は、
無難にどこかのティーバッグかと思うしかないようなグレードのところが多くなってしまったように思えた


コーヒーと紅茶


生涯で、紅茶の飲んだ数の方が多いけれど
紅茶をキチンと淹れてくれる所は
コーヒーも信用して頼めるように思える


アメリカがコーヒー
イギリスが紅茶


そうするならば
私はイギリス系なのか


二十歳の時
占い師のような異様な格好の
不思議なオバさんとすれ違ったとき
私の顔をじーって見つめてきた
行き交う道を引き返しながら‥

そして、一言、私に告げた

『アンタ、フランス人だね』


その異様な雰囲気にたじろぐ私。
小さい時から、赤毛のせいで
よく外人に間違えられたことはあるが
まさか、フランス人とは
言われたことは、初めてのことだった


じゃ、私は『カフェオレ』?


いやいや、私は
チチカカ湖あたりに住むアンデスの人に似てると自分で思っている


そうすると
やっぱり、紅茶になるのかな。
時々バター入れたりしてるしね


まぁ、どちらでも
自分が楽しめれば良い


コーヒーも紅茶もイケてるカフェを
見つけたから
その気分で飲めたなら
自分の心の栄養になるのだろう






花の意味

2018-05-19 14:20:35 | 日記
ほんの少し前は
ドラッグストアか病院に
よく行く羽目になっていた


年寄りを介護するのは
生活圏を集中させないといけなかったから


2人を見送ってから
いま
花屋さんに行くことが増えた


昔から
花屋さんにはご縁もあったし
自分も好きなこともあって
送ったり
買ったり


何か良いことがあると
床の間に花を生けた

悪いことが重なった時も
床の間に花を生けた


庭の花が咲いたら
玄関のホールの花瓶に花を刺したりした


生きるもの
花とて同じ


枯れゆくもの
花とて同じ


昔、知り合った若い女の子が
『花は好きだけど枯れちゃうから嫌い。どうせお金を使うなら枯れないプリザーブドフラワーやシルクフラワーがいい』と言った。


しかし、その枯れない花とて
年月を経れば
埃を被り色褪せてしまう


生きている花には
妖精がついていて
悲しい心を癒してくれると言う


生きてる花の香りは
天国にいる人の元へ
届いてくれるとも言う


綺麗な時間は
その枯れない花に比べたら
とんでもなく短いのは承知


だけどね
それ故に美しいんだよ
それ故にパワーが宿っているんだよ


合理性や経済性では
割り切れない心の問題と一緒でね




私が娘に
一番大切にしてほしい思いがあって
娘の二十歳の誕生日には
20本の薔薇の花を贈った


まだまだ彼女には
その意味がわからなくて


分かる頃はいつでしょうね


ああ、あの時
お母さんは薔薇を贈ってくれた意味が
やっとわかったよって


床の間の花を整えながら
そんな日を夢見てる


薔薇の花も
一番美しい時期を迎えた




















霧の湖

2018-05-18 19:24:55 | ポエム
今日、湖は霧を纏っていた


ひんやりとした空気が
視界を阻んで
そのうち
全ての世界を
白い空気で覆い尽くすのでしょう


ハッキリと
見えなくてもいい

答えをキチンと出せば良いわけじゃない


ふんわりと霞がかかって
何もしなくとも
そこに時間が流れて


私の憂いなど
白い空気に紛れ飛んでゆくのでしょう



年を重ねて
一番良かったのは

余計な感情を
持ち続けることに
パワーを使いたくなくなったこと


忘れてしまう方を
取れるようになったこと


そうね
霧の彼方へと投げてしまえる


そして
一番シンプルな感情だけを
この胸に残せることができること


ね、そうでしょ





森の中で

2018-05-17 13:38:53 | ポエム
雨が止むと森の匂いがする
うつむいた顔を
上向き加減でふと見上げる


目を閉じれば思いは時空を超えていく


必ず立ち止まる場所がある


なぜかわからない
幾筋にもわかれた森の小道が
360度で広がって
選択は自由だけれど
いつも決まって
歩き出す道がある


誰かに呼ばれているかのような気もする
そして見えてくる大きな幹に
話しかけてみる
不思議な空間 であることに違いはない


幹が笑っているように見える時もある
そうじゃない顔の時もある


それはきっと
自分の心を映してる鏡かもしれない
今日の私は心にウソをついてないですか?


自問自答しながら

それでも解き放てない

自分の気持ちをもてあます


そうだ?
その場所に立ってみよう

何かが見えてくるかもしれないでしょ

もう一度
違う場所から始められるかもしれなでしょ





不思議な縁

2018-05-17 08:47:41 | ポエム
人は自分の人生が消え入るとき
今まで心にあった
黒い塊のようなものを
口に出したりする


受け止める者は
果たして
それが本当なのか
疑ったりするけれど


意を決して放たれた言葉は
往々にして真実だ


誰にも話せず
心の底にあった言葉だから
すごく重いはず


重いけど受け止めてあげたい


そんな場面を
思い出しながら
ふと入った店で
話をしていたら
話を聞いてくれた人


その人の名前を聞いてみたくなったっけ


時空を超えて
どこかで
何かが繋がる


消え入りそうに話した人の
言葉に出てきた人と同じ名前の人


名前って不思議なもので
同じ漢字
同じ呼び名


すぐに思いはめぐりゆく


忘れないように
大切にするように


きっと
気づかされていくのですね


何をしても
なんだか
生きていく意味を探してる私の心に
イナビカリのように
また、その名が刻まれて


繋がりや縁や
生まれてから
生きている間に
引き寄せられていくチカラみたい


不思議な事が起こると
また、確かめたくなって
もう少し
頑張って生きようと思ったりしている