湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

月夜のお祈りの仕方

2018-05-28 19:10:36 | ポエム
君に教えてあげたよね

それが君との最後の会話


お月様は
見えなくなった日には
これから満ちてくる願い事をするんだよ
自分がどうなりたいかを
そうだ、こうなる!って
強く強く念じながら祈るんだよ



お月様が
まあるい満月で空に昇る日
そう今日か明日みたいな日だね


これから、欠けていくお月様に向かって
自分が無くしたいものを祈るんだよ


いつもさ
『自分なんてー』とか
『だめなんじゃないかー』とか
『自信持てないよー』とか


下や後ろばっかり見ながら
言うことが多い君だから


最後の最後に
とっておきの言葉を教えてあげよう


世界には
君は一人だけ
君の事が大好きだよ
そう、大好きなんだよ


これだけは覚えていてね


君のために
お祈りするよ


いつもやってたことだけど
これからもずっと
変わらずに‥








相合い傘

2018-05-28 12:45:14 | ポエム
雨が降り出しそうだよ

土の匂いがする

葉っぱが水を欲しがっている

なんだか自分と似ているなぁなんて



雨傘を一度だけ
思わぬ人に差掛けらたことがある

弟みたいな子だったのに
横にきて
私の傘を取り上げ
右手を私の首に回して
その手で傘を持った


恥じらう前に
相手の肩下から脇の懐に
すっぽりとはいってしまうような‥


ドキドキが止まらずに
いきなり
そうされたことを
『ばかぁ』って、たしなめて
走ってそこから逃げたことがあった


そんな差掛けられ方は初めてだったから




相合い傘というのは
互いの肩がぶつかりそうで
それがもどかしくて、もどかしくて


そこに恥じらいの空気を感じつつ
差掛けられても
互いの片方の肩は
どうしても濡れてしまう


けれど
濡れてしまっても
触れ合う肩が嬉しくて
『あなたの肩が私より濡れてしまう』って
傘を持ってる腕を押して戻したら

『君が濡れてしまうからさ』って
反対に押し戻されてしまうような
甘い甘い空気


互いの肩は濡れながら
黙ったままで
雨の行方を見たまま‥


あなたなら
あなたなら


どちらにしても
私の体はすっぽりと
覆われてしまうに違いない


南の島から梅雨に入ったと
テレビが伝えていた


傘一つにも
歌になってしまうドラマが
たくさんあったこと、思い出した