湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

追いつけない夏の日

2018-05-16 21:37:00 | ポエム
今日は暑い日だったね
車を飛ばして
都会のオアシスまで


久しぶりの夏の太陽に
緑が鮮やかすぎて
なんだか
いつもオーダーしない
アップルジュースをオーダーした


ちょっとした異空間のカフェだったからね


人の熱に感染したのか
太陽の熱にやられちゃったのか


だるさが私を襲うから
うつらうつらとソファに
寝てしまっていた


手に持っていた携帯の振動で
起こされたみたい


チグハグな会話
まだ、はっきりしない頭でやり取り


ダメだね、そんな時は


うだうだと
甘えたい気持ちを我慢した


私が聞きたかったのは
そんなことじゃない


私が話したかったことは
こんなことじゃないのに‥


まだ、頭がボーっとしたなか
何故か
あのアップルジュースの中の氷を思い出す


そうなんだ

夏が来たんだよ
私がまだ追いつけていない季節なのに


その訳を
どうしてなのか
ただ話したかったんだよ










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古本屋デビュー

2018-05-15 20:42:41 | 日記
昔、小学生のころ
お小遣いがほしくて
親にも言いだせず
何か手立てはないものかと考えてた。
何が欲しかったのか、もう忘れてしまったが、なんとかならないかとずっと考えていたことだけ覚えてる。


その少し前に
隣の街に連れていってもらった時、
本を持っていけば買ってくれる本屋さんがあるんだと
駅前下がりの通りを車の中で
教えてもらったことを思い出した。


その時、
何故、本が売れるのか?
持ってる本は、買ったり、
買ってもらったからこそ自分のもの。
それをまた人に売るという。
それで、大金になるのか?

これは、不良のすることなのか?

頭の中でぐるぐる回りながら、
それでも
『背に腹はかえられぬ』と思ったのだろう。

無論、そんな言葉も知る由も無いほど、小学生の頭は、
何やら大金になるやもしれぬと
ほくそ笑みながらせっせと、新しそうな本や珍しそうな本を家じゅう探して回っていたように思う。


兄が漫画が好きで集めていたけれど
後から怒られても仕方がないので
兄にだけは本当の事を言って、少し協力してもらった。


隣街には、電車でひと駅
母の実家の街なので何度も行っている。
駅から降りたら、まっすぐ浜通りを下っていけば、その店はあるんだ。


しっかり頭の中に地図は入っている。
隣街までの往復の電車賃は
兄が出してくれるということだったので心配はない。


でも、大丈夫だろうか。
不良に見られるんじゃないか。


そう思いながら、
とぼとぼと重たい本を抱えながら
駅下がりの道を歩いていた。

確か夏休みだったか春休みだったか。

駅前は、賑やかで
スーパーニチイの前には、沢山の大人の人達が買い物に来ていた。


誰かに会っちゃいけないんじゃないか。
私は、これから、大金を替えにいくのだから。
下を向いて歩いていたほうがいいかもしれないと思っていた。
悪いことでもするかのような心境だった。


その店の前に来た時、胸がドキドキした。

けれど、ここまで来て、店に入らないというのは、私が歩いてきた道のりをまた、うつむいて本を持って歩いていくと言うこと。


えい、入ってしまえー


『親が本を持っていけと言ったから来ました。買って下さい!』

店の人を見かけるなり
堰を切ったように話し始めたように思う。

今なら、身分証明書も必要だし、第一に、小学生は相手にしないだろう。
まだ、穏やかな時代だったのだ。


『はーい、そこおいて。中をみるからねー』と、おじさんは言った。


私は、じっと、おじさんの手元を見つめていた。

帰りは大金をどうやって持って帰ろうと思いながら。


おじさんは、
『じゃ、これで』といって、120円ほどのお金を握らせてくれた。

えー。これだけ。

あまりの金額の少なさに
あの本達に申し訳ないような気がした。
それに、大金が入るとばかり思っていた自分は、なんて馬鹿だったんだろうと。


元来た道をわずかなお金を握りしめながら、また、とぼとぼと歩いた。


2度目のスーパーニチイの前は
恥ずかしい思いで下を向いて歩いた。


家に帰るとすぐ、
母が
『いくらにもならんやったやろ?
ええ勉強してきたなぁ。』と
ニカっと笑った。


私の行動は親には筒抜けで
それでも黙って行かせてくれたのは
社会勉強の一つだったと後から聞いた。


兄は私を思い、親には告げ口はしていなかったが、すべてお見通しの母に対して、なぜか、申し訳なさと、敗北感。
本を売ると言うのは、こんな厳しいものかと。



今はもう、子供がこんなことはできない。
今はもっと画期的に、スマホ一つで宅配業者が古本を取りに来てくれる。


いま、うちの家では色んな片付けの真っ最中。
サービス過剰と言われつつも、
それを利用することにした。


ダンボール箱2個を
『いくらになるか』
ほくそ笑みながら、宅配業者に渡した私がいる。

『いくらにもならんやったやろ?』

頭の上で母の声がしそうだ。


いやいや、リベンジだよ。
あの時の、、、か?


笑いがこみ上げてきた。
コーヒー何杯分になるかな?
もちろん、セブンの(笑)







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雨が上がって陽がさして

2018-05-14 22:51:53 | ポエム
夜になって
雨はかなりの降りようで
叩きつける雨音が
怖いぐらい


夜にはひとり
部屋にポツンとたたずめば
不安でなんだか
気持ちが乱れたよ


寂しさから
手を差し伸べて掴むもの


その手を握り返してくれたならって
何度思ったことか


手のひらは空を切り
自分で自分の手を握る


そうして大切に
抱えながら眠ったら
握りしめたところから
温かみか沁みてくる


目覚めたら
その手のひらを開いて
晴れた空に
思いを解き放つ


また一つ強くなる



晴れた日には
いつものように湖岸線を
車で突っ切っていく


雨が降れば雨のよう

晴れたら晴れたで

自分の身の置き所を知っている


もう慣れたものよ


そうして
月日を数えながら
新しい朝を迎えるの


また、あした


そうして、また、あした


湖の上のきらめきが
新しい季節を教えてくれた




頑張って生きようと思う








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第2日曜日、母の日

2018-05-13 13:51:21 | 日記
街はカーネーションに溢れてる
今日は『母の日』


いつも思うのだけど
第2日曜日だとか‥


日曜日の方が何事も都合がよい?
祝日にはしないけど
国あげての商戦競争
経済的効果も期待して?


ずっと思っていたよ


母の居ない人
親が居ても何にもしない人


人それぞれに
街はうざったい空気に包まれるのだろうって


さりげなく
日曜日ではなくて
何月何日にすればいいのになぁって


思う人は思うし
何か買いたい人は買っていく


日付が決まっていれば
月曜であろうと水曜であろうと
その決まった日付が
毎年の思い出に積み上がっていくのだから
『何才の時の何月何日って素敵だったよね』

なんて思い出す数字になるもの




カーネーションを
買ってあげたい人が居ないのも
寂しいものだね


もらう喜び
送る喜び
二つが重なった時に
きっと2倍以上の幸せを感じられるのよ


今年は
母の好きだった色のカーネーションを
買ってきて
ご仏壇から見える場所に置いたの


何にも声はしないけど
きっと
いつもの声で喜んでいるに違いない


喜び方が上手な人だった
コロコロと笑いながら
嬉しさが可愛らしい笑顔をつくる人だった



今年は
カーネーションを
後から土に植えることにした


そうすると
毎年咲くと聞いたから


来年も咲くといいね


水やりや毛虫対策は
すべて私の役割になってしまうけど













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朝のヒカリ

2018-05-11 10:18:13 | ポエム
朝の光がやってきた

随分と待っていたんだよ


両手を広げて
植物みたいに
光合成するみたいに


私の中で
何かが産まれる


栄養分となるものね

雨も嫌いじゃないけど

晴れも良い


雨も晴れも
長く続くのはどうもね


苦手なのかもしれないなぁなんて


雨があるから緑は美しく
晴れがあるから輝くの


そんな木々達を
庭のテラスの椅子に
いつも座って見ていた人はもういない


もう2度と
その姿を見れなくなったんじゃなくて


私のために
温めておいてくれた


だから、今度は
喜んで私が座るよ


毎日を丁寧に暮らしていくよ


約束するから



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