湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

背中越しに

2018-05-20 21:59:15 | ポエム
学校帰り
いつもの坂を
自転車二人乗り

顔を見たくて
前のめりになりそう
バランスがこわくて
何故か
ボタンダウンのシャツの
襟元ばかりを
見つめていたよ

夕陽で顔が
オレンジに染まっていく

あなたの汗の匂いと
私の背伸びしたコロンの香り

息苦しくなるほどに
胸がドキドキした

半分足を浮かせて
邪魔にならないように横坐り
してるけどもうそろそろ限界なの
あなたの背中にもたれていい?


汗ばんでいるけど
かまわない?


そんな高校時代のワンシーン

幾度かのシチュエーション


そのまま真っ直ぐに
大きな川を渡ってしまうまで
あなたの背中越しに聞いていたかった
声と息






手のひらほどの‥

2018-05-20 09:44:10 | ポエム
どんな季節でさえ
心にポッと
小さな灯がともる日がある


とうに無くしたものと
思っていた時に

とうに灯ることがないかもしれないと
覚めた自分がいた時に


どこかに
自分を大切に想っていてくれる人


自信がなくなって
何にもなくても
ささやかに生きていけると
思っていたのは
自分の思い上がり


人の心に触れて
自分が大切だと気付かされる


人が大切だと思い知らされる


その灯は
小さいからいいのです


この手のひらに
握りしめられるほどに‥


握りしめながら
眠りにつける幸せ


この空のもと想える幸せ