まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

2017母子すちゃらか旅 熱帯雨林編

2017-07-11 18:01:24 | 日記
観光が大事な資源であるこの国にとって、近年増加している中国からの来訪者はたいせつなお客様である。
ではあるが、やはりそのマナーの悪さには辟易としてる。最近になってここらへんのホテルはみんな、デポジットをとるようになったのだが、それは彼らの所業の悪さによる。不動産もばんばん買われてしまい、問題になってる。

ゴールドコーストのホテルから車で一時間半ほど、スプリングブルックは亜熱帯や温帯など、数種類の多雨林が隣接している希少なエリアで、世界自然遺産に登録されている。

大昔、ゴンドワナ大陸という広大な陸地があり、それに亀裂が入って南アメリカやアフリカ、南極、オーストラリア、ニュージーランドなどに分かれたと言われている。
スプリングブルックに威風堂々そびえるブナは、同じ種が南極の凍土から化石で見つかったことから、「南極ブナ」と呼ばれる。
樹齢2000年。神様の宿る大木。

ブナは表面を美しい緑の苔で覆われている。その一部がところどころ剥がれているのは、彼らが上ってそこで写真を撮るためだ。

ちゃんと手前に柵がめぐらせてあるんだから、ふつうは乗り越えないはずなんだけど、べつに立て看板に乗り越えちゃいけませんとか書いてはいない。

だからガイドがもし見かけたとしてもそこで抗議は出来ないそうだ。レンジャーならまだしも、ただ喧嘩になるだけなので、処置なしといったところ。

それにしても、この神々しい樹に足だの手だのかけられるだなんて。
どこまでいってもわかりあえないんだろうな、かの国のひとらとは。

昨日のゆうごはんのデザート、ティラミスを食べたとき、ホイップの山を覆い尽くす緑の葉っぱがあって、なんだろ?とおもったらミントだった。
気候が良いのでなんでもよく育つらしい。
ポインセチアはこっちのは樹木である。

そしてこのシダ。
いったいどうした?!という巨大なもの。
恐竜時代のサイズを保ってるらしい。

しかし他のどの植物をも圧倒するのがユーカリの木。
かつてこの国には一面ユーカリが覆っていた。痩せた土地を好み、みずから樹皮を落として養分にし、足りなきゃ枝も落とす。
種子は800度の高熱で発芽する。なぜそんな高温なのかといえば、山火事を生き延びる知恵である。
ユーカリの木は、幹にも葉にも油分を多く含み、たとえば葉が擦れて日光が射すと空気が乾いていれば発火する。山火事はこの国の天災の代表的なものである。

おもしろいのが、自然発火だと認めた場合、人間は消火しないということ。人的な原因であったり、民家に燃え移りそうであれば消しとめるが、そうでなければ放っておく。
山いちめんが燃え盛るようなことにはならず、幹を焦がしたり枝葉が燃え落ちたりする程度であることがほとんどだそう。

ユーカリには600種あるのだそうだが、コアラが全種類食べるかというと、そうでもないらしい。
ユーカリの葉には毒素が含まれていて、新芽に特に多い。
コアラはたくさんのユーカリのなかでも、毒素が少ない種を選んで食べる。少しの毒素ならばコアラには免疫があるそうだ。

火事を利用して増えたり、古い皮を養分に回したり、毒を持って敵を減らしたり、ユーカリのサバイバル精神に圧倒される。
ぱりぱりと剥がれかけた樹皮の下のつややかでまっしろい肌に、もはや意思すら感じる。

熱帯雨林にはへんてこな生き物がたくさんいるらしい。
青東屋鳥。
サテンボウバード、と英訳されるそう。
雄は枯れ枝や藁を拾ってきて
奥行き高さとも20センチくらいの
小屋風なものを作る。
そのまわりに、やはり拾ってきた
青いものを並べる。
自然界には青いものはなかなかないので、
彼らは人間の住まいのあたりから
ペットボトルのキャップやストローを
失敬してくる。
飾り付け終わったらあとは
雌が来てくれるのを待つ。
来たな、と言うタイミングで
雄は艶めく深い藍色の体で
素敵なダンスを躍り
小屋のなかに誘いこむ。
入ってきた雌に青い飾りをプレゼントし
すかさず交尾、のあとは立ち去る。

もし狭いエリアでほかの雄が
小屋を作ろうもんなら
取り壊しにかかる。
青い飾りは盗む。
雌はそれを観察し
より強い方の雄を選ぶ。
欲しいのは遺伝子、それだけ。

コアラといい、こいつといい
男は親業しないっていうのが
なんかさみしい。

2017母子すちゃらか旅 コアラ編

2017-07-11 16:15:26 | 日記
多分最後になると思うから、一緒に行こう、奢るし、
って言われてホイホイついて行ったオーストラリア。
3泊6日の旅。
これ書いてるのは帰ってきたその日の午後ね。
もちろん仕事なんか最初から休み取ってるわけね。
ゆるっとご飯食べたり洗濯したり娘を学校まで送ったり昼寝したり。
しかし今頃母は近所で執り行われている
「輪投げの会」の主催としてお茶入れたりお菓子配ったりしてる。
早朝に着くんなら10時からの別件も出ようかなあとか言ってたし
どんだけタフなんでしょうか。78歳。

今回の旅は母についても体験したことについても
いろいろ面白すぎてとりあえず現地でメモ取ってきたりして
それを元にゆるゆると書き連ねていこうと思う。

紆余曲折を経て(その辺また書く予定)着いたブリスベン、土砂降り。
1年365日のうち300日が晴天だというのに、お迎えガイドさんが焦ってる。
そのまま車で1時間程走って、ゴールドコーストのホテルへ。
ビジネスクラスにしては高級感も漂うホテルにとりあえず荷物を置いて
そこから30分南下、カランビンの街へ。

そこには動物園というよりは保護施設と呼ぶようなものがある。
ここでお約束のコアラを抱っこして写真を撮ろうのイベント。
ところがもう直ぐ現地という車の中で
「私、コアラはいいです」という母。
「えっ?!あ、動物苦手ですか?」ガイドさん再び焦る。
とはいえ「コアラとツーショット写真を撮り、カレンダーに仕立ててお渡し」までが
彼の任務なのであれこれ交渉した結果
「スタッフさんが支えたコアラを隣に差し出して一緒に写る」ことで納得。

この、自分は見切れなきゃ、というスタッフさんの背筋力を見てよ。

私はもちろん仰せに従い、抱っこショットに挑む。
手の指を組みあわせてお腹の前に置く。連れてこられたコアラの不安そうな瞳にちょっと同情。
私の手にお尻を乗せられ、胸のあたりに前足を突っ張って頑張るコアラ。
絨毯みたいな手触り。野獣みたいな匂いはしないな。あったかい。可愛い。
お勤めお疲れ様です。

そのあと、抱っこされるコアラ達が集う木の下に案内され、スタッフさんの説明を受ける。
コアラは1日に20時間眠るのだそう。
「ここの子たちは働き者よ。1日に3時間も働くの。」
そして1日働いたら2日休み。スチュワーデスみたいなシフトね。
そして抱っこされるコアラ達はみんな女子。
だいたい2歳になると成人なのだそう。
よく見るとそれぞれ顔立ちが違う。母娘や姉妹はなんとなく似てる。
自然界での寿命は10年くらいだけど、ここにいる子たちは環境が良いので
20歳まで生きることもあるそうだ。

コアラの雄は縄張り意識の強い、しかし気の弱い生物なのだそうで
抱っこされる仕事には向かないばかりか、群れて暮らすことさえ無理な孤独なやつら。
子供を作るときだけ一緒にいて後は放置、育児は母だけが担当。
私の父も生活は支えてくれたとはいえ、子供にはてんで興味のない人だったから、
母は3人の娘を結構大変な思いで育てたとおもう。
「私たちはママだけの子だよね」なんてよく言ったものだ。

コアラの営業ガールズのご飯はユーカリ。それも新芽しか食べないので
スタッフさんは朝昼晩とユーカリの枝を新しく交換するのだそう。
さらに種類もいくつかあって、スタッフさんが葉っぱをちぎって渡してくれた。
匂いを嗅ぐ。これは甘い香り、こっちはスパイシー。
なるほど、いつも同じじゃ飽きるもんね。
薬用オイルにもなるほどの植物、これだけを食べてるコアラは
あまり病気をしない健康な動物なのだそう。
コアラとはアボリジニワードで「水を飲まない」という意味なんだって。
かつて全世界に生息していた彼ら、ユーカリの減少に伴い
現在はこの国にしかいなくなってしまった。
日本ではユーカリが育たないから、日本の動物園にいるコアラたちのご飯は
東南アジアあたりから空輸してる。一頭を飼育するのに費用が年間1億円だって。
同じお金だったら野生区の保護に使ったほうが何倍も価値があると思うんだけど。

ユーカリ自体は600を超える種があって、その中でも
コアラが食べる種類は限りがあるのだけど
その話もまた後で書く。

ガイドさんに渡された小袋の中にはカンガルーの餌が。
カンガルーを放牧してあるところで、これを食べさせてあげるんだって。
当然、母は拒否です。
クロコダイルの観察?そんなの完全拒否です。
この多種多様な珍しい生き物がいる施設で
母が一番楽しそうだったのが「小鳥」のエリアでしたとさ。

よく言えば慎重派、と、自分で言ってたけど
母はとにかく怖がりだ。知識不足、経験不足っていうけどそれだけではなく
何か新しいことに直面した時、起き得る最大限に悪いことを常に予測する。
結果、「思ってたのより全然マシだった」となることで
やっと心の平穏が訪れる。
それは日々いろいろとしんどいだろうな、と思う。
でもそうやって守ってくれたおかげで今の私たちがいるんだな。

小鳥と言えば私が会うことのなかった母の父という人も
小鳥が大好きで文鳥やら十姉妹やら飼っており
床屋(母の実家は東京下町の床屋さん)の店の床をちょんちょん歩いてたそうだ。
同じように金魚も愛でていて、彼が毎朝水槽に餌やりに行くと
金魚たちがみんなで寄ってくるのを可愛いと言ってたらしい。
早くに病気で亡くなっており、母は
「自分が丈夫でなかった分、小さな命が愛おしかったんでしょう」と言う。

そのテイで言ったらコアラなんか一捻りでしょうに、お母様。

今一番幸せだという男 10年目のタンポポ

2017-07-03 07:26:03 | 日記

愛すべき隣町の六角橋に
10年前の7月7日にオープンした
珈琲文明

マスターのとんでもなく面白いブログを発見した坂本さんが
ふらり一人で行って気に入ったので再訪
会計の時に前回の請求が珈琲一杯分少なかったことに気づき
自己申告して支払ったところ
お客の顔と名前を覚えないので有名なマスターの
覚えめでたく

お前の学友らしいぞ、という新情報も加わって以来
家族で足繁く通うようになって7年になる
高校受験で第一志望に蹴られたムスメが
3年後見事リベンジを叶えた、そんな歴史をずっと
見守ってくれるような存在

10周年のシークレットライブに
お誘いを受けたので
あれを渡すのに丁度良い機会となった

あれ、というのは
これね



喫茶店を10年継続することは
並大抵のことではなく
一説には2000軒に1軒との計算も
そんな偉業を成し遂げこれからも進む文明さんに
何か喜んでもらえるお祝いを、と考えた時
頭に浮かんだのがアコルネさんで
お願いしてみたら即諾してくれた

あこちゃんの体力と私の財力の限界30枚
超レアなオリジナルアイシングクッキー
完成しました!と連絡を受け、引き取りに行って
その現物を目の当たりにした時
ちょっと感動で泣きそうになった

ごくたまにアコルネさんでアイシングを習うので
この細工がいかに気の遠くのなるような作業の連続であるか
手に取るようにわかる
後で松本先生から聞いたら
文字もロゴも作ったと思ったら全部割れてしまい
もう一度30セット作り直したんだとか
正気の沙汰とは思えない
何がそんな原動力になるかといえば
あこちゃんの、もらう人が幸せな気持ちになるようにと願う
愛情に他ならない

壊れちゃう前に一刻も早く、と
ライブ前日の営業時間の超絶忙しいところに持参
クッキーを一枚手にとって一瞬絶句したのち
うわあ。。。と笑顔になってくれたマスター
この顔写真撮ってあこちゃんに送りたかったな

そして翌日
お茶会を終えてそのまえにご夫妻やムスメと
ぞろぞろ入っていったお店で
松本先生とも合流
すでに入り口のすぐそこまで
お客で溢れ返ってる
私たちの姿を発見したマスターが
クッキーについてのインフォメーション
お、すでに松平ご夫妻が着席してる
先着25名に間に合って無事クッキーゲットしたみたいだ

ジャンケンキングことマスターの愛息Kちゃんが
絶妙なパフォーマンスを見せて盛り上がり
六角橋商店街の陽気なミュージシャンも入り混じり
マスターがバンマスを務めるコブラツイストアンドシャウトの
ライブが始まった

横浜にやってきて最初に作った歌 タンポポ
グランドオープンのライブでは「新曲です」と披露し
つい先週はFM横浜で広域に鳴り響いたそれを
今が一番幸せだと言いながら凄まじい熱量で歌い上げる
知らない土地に舞い降りた種が芽を出し茎を伸ばし花を咲かせ
次の種を飛ばすのにどれだけの努力があったことか
その真摯な姿勢と何よりも美味しい珈琲とホスピタリティとに
魅了されて集まる人がいったいどれだけいることか

ライブの終わり、家族を呼び寄せるマスター
ジャンケンキングと美しい奥様、それに1歳になったばかりのお嬢さん
「授乳中でーす」と言いつつ前に出てくる奥様に
「スリリングだな!」と突っ込むマスター、幸せを絵に描いたみたいだな
10年後のライブでは高校生になってるKちゃんとマスターの共演が
見られるかもしれないし
お嬢さんがお母様譲りの美声で歌姫になってるかもしれないな

赤澤マスター、素敵なライブをありがとうございました


お茶を点てたよ。

2017-07-02 20:40:00 | 日記

去年の秋、チャブダイカフェのイベントで
マルチななっちゃんが点ててくれたお茶。
こんな風にお茶を点てられたらすごーくかっこいい!と思って
帰ってあれこれ調べてみたけど
気軽にホイホイ教えてくれるところなんかなくて
きちんと覚悟を持ってお金を注ぎこまないと
やっぱり無理かなあなんて諦めていた。

でもひょんなことからこの度
お点前をさせてもらえることができた。
しかもきっかけは「模型部」。

坂本さんが部長を名乗り
同志が集まってきて
我が家のガチャガチャしたリビングやベランダで
戦車なんかを組み立ててわーきゃーしてるやつ。
私はマネージャーなのでおやつを用意。
仕方ないからとびきり美味い牛肉でハンバーガー作ったり
高級白玉粉であんみつこしらえたり。

そしたら部員の一人、フジエもんのお知り合いが
「入部したいです!」と酔狂にも手を挙げた。
その人がお茶をされる人だというので
いつか体験したいと思ってたんですよねというと
7月にお茶会があるとのこと。
一時間の体験、自分でお点前もできて
1200円だって。これは行かなきゃ。

で、予約する時に初めてちゃんと知ったのだけど、そのお方
中村 如栴(なかむら にょせん)さんと仰って
壺月遠州流の家元だった。
な、なんかものすごいことなんじゃないか?

しかしそこはやっぱり模型部5人、アンツィオ高校のごとく
ノリと勢いで突っ込んでいく。
最大3名で1ラウンドとのこと、最初は
フジエもん、そのまえにさん、宮城さんの3名で。
私たちはカメラ片手に後方からニヤニヤ眺める。



畳3畳分のお茶室、その手前左端から
如栴さんが白い壺を持って
凛々しく美しいすり足で直進し
壁にぶつかる直前で90度向きを変え
またすり足で釜の前へ。
壺を置いたら戻ってきて次は茶碗や茶筅や棗を
さらに戻って次は柄杓を運ぶ。

立つ、歩く、座る。その一つ一つが美しい形になっている。
茶匙や柄杓、茶筅を操る手から目が離せない。

「ではここからは、後ほど皆さんにやっていただきます。」
と、一つ一つの動作に説明をつけながらお茶を点てる。
ふと見ると、模型部3人組が真剣に手つきを見ながら
エアお点前。お、面白いぞ。

お茶碗に抹茶を入れ、釜のお湯を少しの水で温度を調節し、
柄杓ですくってお茶碗に注ぎ、茶筅で混ぜる。
なんてことないように・・・見える。が。


さて一番手、そのまえにさん。
神妙な顔で釜のまえに座る。
棗の上の茶匙を・・あれどうやって持つんだっけ?
ひとつひとつ先生に確認しながら進め、
茶筅で泡立てるさまはなかなか決まってる。
終わって感想を求められると
「気持ちがいいですなー」とニコニコ。



そして続くは宮城さん。
棗を持ち上げる手がちょっと震えてる?
指が長くてかっこいいなあ、って、関係ないか。
そして泡を立てる、、、なかなか苦戦。
悔しがる姿がガチすぎるってば。


最後はフジエもん、そのあまりのそつのなさに
「フジエもん予習してきたよね」「絶対そうだよね」
と前の二人からクレームが入る。
綺麗に泡の浮いたお茶の表面を見て
宮城さんがまたものすごく悔しがってる。


そこで麩まんじゅうを提供され、やっと寛ぐ3人組。
美味しいおいしいと平らげた後
「甘いものの後にもお茶が飲みたいですなあ」
だって。
如栴さんが、じゃあもう一杯ずつ点てましょうか?というと
「いいーんですかあ〜」
こらこらっ。
後で聞いたら、やっぱり先生の点てたお茶は美味しかったんだって。

そしていよいよ自分たちの番。
何しろ合計8回も見ていたのだから楽勝。
(あいつらが二杯ずつ飲むからね)
そこへフジエもんが
「先生、この人お菓子を作る人だから
泡立てるのなんか簡単だそうですよ」
とか余計なことを言う。

それにしても間近で見ると
ますます如栴さんの立ち居振る舞いが美しい。
なんとかしてコピーできないかな。
手元をじっと見る。とりわけ茶筅の動き。
茶碗の真ん中から向こう側の面へのストロークが長く
手前はそんなに先端が上がってこない。
そういえば茶道で使う言葉として
「Mの字を描くように」ってなんか面白いな。
そして思いの外力強いスナップ。
武士の茶道。

お茶の量もお湯の量も
「ちょうどいいですよ」と褒めてくれる先生。
ガン見したおかげで茶筅の動かし方も褒められ
「おいしそうなお茶になりましたね」って。
おかげで今までいただいた中で一番美味しいお茶だと思えた。
自画自賛!
お茶は宇治の一保堂さんのものだそう。

結構なお点前で、だの
素晴らしいお茶碗で、だの
あれこれ喋らない。
無駄のない動き。どの瞬間にもある謙虚な心。
小さな空間をさらに結界で区切って産み出される聖なる空間。

の、後ろでガヤガヤしてる3人組。
勝手に動画撮ってSNSにあげてる人も。
この、手を伸ばせば簡単に行き来できる異世界。
靴を履いて戻るいつもの場所。

お茶を点てることは
泡をたくさん点てることでもなければ
形を間違いなく覚えることでもなくて
いつもの場所から少しだけ離れて
清々しい空間に身を置きながら
いつもの場所を愛おしく眺めること
なんじゃないかな。


中村 如栴さん、ありがとうございました。
模型部の愉快な皆さん、また楽しいことご一緒しましょう。

7月のフランス菓子研究所♪ポムドテール

2017-07-01 21:12:15 | お菓子作り


前にジャガイモを使ったケーキを作ったことがあるけど
今回はジャガイモは入っていません。
「ジャガイモの見た目をしたお菓子」です。

複雑なことはしませんが
マジパンを薄ーくして型抜きした挙句
そいつでラムボールを包むっていう作業が
うーーーん。

これ、和菓子みたいに
マジパンを丸めて手のひらでペタンってして
それで包んじゃあかんのですか?と聞くと
「急がば回れ」と我が師匠。

そんな師匠ですがちまちま作業が大変だったらしく
「研究所なんだからさー、所長くらいでよくない?」
とか、やけにハードル下げようとなさいます。

そうそう、明日以降の皆様に申し送りです。
「クレームオブール持ち帰りタッパーあるといいですよ。」
「マジパンのす時は軽い力で、粉糖はケチらずバンバン使いましょう。」
「ココアまぶす時はボウルを振って転がすといいです。いっぺんに3個まではいけます。」

ところでなんでこれを「ジャガイモ」シェイプにしたかったんだろうか。
じゃあ他に何がいいと思うの?と言われるとよくわかんないけど
普通にトリュフで良いのではないでしょうか。

でも、ちょんちょんと穴開けて
アーモンド刺しこむのは地味ながらちょっと楽しかったです。
帰ったらムスメに
「ソラニンじゃん!」と言われましたが。

小さいながら満足感たっぷりのお菓子。
半分実家に持っていってしまいました。
3分の1でも良かったな。

試食の時間、よそ様のお教室の話などになり
やっぱり「愛」がある教室がいいよね!ということで
意見が一致しました。
愛あるミサリングファクトリー。
誰ですか、おえっって言った人は。

さて、私は今度お家で
ホワイトチョコのラムボールを作って
練り切りで包んで抹茶でもフリフリしようかと思っています。
面白そうじゃない?
研究、研究!