高瀬川沿いの美しい桜がとても好きだった。
町内で、とても大事にしていた。
結構な穴場で、街のど真ん中にもかかわらず、観光客の少ない桜だった。
河川の治水事業が進んでいて、川沿いの木を選別して切るというのは分かっていた。
桜の木も、切られてしまうということは聞いていた。
100年を超える木で、幹が腐っていて、いつ倒れるかわからないという事も知っていた。
けれど、伐採はもうちょっと先のことだと思っていた。
来年の春、もう一度美しい桜を見られると信じていた。
それが・・・気がついたらもう、桜の木はなくなっている。
金曜に伐採されたらしい。
右側の桜も、もうすぐ伐採されるそうだ。
切り株を見ていて、涙が出てきた。
ずっと愛してきた街の自慢の桜。
私はあなたたちを決して忘れない。