【誕生日】
☆ヴィットリオ・デ・シーカ Vittorio De Sica (1901.7.07~1974.11.13)
ロセリーニと共に第二次大戦直後に世界を震撼させたネオレアリスモの旗手となったイタリアの映画監督、俳優です。
フロジノーネ県ソーラで銀行員の末子として生まれました。高校卒業後は俳優の道を歩み、1923年にタチアナ・パヴロワの
劇団に入り二枚目の役者として人気となり、1932年にはマリオ・カメリーニ監督の「殿方は嘘吐き」に主演しました。
1940年に監督となり『紅バラ』などのコメディを撮っていましたが、脚本家のチェーザレ・ザヴァッティーニとコンビを
組み子供の目を通して大人の世界を描写した『子供たちは見ている』を第二次大戦中の1944年に制作、この作品は後日に
ネオレアリズモの先駆として高い評価を得て、彼の将来を決定づけることになります。
やがて第二次大戦が終わると、戦禍にまみれ廃墟と化した祖国の恥部ともいえる現実を冷淡に直視して、悲劇の実録であり
映像が時代の証人となるというネオ・リアリズム映画が誕生します。
デ・シーカもこの新しい波に乗って『靴みがき』『ミラノの奇蹟』『ウンベルトD』と次々にネオレアリズモを代表する傑作を
発表、特に1948年の『自転車泥棒』においては現実との対決・凝視を貫くことに主眼を置いて、感傷を排した社会の底辺の
叫びとしてその現実を激しく訴えました。
しかし、1953年に資金獲得のために方向性を転換してアメリカ映画界の俳優を起用した『終着駅』を監督、ハリウッド型の
スター主義を学んでしまったことが凋落の第一歩となりました。
1956年には『屋根』、1960年には『ふたりの女』によって現実直視型の作品を発表しましたが、1963年『昨日・今日・明日』
以降は、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニを主役としたハリウッド型のスター主義による下世話な艶笑作家
に成り下がってしまいました。
【主要出演作品】
1940年『紅バラ』 Rose scarlatte
1944年『子供たちは見ている』 I bambini ci guardano
1946年『靴みがき』 Sciuscià
1948年『自転車泥棒』 Ladri di biciclette
1951年『ミラノの奇蹟』 Miracolo a Milano
1951年『ウンベルトD』 Umberto D.
1953年『終着駅』 Stazione Termini
1956年『屋根』 Il tetto
1960年『ふたりの女』 La Ciociara
1962年『ボッカチオ'70』 Boccaccio '70
1962年『アルトナ』 Sequestrati di Altona
1963年『昨日・今日・明日』 Ieri, Oggi, Domani
1964年『ああ結婚』 Matrimonio all'italiana
1966年『恋人たちの世界』 Un mondo nuovo
1966年『華やかな魔女たち』 Le Streghe
1967年『女と女と女たち』 Woman Times Seven
1968年『恋人たちの場所』 Amanti
1970年『ひまわり』 I Girasoli
【主要出演作品】
1952年『懐かしの日々』 Altri Tempi
1953年『たそがれの女心』 Madame De...
1953年『パンと恋と夢』 Pane, Amore e Fantasia
1954年『寝台の秘密』 Secrets d'alcove
1955年『殿方ごろし』 Pane, Amore ë…
1957年『カジノ・ド・パリ』 Casino De Paris
1957年『武器よさらば』 A Farewell to Arms
1959年『ロベレ将軍』 Il Generale della Rovere
1960年『夜と昼の間』 The Angel Wore Red
1960年『ナポリ湾』 It Started in Naples
1961年『ローマの恋』 Un Amore a Roma
1965年『モール・フランダースの愛の冒険』 The Amorous Adventures of Moll Flanders
1969年『火曜日ならベルギーよ』 If It's Tuesday, This Must Be Belgium
☆アントン・カラス Anton Karas (1906.7.07~1985.1.10)
映画『第三の男』のテーマ曲で知られるオーストリアのツィター奏者、作曲家です。
ハンガリー人の家系の工員の息子としてウィーンに生まれ育ちました。子供の頃から音楽に熱心で私立機関で夜間講座を受け
ながら音楽を勉強し15歳の時にはウィーンのホイリゲ(居酒屋)で演奏家として自活するまでになっていました。
1948年に映画『第三の男』の撮影でウイーンに滞在していたキャロル・リード監督が、立ち寄った居酒屋でカラスのツィター
演奏を目の当たりにして『第三の男』の音楽担当者に抜擢、映画と共にカラスが作曲した主題歌も世界中に大ヒットし、一躍
カラスのツィター演奏は世界中で爆発的な人気となりました。
アントン・カラスといえば主題歌の『ハリー・ライムのテーマ』『カフェ・モーツアルト・ワルツ』『アンナ・ウォークス・
アウェイ』が有名ですが、1965年にリタ・パヴォーネが唄った『トマトジュース乾杯!!』(ニーノ・ロータ作曲) において
ツィター伴奏をしたことはあまり知られていないようです。
↓はアントン・カラスの『第三の男』【YOUTUBEより】
↓はアントン・カラスの『カフェ・モーツアルト・ワルツ』【YOUTUBEより】
↓はアントン・カラスの『アンナ・ウォークス・アウェイ』【YOUTUBEより】
↓はリタ・パヴォーネの『トマトジュース乾杯!!』【YOUTUBEより】