クロムの備忘録的ダイアリー

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老後2000万円問題その2

2019年08月27日 10時52分35秒 | 老後
年金以外に2000万円が必要ということが世の顰蹙を買ったのは、2000万を準備することが困難ということがあるのでしょう。
実際に2000万を貯めるのが難しいかどうかですが、金融広報中央委員会の知るポルト2017年によると60代夫婦の平均金融資産は2062万円、中央値は1400万円です。ただし上記は金融資産のある世帯の統計値で、金融資産無しの世帯を含めると平均は1411万円、中央値は601万円となります。
60歳代で資産が2000万円以上ある世帯の割合は23.9%なので7割以上の世帯は資産が足りないということになります。さらにリタイア間近の50歳代では、2000万以上の資産のある世帯は17.1%ということで、2000万という数値は不安を掻き立てることになっているのでしょう。


2000万資産形成の困難度を推測する一助で別データを見てみます。50歳代の年収別の金融資産額ですが、当然ながら年収が高いと資産も多い傾向にあります。特に1200万以上では40.6%が3000万以上の資産を築いております。
国税庁の民間給与実態調査2016年によると平均年収は男性521万、女性280万です。中央値は見つからなかったのですがあるサイトでは420~450万程度とのことです。
図から年収300~500万層の金融資産額を見ると2000万という数字はかなり達成が難しい数値に感じられます。

今回の物議を醸した金融庁の報告書は大臣に受取拒否されてしまいましたが内容は至極まっとうに感じます。2000万という数字も個々人にとっては意味がないと書きましたが、マクロ的には意味があり国民全体にとっての問題提起になるものでした。個人的には現在の経済や雇用情勢、そして企業の賃金体系では2000万の資産形成は難しいと言わざるを得ないと思います。だから金融庁は貯金→資産運用という流れに持っていきたいのでしょう。
しかし資産運用は損をする場合がかなりあります。少し前にも投資信託で半数以上が損失を出したと報告されていましたし。
現代の日本では家計支出の多くは住居費と教育費に費やされています。この2つの分野に公共資金をつぎ込むのが全体の利益につながるのではないか、と感じています。
とはいえなかなかそういうことを公約に掲げる政治家も見ないのが現状なのですが。

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