5600万年前に彗星衝突か=降着の微粒子発見―米大学チーム
米東海岸付近の約5600万年前の地層から、彗星(すいせい)などの小天体が地表に衝突した際に形成され、降着したとみられる微粒子を多数発見したと、米レンセラー工科大などの研究チームが15日までに米科学誌サイエンスに発表した。
この時期は、地質年代の暁新世と始新世の境界に当たり、温暖化が急速に進んで哺乳類や陸上の植物の繁栄につながったことが知られる。主因は火山活動の活発化による二酸化炭素の放出や海底のメタンハイドレートの融解によるメタン放出と考えられているが、研究チームは彗星などの衝突も一因ではないかとしている。
調査対象は米ニュージャージー州沿岸付近の2カ所とフロリダ半島東方沖で掘削、採取された堆積物。微粒子は、彗星などが地表に衝突した際に高温で気化したケイ酸塩などの成分が大気中に飛散し、冷えて球形や涙滴形に固まって降り積もったと推定された。
研究チームによると、彗星の核に含まれる炭素や地表の炭素を含む物質が衝突時に大気中に放出され、気体や固体の化合物として温暖化を促進する。衝突の衝撃で火山噴火が誘発され、メタンハイドレートが解けやすくなる効果も考えられる。今後調査地点が増えれば、クレーターを特定できる可能性があるという。
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