ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

小町座「お、あるひとへ」報告 ①

2017-07-23 | 小町座
皆様、ご来場ありがとうございました。5年ぶりのホール公演、キャストも新メンバーということもあり、またこの5年で新しく出会った方々がいらして下さり、今の小町座の空気を感じました。本当にありがとうございました。とりあえず、写真を少しずつ上げる中で、内容についての話を出来たらなあ、と思います。本日は、第2部の「父のうた 母のうた」より。
林和音さんの舞台美術は、「編みあげた作品」。故に穴があり、この「穴」が光を通し、影を作り、光の色や角度によって、いろんな表情を見せてくれました。また、岡田一郎さんの映像は、それ自体が完成されているので、戯曲の都合で演出するのもどうよ、と思いましたが、「穴」につなげて、「下から上」を見上げるまなざしを、お客様に感じていただけたかと思います。また、最後、海のシーンで、山からの水が海につながる、その「流れ」を岡田さんの映像は見せて下さったと思います。ロボット役の西村さんが、その映像の前で芝居をすると、まるでその流れを遡るようにも見えました。二部の美術はご覧いただいた皆さんも、納得!の舞台と思います。この大きな完成された空間に、母親たち一人ずつ、よくまあ芝居をしたと思います。その時代の違う母達をつなぐ、短歌を読むピン前川さん。過剰な表現のできない、淡々とした、本当に難しい役どころでした。
では、写真から、同じ作品でも光によって違う様子をご覧ください。

・二部オープニング。岡田さんの映像と前川くんの短歌。「たましひは尾にこもるかな草靡く靑草原に夕日しずめる」(前登志夫)


・戦争中の母。穴に逃げた息子を見守る。


・現代の母。姿を消した娘に電話で呼び出された場所。


・未来の母のことを話すロボット。


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