ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

小町座次回公演 二本立企画「きつねものがたり」&「少年万博物語」

2023-07-15 | 小町座
小町座、次回公演の案内です。日程は以下です。
奈良市音声館
2023年9月2日(土)午後5時~
    9月3日(日)午後1時~と午後5時からの2回
2本立企画ということで、短編2本の公演をします。二本とも、当時の「歌」からインスパイアされて書きました。
①「きつねものがたり」
日本劇作家協会の戯曲アーカイブに掲載されていて、自由に読むことができる作品です。これまで、宮城と大阪の高校演劇でも上演されました。
奈良では、奈良演劇祭の招待公演と小町座10周年公演と2度、上演。今回は高校1年を含む新メンバーでの上演になります。
書いたのは、平成27年、今から8年前。世界を席巻したあの、アイドルかつメタルのユニット「ベビーメタル」をたまたま、テレビで見たのがきっかけでした。十代の少女が歌う平成ならではの「イジメ、ダメ、ゼッタイ」は、歌詞の時代への飛び方が絶妙で、そして演出は妙にアングラで、平成の煮詰まった閉塞感を、少女たちのメタルなダンスと歌声が、吹き飛ばしてくれるような。日本より世界公演の方が主で、華奢な少女のアイドルメタルに、世界の観客が熱狂しているのは、なんとも現代的で。そして、何より、私はベビメタに、小劇場のにおいを感じてしまった。これは書かなくては!
というわけで、平成の子育ての渦中に書いた本は、ブラックファンタジーになりました。かなり難しい芝居なんですが、ベビメタの音楽に負けないようにと、稽古を続けています。
②少年万博物語
まもなく大阪万博もあり、万博に関する話を書きたいと思っていました。こちらは新作です。といっても、大阪の話でなく、万博に行きたかったけど行けなかった少年、ヨロヅ・ヒロシの1971年の話です。当時は歌謡曲全盛期、小学生が当たり前のように大人の歌も歌ってました。今回の芝居とは関係ないですが、よく覚えているのは、大ヒットとなった「女の道」(ぴんから兄弟)を小学生が普通に歌ってたんですから。「わたしが捧げたその人に、あなただけよと、すがって泣いた。」これがその歌詞。これを小学生が歌うなんて、今なら目くじらたてられそうですが、本当に歌ってたんです。今回の主人公、博は別の歌を歌います。懐かしい歌ですので、ぜひ、一緒に口ずさんでください。
短編作品ですが、70年代に子どもだった、私自身の時代へのオマージュでもあります。ほんとに歌もテレビも面白かった。ちあきなおみの「喝采」も皆で歌ってました。そこから、なんとなく、大人の世界のニュアンスを感じていたのでしょう。今のように、その世代にしかわからない文化でなく、皆が一つの歌を口ずさむような時代ならではの「子ども」は、まるで大人のようでもあり、実際に、家で商売をしているところは、店先に子どもが立っていたし、配達や出前もして、家の役にたっていました。家の中での役割がきちんとあり、社会の一員として、子どもも、ある種、一人前に見られていたのです。今なら児童労働となる?しかし、そうばかりでない、家の仕事の手伝いから、学ぶものも多かったはずです。博もそんな一人。代表の西村が熱演します。ご期待ください。

短編とはいえ、全くカラーの違う作品、二本公演は、キャストにとってはかなり大変。いや…その割にまだセリフ入ってない!後一ヵ月半、どうなることやら…。皆さま、ぜひ会いに来てください。








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