たそがれ時のつれづれに

人生のたそがれ時を迎えて折々の記を・・思うままに

入院3日目・手術当夜

2012年11月05日 | 日記

岐阜大学付属病院 今回の甲状腺はここで手術・他は岐阜県総合医療センターで手術

手術は滞りなく行われたようだ。いつの手術も全て終わると「○○さん、終わりましたよ」と、麻酔医が声をかけてくれると目が覚める。意識が戻ります。戻ったところで今回は主治医が「切除した腫瘍です。押さえてみて下さい。硬いでしょう」と、ビニール袋の結節を示された。麻酔薬で朦朧としていますが弾力ある硬い塊でした。術前に確認した壁掛け時計を見ると、4時を示していて「ありがとう、4時ですか」と確認しました。甲状腺腫瘍摘出は場所が微妙なところで、簡単なようで声の神経や嚥下を問題なく手術するには熟練を要すると、臨床科教授の主治医からも聞いていました。5時間とは結構掛かったなと思いました。

直腸は6時間くらい、肺は低侵襲の胸腔鏡ロボット手術なので7時間くらいだった。手術費を比べて見た。

部位

手術名

入院期間

手術点数

麻酔点数

費用(円)

麻酔方法

大腸

直腸低位前方切除術

17日間

60,053

14,104

741,570

硬膜外麻酔

右下葉肺がん切除術

9日間

117,932

25,420

1,433,520

硬膜外麻酔

甲状腺

右葉狭部切除術

9日間

9,605

9,541

191,460

全身麻酔

保険点数1点につき10円です(ただし、交通事故の場合は1点につき15円です)。

何の後遺症もなく肺活量が8割に落ちたくらいの肺ロボット手術は高い。甲状腺は技術を要する割りには安いねという感想です。随分お国に迷惑をかけました。

入院に当って個室か、相部屋か、希望をDrが聞かれ、よく混む病院なので相部屋でよいと答えました。手術日当夜が苦しい。肺はICUでDrが集中治療室を勧めちょうど空いていた。今回もICUをどうですか?とお聞きすると、Drは結構うるさいので休めない。お勧めしないといわれました。入院して個室を聞いたら空いてないと相部屋になった。今回は手術日当夜と次の日2昼夜は看護師長さんが個室へ入れてくれた。

手術は終わった。個室へ戻ってからが苦しい。痛い。朦朧とします。看護士さんが頻繁に血圧、脈拍を測りにきます。今度も覚悟して付き添いもなく唸っていたら、息子が仕事が終わって顔を出してくれた。声も出るし居なくてよいと帰らせた。
大変頑張って一晩を過ごし、遠慮しなくてよいと言われたがナースコールは1回もしなかった。喉の渇きが今までと違ってそれほどでなく、1回もうがいをお願いしなかった。

水が飲めるのは翌朝なのでこれが苦しい。ここの病院は鼻の酸素マスクがいいのか、麻酔が良かったのか?水・嗽を所望せずに済んだ。痛いのは当たり前です。

それと、フォーレの痛みです。" フォーレとは直径5、6ミリのゴム管で、尿道から膀胱まで届かせて留置し、管をつたってポリバッグに貯尿する医療器具、導尿です。袋状になっている先端が膀胱に入ったら、側管から蒸留水を注入して袋の先端をふくらませる。それで抜けない仕組みになっている。全身麻酔が必要となる手術患者のほぼ全員に用いられ、動けない状態や意識不明の患者にはなくてはならない排尿器具です。苦痛を訴えるのは女性に比べて尿道の長い男性で、しかも若い人ほど痛みが強い傾向にある。" 竹中文良「医者が癌にかかったとき」引用。
挿入は手術室で手術が始まった直後に入れるのであろう無意識下で行われるので、部屋へ帰ってから尿道の異物感と痛みに襲われる。

翌朝抜いてもらったが、女性ナースがぐぃっと抜かれる焼け火箸の痛みに悲鳴を上げた。その後が私はよくない。今回も覚悟したが自然排尿が困難になる。痛みと尿道閉塞となって渋って出ない。大腸の際は若いナースが夜、ヘルプして高齢の看護師に代わって、細い管を尿道に丁寧に入れ、夜中に二人が懐中電灯を照らし股間に顔を埋めてくれ、ようやくチョビ、チョビと出るようになった。

今回は自分で半日かかりで血尿を見ながら痛みに耐え、なんとか排尿し2日ほど後は先ず何とかできるようになった。主治医も教授回診でも泌尿器科のヘルプもできるので、遠慮せず申し出よと言われた。管にはグリセンリンをしっかり塗ることはできないのか?全ての外科医は一晩フォーレを体験することをお勧めする。

昨日の記事の竹中先生も体験して初めて苦痛を味わったとある。それと胃管。胃管は電話コードぐらいのゴム管で、鼻腔から入れて喉、食道を通って胃まで届かせ留置する。胃液を吸収するのが目的。これも苦しいらしいが幸い私は経験がない。