少しずつ少しずつ季節は進み、夜の明ける時刻も早くなってきている。
忘れ切れずに残った昨日の不愉快を、引きづったまま歩く出勤路。
すでにうっすらと琥珀色に色づいた空が、
全てを置き去りにしたままこちらへ来いよと
語りかけているような錯覚に小さな灯をともす。
約一ヵ月かかって取り戻しつつある機能にまた一つ加わったものがある。
約80%の力を込めてあくびができるようになった。
噛むことができるようになり、飲み込むことができるようになり、あくびできるようになった。
お陰で体重は目に見えて落ちた。
年明けからストレスフルな毎日を送っているのだけれど、そうさせているのは私の心である部分が大きい。
心の在り方を決めている要素の中でも、身を置く環境の影響が大きいと思う。
その環境自体は複数の人間で形成している訳だが、私の場合に限れば、選択しているのは外ならぬ私である。
そしてそこで、どのような刺激を強く意識しがちで、その刺激をどのように捉える癖があるのかも、私の心の問題であろう。
私がつまらない思いをしているとき、周囲にも迷惑をかけている。
それは私以外の人の不機嫌で経験済みなことであるけれど、自分だけはうまく隠せている気でいる節がある。
途方に暮れる暇もないのはありがたい。
今日も心の机からいろんな物がどんどん溢れ崩れ落ちていることすら忘れて良くなる。