ヤスの雑草日記(ヤスの創る癒しの場)

私の人生の総括集です。みなさんと共有出来ることがあれば幸いです。

○テロとの戦い?それだって、テロリズムだろうに。

2011-09-10 14:44:35 | 歴史
○テロとの戦い?それだって、テロリズムだろうに。

もう何十年も前にベトナムで懲りているはずなのに、それ以降もアメリカは他国への干渉を止めることがなかった。9・11以降のブッシュが「テロとの戦い」などというスローガンを掲げたから、まるでアメリカはずっとテロリズム撲滅のために他国への侵攻を続けているかのように錯誤する若者だっているのかもしれない。

アメリカを例にとれば、あの国は、建国以来ずっと侵略の歴史に血塗られている。東海岸に辿りついた入植者たちは、途中、イギリスからの独立戦争を乗り切って、ネィティブ・アメリカンを駆逐しながら、西へ西へと侵攻していったのは歴史的事実としてよく知られていることだろう。ゴールドラッシュが侵攻のスピードに輪を駆けた。広大なアメリカ大陸は、西に行けども行けども、無尽蔵のフロンティア(あくまで入植した白人たちにとっての辺境だ。ネィティブ・アメリカンにとっては、豊かな自然そのものであって、辺境でもなんでもなかったのに)が眼前に広がっていたのである。彼らが西海岸に辿りつき、アメリカ大陸の果てを見たとき、彼らの関心は、太平洋を隔てた他国へと移っていって、帝国主義的侵略を繰り返しながら、現代も懲りずに同じ路線上に居座っているのである。

テロリズムの中で最も凄惨な形式は、無差別テロだ。当然、非戦闘員が攻撃の対象になる。降って湧いたような唐突な死。無差別テロの犠牲者たちほど不条理な死を強いられた人々はいない。そのことを認めた上で敢えて書くが、アメリカ政府が本国を(日本軍の真珠湾攻撃以外は)、9・11のように攻撃されたことは歴史上ない。貿易センタービルの崩壊は衝撃的だったが、難攻不落と言われていた、ペンタゴンが脆くも壊れ去って、内部が丸見えになったのは、不謹慎な言い方だが、滑稽としか形容のしようがない。人間が創った物事の限界性と神話性を突きつけられた想いがしたのは僕一人ではなかっただろう。しかし、現実に歴史上、アメリカが他国に侵攻して、その国のためになったことなどない、と思うのだが、みなさんはどうか?話を絞って、テロとの戦いの後のアフガン侵攻、イラク侵攻後の、侵攻された側の今日の内政の混乱ぶりの責任をどうとるつもりなのだろう?経済的困窮のために今回は直接参加しなかったが、イギリスやフランスが中心になって、リビアの反政府勢力に無際限に武器弾薬を供与した。その後の混乱の始末に対して、西欧先進国はをどう責任をとるのだろう?エジプトのムバラク以降の責任は?また、アフリカ諸国の政府転覆後の混乱をどのように収めていくのだろうか?当然のことだが、長年の独裁政権が政治的・社会的不平等を生み出すのは分かり切っているが、そもそも独裁者を倒す側の、反政府勢力そのものを支配したいのが、民主主義という錦の御旗をタテにした西欧諸国なのだ。政府転覆の大混乱の渦中で、人間の個としての善意や良識なんて、吹っ飛んでしまう。その後に残るのは政治的権力を手中に収めたい権力志向者か、経済を独占したい欲深な輩と相場が決まっている。そういう輩を手玉に取るのがお得意なのも西欧諸国だ。分かり切ったことだけれど。

力なき小国が大国に対抗する手段としての最悪で最も有効な手段がテロリズム。それも無差別テロだが、核兵器も含めて武器弾薬の有り余っている大国がテロリズムを、「テロとの戦い」などというスローガンで正当化するなんておかしさを通り越して、政治的非常識でしかない。いま、アメリカのニューヨークでは無差別テロが起こり得るという、たぶんかなり確率の高い情報下で、重々しい警備体制が敷かれている。オサマ・ビンラディンへのアメリカのテロに対する報復なのだろう。ともあれ、人間が圧倒的な力の差異に抑圧されたら、その恨みは根深く残る。

アメリカは、9・11の悲劇を惹き起した指導者をテロで殺害して、海に投げ込んだ。イスラム原理主義の思想に泥を塗るようにして。そりゃあ、報復テロに怯えなければならない事態になる。いつまで、人間はこんな次元で政治とか経済が成り立つと考えているのだろうか?気が遠くなるね、まったく。気が遠くなりつつ言うならば、ともかくも、富の独占はいかん。各国がもっと、もっと、豊かに人間らしい生活が出来るような世界にならないといけません。これが政治や経済を司る際の基本的土壌だろうから。今日の観想として、書き遺す。

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