「おくの細道」の旅もいよいよ佳境に入りました。
市振の関を経て越中、加賀、越前へと各地をたどり大垣で結ばれていますが、
まず、市振の関の印象的な一夜から始まります。たまたま、宿を同じくした
新潟の遊女とのつかの間の出逢いと別れは、「おくの細道」の中で劇的な
一幕と云えますね。
「一家に遊女もねたり萩とつき」芭蕉 同じ宿に泊まり合わせた遊女
二人はこれよりお伊勢参りに行くところ、出来れば芭蕉さんに一緒に旅をして
欲しいと頼みますが、自身は捨身行脚の身であることで、遊女たちの切ない
頼みを芭蕉さんは断りました。 その文章には
「神明の加護、かならず恙なかるべし」と書いて、例え私がいなくても
お伊勢参りにゆく人は道中、すでに天照大神に守られているので安心して
行きなさい。と泣く泣く断りましたが、まさしく会うは別れの初め、
と芭蕉さんはさまざまな悲しい別れのある人生を人はどのようにすれば
耐えることができるか、・・何か今の演歌に歌われてるような場面を
思い浮かべますね。芭蕉さんがいたら素晴らしい心に残る
演歌が生まれたことでしょうね。