徒然草①:徒然草と無常観
私たちの「古典の会」が今勉強中の徒然草の章段二百十七段に入りオドロキました。今世間を騒がせている一青年に誤送金された4630万円の大金を返却せずネットカジノに投じ大敗し逮捕されたニュースに通じる兼好さんが当時の大富豪から聞いた人間とお金のお話を書いておりました。
曰く「願望が心にきざしたら悪念と恐れ少しも満ちてはならない」大金を持ったら神や君主のように尊び意のままに使ってはならない・・大欲は無欲に似ると兼好さんは感想を書いておりました。
富豪を目指す大欲望は結果として金を要らないとする無欲と同じことになるのだ
人間は物が欲しいから物を自由にできる金が欲しい、そんな物欲に火をつける財貨を徳(とく)と得(とく)の違いをはっきりしなさい。兼好さんは危険視しております。しかし、戒めを守っても財を成すとは限らず、逆に「僥倖(ぎょうこう)」が財を引き寄せる場合もある。それが今度の逮捕された若者の場合でした。
僥倖への誘惑が24歳の人生を狂わせました。当人も当人だが、町も罪深いことをしたものですね。
兼好さんがこの事件をどうみてるでしょうか聞いてみたいですね。
「僥倖(ぎょうこう)」=思いがけない幸い。偶然に得る幸運。