昨日の「古典の会」で「紫式部日記」の章段でいよいよ宮中での若宮誕生の様子が事細かに記されています。あの時代のお産は大変なことで生と死が共有していました。特に宮中では一大行事として、お産の部屋には三井寺、仁和寺より四、五十人の僧侶の加持祈祷の声が響き渡り、陰陽師により万が一のこともあり尼として「戒」を受けることで長い髪を一部切り落とす儀式まで行われたそうです。このような状況で無事に出産した喜びは私達の想像以上であることは間違いありませんが・・・この一部始終をレポートした紫式部の記事は良いのですが、周りに仕える女房たちが喜びの涙であの厚化粧のメイクアップの顔が剥げてしまい誰が誰だかわからなくなってしまったようだが、紫式部だけはひとりこの場面を「かしこかりし」と喜んでおりますがそれはどうでしょうか?お化粧崩れを見られた彼女たちは紫式部により千年後の現在に至るまで恥ずかしい場面を伝えられたのですから、実にお気の毒の至りです。紫式部の一面がよく出ている章段で私にはとても興味がありました。
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