昨日の最終ステージ(個人タイムトライアル)でジロ・デ・イタリアの幕が閉じられました。
優勝したコンタドール選手にしてみれば相当なプレッシャーの中での嬉しい勝利だったと思いますが、勝つべく人が順当に勝ったという、観る側にとってはちょっと盛り上がりに欠けたレース展開でした。
また、序盤の第3ステージのダウンヒルで、将来有望視されていた若手選手が落車して亡くなったことも、ジロの華やかさに少し暗い影を落としたことは否めません。。しかし、起きてしまった「悲劇」は残された者にとっては「試練」となり、必ず乗り越えていかなくてはならないことだと思います。
さて、サイクリストにとって辛い登りの後のダウンヒルは気分爽快で楽しいものですよね!しかし、ちょっとしたことで大きな事故につながる危険と隣り合わせなのです。。自分も下り坂で落車して顎の骨を折り、選手生活を終えた一因にもなりました。
これまで、数多くのお客様のバイクを見させて頂く機会がありましたが、「このまま坂道下ったら死ぬよ!」というぐらい整備不良の自転車をよく見かけます。以下、いくつか例を挙げてみましたので、是非ご注意ください!!
①クイックレリースが緩すぎる!
クイックレリースを少し触っただけで外れてしまったり、また、レバー自体を回して留めているケースもありました。締める時には手のひらにあとが残るくらいの強さで、フレームにぶつからない位置で最後まで締めましょう!
②ブレーキシューの固定が甘すぎる!
ブレーキシューはとも回りし易くトルクがかけにくい所ですが、作業手袋をしてしっかりシューをホールドさせてからボルトを締め込みましょう!
③ヘッドがガタついている!
ヘッドパーツのガタはフロントブレーキの性能を著しく低下させます。手順(調整ボルト→ステムのクランプ固定ボルト)が間違っている場合や、コラムの切断位置又はスペーサーの幅が適正でない場合などが多く見受けられます。原因が不明の場合は必ずショップにお持ち込みください!
④タイヤがパンクしそう!
下り坂での前輪パンクほど危険なことはありません。特にタイヤサイドが切れかかっていたら迷わず交換しましょう。なお、パンクしても急な空気抜けを防ぐためにシーラント剤を注入したり、チューブレスタイヤを選択するというのも、下りの安全策としてはとても有効です!
⑤ホイールのフレが大きすぎる!
JIS規格では振れの許容値は1.5mmなのですが、スピードの出るスポーツバイクで、特に下りで60km/h以上出るようなコースに行く場合は、その許容値は0.5mm以内にしたいところです。また、センターがずれているホイールは、思うようなコーナーリングができなくなってしまうので、ちょっと挙動がおかしいと思われたらすぐにセンターゲージでチェックするか、ショップに持ち込んでください!
(写真はcycling newsより。追悼レースとなった翌第4ステージのレオパード・トレックの選手と無くなったウエイラント選手の親友ファラー選手のゴールシーン)