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UCIが一酸化炭素吸引に警鐘(2)

2024-12-12 11:54:09 | ドーピング問題
 近年はとてもクリーンになったロードレース界に今年のツール・ド・フランスの最中、唐突に話題に上ったものがあるのです。それが一酸化炭素吸引機の使用でした。果たしてそれは何なのか、私を含め多くの人が聞いたことなかった言葉に困惑したのではないでしょうか。まずはそれがいったいどんなものなのでしょう?
 一般的に一酸化炭素と聞いて多くの人が思い起こすのが一酸化炭素中毒でしょう。ヘモグロビンは血中で酸素を運搬する役割を担っているのですが、酸素の200倍ヘモグロビンと結びつきやすいとされる一酸化炭素が体内に入ることで、酸素がヘモグロビンと結合できずに、血中酸素運搬能力が低下し、酸素不足となることで発症します。最悪の場合死を迎える恐ろしい中毒なのです。つまり一酸化炭素を体内に取り込むことは本来は”毒”なのです。

 ところが、このヘモグロビンと結びつきやすい性質を利用して、血中の的確なヘモグロビン量を計測するのに使われているのが、今回話題に上がった「カーボンモノオクサイドリブリーザー」と呼ばれる機械なのです。これは適切な量の一酸化炭素を体内に取り込み計測することで、ヘモグロビンの量を計測する機械で、医学や薬学の世界では普通に使われてきた機材なので、何も新しいものではなかったのです。
 では、今回これが各チームで何に使われていたのかと言えば、高度トレーニングでどれだけのヘモグロビン変動があるかを確認するために使われていたのです。まず高度トレーニングとは、標高の高い場所、つまり酸素が薄い場所で体に負荷をかけることで、体内でヘモグロビン量が増加させるものです。その結果ヘモグロビン量が増えると、酸素をより多く筋肉へ運搬できるようになるのです。マラソン選手らが高地トレーニングを行うのもこれらが目的で、特に持久力が問われるスポーツで行われるトレーニングなのです。ポガチャル等のGCライダー達もその例外ではありません。特に高高度に弱いとされたポガチャルが近年多く取り入れているといわれているのです。
 




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