かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 361 中欧①

2023-10-08 15:16:00 | 短歌の鑑賞
 2023年度版 馬場あき子の外国詠50(2012年3月実施)
   【中欧を行く 秋天】『世紀』(2001年刊)91頁
   参加者:N・I、K・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、
       T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:崎尾廣子 司会とまとめ:鹿取未放
   

361 色寒きあしたの風はそら鳴りすハンガリー英雄広場人なく

         (レポート)(崎尾)
英雄広場:一八九六年、ハンガリー建国1000年を記念して造られた。ブダペスト最
     大の広場。扇状に並んでいる像は歴代国王などハンガリーの英雄達である。
     台座にはマジャル族などの部族長の騎馬像が並んでいる。全部で一四体あ
     る。
英雄十四体は次のとおり。
   ①聖イシュトヴァーン   ②聖ラースロー   ③アールマン   ④エンド
    レ2世  ⑤ベーラ4世    ⑥カーロイ・ロペルト   ⑦ラヨシュ大王   
   ⑧フシャディ・ヤーノシロ   ⑨マーチャーシュ   ⑩ポチカイ・イシュト
    ヴァーン   ⑪ペトレン・ガーボル   ⑫テケリ・イムレ  
   ⑬ラーコ-ツィ・フェレンツ2世   ⑭コッシュート・ラヨシュ
  

       (まとめ)
 朝の人気のない、風だけが吹き抜ける英雄広場の寂しさを詠んでいる。それは並べられている英雄達の過ぎ去った生涯に対する愛惜でもあり、自分が寄ってたつ現代の空しさをも思っているようだ。(鹿取)


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