2025年度版 渡辺松男研究47(2017年3月実施)
『寒気氾濫』(1997年)【睫はうごく】P157
参加者:泉真帆、M・S、鈴木良明、曽我亮子、
A・Y、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:鈴木 良明 司会と記録:鹿取 未放
394 撓うときあらわなるきみのむねのほね吾(あ)はやわらかに鳴らしてみたし
(レポート)
前の歌(黒髪にあっとうさるるわれの上にわらわらと解きはなたれにけり)に続く性愛の場面のようだが、君が身体を撓わせたとき、思いがけずあらわな胸の骨に気づいて、そのほねをやわらかに鳴らしてみたい、その音色を聴いてみたいと思ったのだろう。 (鈴木)
(当日発言)
★女性の体を楽器のように例えていますね。(慧子)
★俵万智も『チョコレート革命』で自分の体を楽器に例えていましたよね。この歌、上句とてもリアルですよね。下の句は実際に骨を鳴らすわけではなくて、比喩ですね。(鹿取)
★性愛の歌だと分かりますし、優しいですね。(曽我)
(後日意見)
当日の鹿取発言「俵万智も『チョコレート革命』で自分の体を楽器に例えていましたよね」は思い違いで、楽器に例えられているのは男性だった。(鹿取)
生えぎわを爪弾きおれば君という楽器に満ちてくる力あり 俵 万智