かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 55 アフリカ⑥

2023-09-18 10:11:02 | 短歌の鑑賞
 2023年度版 馬場あき子の外国詠 ⑦(2008年4月実施)
  【阿弗利加3 蛇つかひ】『青い夜のことば』(1999年刊)P171
    参加者:泉可奈、N・I、崎尾廣子、T・S、Y・S、藤本満須子、
        T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:T・S  司会とまとめ:鹿取 未放

 
55 群れて行く日本人の小ささをアフリカの夕日が静かにあやす

       (まとめ)
 結句に力がある。「照らす」なら誰にでも言えるだろうが、「あやす」で深い思索の歌になった。アフリカの夕日は日本人の小ささを愛撫するかのように、慈愛にみちた暖かさで包み込んでいるのだ。「群れて行く」の所にいくらか日本人の性格的なものを含んでいるだろう。それにしてもアフリカの人々はよほど体格がよかったのだろう、既にレポートした阿弗利加一連には日本人の小ささをうたった歌が他にもあった。(鹿取)
   日本人まこと小さし扶けられ沙漠を歩むその足短し
   モロッコのスークにモモタローと呼ばれたり吾等小さき品種の女



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