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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  113

2021-03-15 17:32:52 | 短歌の鑑賞
   清見糺鑑賞18         鎌倉なぎさの会  鹿取 未放


113 万緑のどよめきのなか差し切った栗毛の娘の尻おどりゆく

 112番(あおあおと馬日和なり 馬見んと人を誘えば歯をみがくこえ)と対の歌。「差し切る」は競馬用語で、後方から追い抜くこと。その余勢をかって牝馬がゴールした後もしばらく走っている様を、「栗毛の娘の尻おどりゆく」と表現した。「娘」も効いている。万緑という大きな景の捉え方、どよめきという臨場感、そして躍動感ある下句と上手に構成された歌である。
 余談だが一回だけ競馬を観に行ったことがある。さっぱり分からないので、毛並みつやつやがいいとか、勝手に見た目で馬券を買ったが全て外れ、最後に身内の名前に似た人気の無い馬に賭けたら、それが番狂わせで一着になり、帰りにお寿司屋さんに寄ったのだった。ビギナーズラックというのだろうが、競馬はその時一回きりだった。(鹿取)


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