かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国50 中欧 362

2022-05-27 11:03:20 | 短歌の鑑賞
 馬場あき子の外国詠50(2012年3月実施)
   【中欧を行く 秋天】『世紀』(2001年刊)91頁
   参加者:N・I、K・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、
       T・H、渡部慧子、鹿取未放
   司会とまとめ:鹿取未放


362 ハンガリー英雄広場の英雄像十四体に髭なきは無し

       (当日発言)
★中東では髭のない男は男として認められない。(N・I)
★そういう国々があるわけですね。もっとも、ここはハンガリー、中欧の話ですね。(鹿取)


       (まとめ)
 ハンガリー英雄広場は、1896年ハンガリー建国一〇〇〇年を記念して建設された。中央の高いポールの上に大天使ガブリエルの像が聳えている。ハンガリー初代皇帝になるイシュトヴァーンの前に現れた天使である。天使像を中心にして右に国王達、左に政治家や将軍達の七体ずつの英雄が並んでいる。そして十四体の英雄達は全て髭を生やしているのだという。全てに髭がある、ではなく否定を重ねている叙述に思いがあるのだろう。すなわち、髭を蓄えることによってなされる権威付けへの問題提起である。それは次の363番歌(英雄はなべて髭濃し髭といふ男のちから女らは見る)にも繋がってゆく思いである。(鹿取)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 馬場あき子の外国詠 50 ... | トップ | 馬場あき子の外国詠 50 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事