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ヴァーツラフ広場にあるヤン・パラフの記念碑(撮影 石井彩子)
馬場あき子の外国詠56(2012年9月)
【中欧を行く カレル橋】『世紀』(2001年刊)P116~
参加者:K・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:N・I(欠席、レポートのみ)
司会と記録:鹿取 未放
408 ヤン・パラフの死に花を捧げに行きし友プラハは静かな秋の雨なり
※ヤン・パラフ=カレル大学生。一九六九年一月ワルシャワ協定による
軍事介入に抗議して焼身自殺。
(当日発言)
★※印は「左注」で、もともと歌集についていたものです。(鹿取)
★「行きし友」は同行していた友人ということだろうから、過去の「し」を使うのは間違い
ではないか。しかし、「行きたる友」より「行きし友」の方が音数も合い、美しいので苦
渋の選択かもしれない。(慧子)
★まあねえ、歌を作った時点は帰国後だろうから、そこからの回想という気分じゃないの。
抵抗の仕方が焼身自殺というのはとても悲しいけど、作者は軍事介入に抗議する気持ちに
対しては強い共感を感じているのでしょう。花を捧げに行ったのは友人だけどその行為に
自分の気持ちの代弁をさせている。静かな秋の雨を降らせてヤン・パラフを悼んでいま
す。(鹿取)
★ええ、花を持っていった人と作者とは同じ思いだったのでしょう。(崎尾)
★ここの花を捧げに行った友は吟行の旅に同行したIさんだそうだ。(藤本)