宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

明日は宝満山遺跡第37次調査の現地説明会

2009-02-06 | Weblog


『竈門山旧記』

「内山の里より五町上つて地蔵堂惣門の入口也。
今地蔵の原と云う所也。南谷の衆徒上宮を勧請し
尊神を祭る。上宮に対して下宮と号す。大塔、
金堂、鐘楼、大講堂、僧房、食堂、文庫、経蔵、
神社伽藍所々其跡猶存せり。」

江戸初期に編纂された竈門山旧記には
現在の竈門神社境内周辺と思われる
周辺にかつてあった伽藍について
このように記しています。
古記録が失われた現在では貴重な記事です。
今回調査されている宝満山の下宮礎石群は
いかなる性格の建物になるのでしょうか?
いずれにせよ、建物の規模としては
大宰府観世音寺の講堂クラスの規模であり
九州屈指の大堂であったことは事実です。

明日の現説が楽しみなところです。

宝満山下宮礎石群

2009-02-05 | Weblog

現在、宝満山裾にある竈門神社境内で発掘されている
平安時代の大型礎石建物の実測図です。
南北7間(23.5m)×東西5間(18.0m)の規模を図ります。


この図は観世音寺講堂の図です。
中心に江戸時代に再建された講堂が乗ってますが、
外側は奈良時代の礎石列で東西7間(30.008m)
×南北4間(15.365m)の規模を図ります。
この数値から、現状では桁行き方向の長辺は
宝満大堂とも呼ぶべき下宮礎石建物のほうが
やや短いようですが、梁行き方向の短辺は
宝満のものの方が1間分長いようです。
宝満のものは4間の身舎の西側に礼堂的な
やや柱幅のある空間が1間分ついたような
そんな印象のある礎石建物です。


これは江戸時代寛永19年(1642)に再建された
比叡山延暦寺の根本中堂です。信長焼き打ち以前の
古式にのっとって再建されたといわれています。
内庭を巡る回廊を除けば4間の身舎と2間の礼堂の
二つの空間から構成されています。
身舎内は土間貼りで礼堂は板張りの床になっています。

宝満下宮礎石群は構造的や規模から
古代にあった竈門山寺や大山寺、内山寺
などの名称をもつ寺院の中心的な建物と考えられ、
1960年代の発掘調査では11世紀後半の遺物が入る
層の上に構築されたものとされており、
この時代の根本中堂的な機能を持った
重要な建物でないかと想像されます。




宝満山遺跡第37次調査の現地説明会について

2009-02-04 | Weblog
宝満山遺跡第37次調査の現地説明会について

日時 平成21年2月7日午前10:00から
場所 竈門神社駐車場上(太宰府市大字内山883番地)
概要 

 竈門神社の境内には駐車場の東側に「下宮礎石群」と呼ばれる巨大な建物の跡があり、以前から竈門山寺などに関係する建物として一部に知られており、昭和36年に宝満山文化総合調査会(代表西高辻信貞)が一部を発掘調査し、平安時代後半の地層の上に構築された建物であったことが判明しました。
 今回おこなった宝満山遺跡第37次調査では、その建物の構造が南北に長い7×5間、23.3×17.8mの規模であったことが確定され、大宰府では観世音寺講堂に次ぐ大きさの古代の九州を代表する礎石建物であったことが改めてわかった。このことから、この建物は古代の記録にある「竈門山寺」「大山寺」「内山寺」の講堂のような中心的な建物であるとの位置づけができるようになりました。

 今回の現地説明会では、この建物の調査状況の詳細と、古代寺院の展開した周辺の環境を含めて解説される予定だそうです。

参考;太宰府市役所HP
http://www.city.dazaifu.fukuoka.jp/bunka_t/tarekore-f_3_2_2_3.jsp

宝満の杉木立

2009-02-02 | Weblog

今日は快晴でした。
朝と昼の気温差が15度もある冬の日。
宝満山裾の竈門神社の駐車場から見上げれば
常緑樹とコントラストを成す
茶色になった杉の木立が・・・・

すでに花粉の飛散は始まってますが
最盛期は今月中旬以降でしょう。

不思議なことに山中では眼は痒くないのですが
下山して三条の登山口まで降りると
とたんにチカチカとしだして。
どうも排気ガスと花粉がいっしょになると
どうやら悪さを始めるようです。
こうなると一日山中に居たくなります。

今週の土曜日は宝満山遺跡の
現地説明会がおこなわれるようです。
詳細は追って・・・

第19回宝満山研究会例会のご案内

2009-02-01 | Weblog
第19回宝満山研究会例会のご案内

本研究会では隔月ごとの第3土曜日の午後に
定期的に例会をおこなっています。
宝満山登山にご興味がある方、
宝満の自然に惹かれている方、
宝満山の歴史が大好きな方などなど・・・
どなたでもいつでもご参加いただけます。
例会に来られた方が会員です。
例会は室内での勉強会と意見交換、
宝満山での現地見学会や植林・下草刈り
などの屋外活動の両方で実施されてきました。

今回は屋内での座学ですが、
記録としてのビデオ撮りのプロの技を
わかりやすくご伝授いただく予定です。

日時 平成21年2月21日 土曜日 13:00~
場所 太宰府天満宮文華殿(御本殿裏)
講和 「ビデオで上手に記録するこつ」テレビ西日本 尾登 憲治さん
報告 「本谷遺跡調査と保全の記録」ビデオ放映 事務局
資料代 200円

※今回は研究会終了後に懇親会を行います。
 会費は3500円前後の予定。会場は天満宮門前の
 「山菜 日和」(福岡県太宰府市宰府1丁目15-16
 tel:092-929-0626 http://air.okjj.jp/hiyori/info.html)
 参加者は本ブログのメール
(dazaifu2340@mail.goo.ne.jp)か幹事の小西に
 2月15日までにお申し込みください。

※研究会では例会で久山町の首羅山(白山)遺跡の
 貴重な資料集を販売の予定です(2000円)。


太宰府もやっと梅が咲き始めました(太宰府市御所ノ内にて)