イギリスのキャメロン首相はシリア問題について、
シリアの内戦は終わらせないとならない
アサドは自国民を殺した糞野郎だ
シリアの将来でアサドは役割を果たせない
といった模様。BBCが伝えた。
David Cameron to call for new Syria peace drive at UN
http://www.bbc.com/news/uk-34372286
これは、この前ケリーが言ったのと同じ趣旨でしょうね。
シリア情勢:アメリカ、ロシアとお話しようと思うんだ
つまり、長期的にはダメだ → 短期的にはやむを得ない
というやつ。
適当な言い訳と共に態度を軟化させてきましたね。
シリアに武装民兵を投入して戦争状態を作ったのは実に米+英仏あたりをカバーにして動いている人たちだから、実のところこれってこれら各国の内政問題という一面もある。国内のAチーム vs Bチームの戦いで、強硬派が負けて来たという感じでしょうかね。
こういう場合、従来は、ガーディアンとかCNN、NYTみたいなちょっとリベラルな方に、アサド政権がどんなに酷いか、シリアから逃れた少女Xはこう語った、みたいな涙を出させる系の記事で埋め尽くして、やっぱりアサドは悪かったに持っていくという手法が当然にとられただろうが、今回はちょっと弱いね。皆無ではなかったけど、大きな動きには全くならなかった。
それどころか、中東の人たちだけでなく、アメリカ人のかなりのボリュームが、中東、北アフリカあたりに武器を横流ししてはテロリストを育成していたのは実は俺らの方なんだな、と決着しちゃっている風があるので、そこにそんな張りぼてのキャンペーンをやっても嘲笑されるだけ、ということかも。
そういうわけで、国連総会でどう決着させていくのか、興味深いことになりました。
田中 宇さんが、この件について長い長い記事をアップされていた。絶好の観戦のお伴だと思う。
ロシア主導の国連軍が米国製テロ組織を退治する?
2015年9月24日 田中 宇
https://tanakanews.com/150924syria.htm
田中さんが描く展開に私は必ずしも全部賛成ってわけではないんだけど、でもこのへんが山場だったわよね~という点には賛成。
ロシアはその後、米議会がイランとの核協約を阻止できないことが確定的になった8月下旬まで待って、ラタキア進駐を開始した。米議会がイラン協約を阻止 し、米国がイランを許さない状態のまま、ロシアがイランを助けることになるラタキア進駐を挙行すると、米国のタカ派にロシアを攻撃する口実を与えることに なるので、ロシアは8月末まで待った。
オバマが米国議会がイラン協議を阻止できない切り崩したのが、大きかったなと思う。でも、ブキャナンがその時書いていたのは、これで共和党が阻止に走ったところで、イランを撃て~とか言い続けた戦争屋の言うことに耳を傾ける国民はもう多くはないんだから、阻止はできないだろう、とか書いていた記憶がある。
並べて考えるに、やっぱり国民の意識の問題というのは非常に大きい。騙されてもいいかなと思ってる国民が多数ならどんどん汚い手で騙しに入るだろうけど、もう俺らはわかってるぜという反抗的な視線を持った人間が多数になったら、騙す方も躊躇するんだな、という言い方ができるかもしれない。
なぜか。それは、いずれにしても統治は続くからではなかろうか。
いずれにしても、セルビアは救われるべき(大カト風)。
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ただ、あれは熱河作戦によって経済制裁の可能性が出て来たことから脱退の方が楽だな、という方向らしいので勇気のある行動というのとは違いますね。