ロシアは大統領選挙中ということで、このような催しが行われているのでしょうが、それにしても見事な一体感。
プーチンがドでかいスタジアムで、満員の会場と共に国歌を歌ってる。
WATCH and LISTEN: Putin Sings Russian National Anthem With 130,000 People!
ロシアの国歌は何しろ素晴らしい楽曲なので聞いてるだけでも喜ばしいが、このようにいかにも寒い中、人々が一緒に歌うのを聞くとまた格別な味わい。
プーチンの歌は、最初の4、5秒怪しい音程から入って大変だったが、それ以降は元気で大変よろしい。とても楽しそう。
繰り返し部分になる、スラービシャ~アチェーチェストヴァの下りはいつ聞いても秀逸だと思う。なんて良い音階なんでしょう。なにかこう、生まれて良かった的な感動をもよおす。
wikiを見たら、この曲を「大国にふさわしい荘厳な」とか書いてあった。楽曲の楽想からおよそ外れた形容だと思う。ここもすごい。
しかし、ソ連国歌の旋律の復活は、プーチン政権の豊富な資源を背景とした大国主義的政策もあいまって、諸外国には、「ソビエト連邦の復活」「冷戦時代の再来」という印象でも受け取られている。
そういうことじゃなくて、何を言おうが、楽曲がどうしようもなく、抗いがたく素晴らしいこと自体が西側的には問題なんだろうなぁとか思えて苦笑してしまう。
人が2人いたらどうやって仲を裂こうか、裏切らせようかとしか考えられない人たちにとっては、この曲想は実にまったく大敵だと思う。目いっぱいヒューマニティーを感じさせるから。
PC画面の前で聴き入っているだけの私たちですら感動するのですから、数多くの国旗が翻る中、皆で声と心を合わせて歌うプーチン大統領らの胸はきっといっぱいでしょう。
そして、できることならば五輪の大舞台で、誰にも気兼ねすることなく、堂々と国歌を歌いたかっただろうと思うとやるせないものがあります。
ロシア(敢えて)男子アイスホッケーの選手たちが、金メダル獲得後に「禁止」されているはずの国歌を歌ったとして問題となりましたが、それを言うなら「国ぐるみのドーピング違反」事件の捜査・報告こそ本当に公正なのか。それに比べれば優勝の歓喜を素直に表現することが如何に人間らしい振る舞いか、よほどバイアスのかかった人でない限り分かりそうなものですが…。
楽曲の感想は人それぞれで良いとは思いますが、私が個人的にロシア国歌から受ける印象は、大国らしさや荘厳さではなく、「母なる大地への感謝と、そこに生きる人間への賛美」ですね。
イギリスでのロシアスパイ暗殺未遂事件。性懲りもなく又。消すのが目的であれば、密室で、素早く、完璧にが原則でしょう。しかも直後にまるで用意されていたかのように、ロシアW杯ボイコットをちらつかせるボリスジョンソン。又、スポーツを政治の小道具に使うつもりですか。
イギリスの外相、ボリスというファーストネームが気になっていたのだが、母方にロシア系ユダヤ人がいた。ニューヨーク生まれ。この人、誰の持ち駒なんだろう。
私もうんざりしてますよ、イギリスの仕掛け。バカまるだし。シティーが反発しているという意味なんだろうなと思ってます。
FIFAは政治的にならないようにしてる組織だと思いますが、恥知らずのthe Westが何をしかけてくるかわからない。FIFA頑張れ!です。オリンピック委員会のように腐らないでもらいたい。
いずれにしてもNATOは解体してここの犯罪を暴くことがthe Westの第一歩。できなきゃ腐るだけ。
ソ連崩壊後のロシア連邦国歌歌詞には"大いなるルーシ"の文言は無くなった.その替わりに"ロシア"が登場した.しかし”ロシア”という句よりも,(ロシアは聖なる)”державаジェルジャーヴァ”’強国/列強’の句の方が,復活しようというロシアの意思を表明したもののように私には映る.愛国歌手ジャンナ・ビテプスカヤのタチヤーナ・ペトローヴァの歌うスラヴャンカの歌詞に「我らはВеликая Держава ’偉大なる強国’の子である」というものが登場するのは,この1990年代という飢餓窮乏失意西側羨望の時代だった.三月一日演説はВеликая Державаとして復活したことを鮮明に表明したものなのだ.Wikiの解説氏の分析は全くあたらない.彼もしくは彼女は,そうであって欲しいという,自己の希望を述べたに過ぎない.
ところで,ロシア語のミハイルという発音を英語でMikhailと綴り,英語話者はミカエルと発音する言語習慣は,ロシア語のフ(x)音(舌の奥と,上顎奥との空間で作られる摩擦音)が英語には存在しないフ音であったことに由来する.奥舌軟口蓋摩擦無声音フ音は古代中世英語にあった音だ.アングロサクソン語のenoughは概略エノグフと発音したのだが,この音を持たぬ古代中世仏語を母語とするノルマン書記生は,グフの激しい摩擦音をghという綴りを独創し,この音に対応せしめた.近代英語のh字の音はロシア語xや日本語hとは全く異なる音で,それは喉頭内部の左右声帯の狭め部分で起こる,声門摩擦無声音なのだ.弱い囁き声のハヒフヘホの音と言ってよい.チェーホフはチェーコフと,ハバロフスクはカバロフスクと英語母国語話者は発音する.彼らにも勿論多様な言語習慣背景をもつ話者がいるわけであり,その異種発音は全て容認可能なものだ.ロシアの学校で日本語を教えていたのだが,Хабаровск ハバロフスクを日本人は正しく発音できるのに,なぜ、留学生でЧехов チェーホフ専攻のアメリカ人はчеккоф チェッコフと発音し,ハバロフスクをカバロフスク кабарофск と発音するのか,という質問をいただいた.英語でのロシア詩の朗読を聞くとき,このkhの響きの激しさがー朝鮮語の激音のそれーがロシア語の響きとは異なる聴覚印象を呼び起こす.ロシア詩の美が伝わってこないのだ.朗読者本人は陶然としているのだが.(以上小さな知識をひけらかすようで真に気恥ずかしい.老人の自慢とご容赦ください.)
ブログ主様の「楽想,曲想」の漢語初めて知りました.ありがとうございます.ロシア人で雅楽を専攻しておられる方に古文献(『律呂新書』)の読み下しを指導しておるのですが,音楽の素養をもたぬ私にはイタリア語やラテン語の術語に直観が働かないのです.ところが漢語では明確に概念把握が可能となるのです.漢字は素晴らしい文字体系ですね.
いろいろ興味深いお話、ありがとうございます。
”державаジェルジャーヴァ"が何事なのか私にははっきりしないので適当なことを言いますが、それは多分少なからぬロシア人にとってのロシアのイデアなのではないかなど思って楽しく思いました。
h音については、多分、英語圏の人(特にUKの人)にはhに確定した音がない、あやふやなのではないかなど思いました。フランス語がまさしくそうですし。フランス語は巷間hは無音とか言われていますが出してないわけではなく、おっしゃるように弱い囁き音、私の言い方では息で作るhみたいな、前後との関係で出す妙な音。しかしなぜ英語圏の人がこれと別れられないのかは考えてみれば謎です。
楽想ってそういえばあまり日常的ではない語なんでしょうか、多分。私としてはこれこそその音楽のイデアだと思うわけです。だからその価値あるいは美は演奏の良し悪しなどによっては失われない、みたいな。今日はすっかりプラトン的世界になってますが(笑)。
またいろいろ教えてください。