DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

五輪期間中 米韓の合同軍事演習は実施せず

2018-01-05 15:36:32 | アジア情勢複雑怪奇

7時のニュースのトップニュースは北朝鮮ものだった。金さんはどうして背広を着始めたのだろう? これが気になった。

それはそれとして、朝方から出ていたニュースだけど、米韓は韓国でのオリンピック中は合同軍事演習はしないだということになった模様。

ピョンチャン五輪期間中 米韓の合同軍事演習は実施せず/nhk
1月5日 4時41分北朝鮮情勢
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180105/k10011279491000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_007

 

これで、まったくテンポラリーなものではあるにせよ、半年前、中国とロシアが習さんとプーチンがわざわざ並んで、米韓は軍事演習をやめ、北朝鮮はミサイル演習するのをやめろ、つまり、双方でやめろ、ダブルフリーズしろ、話はまずそこからだと宣言したその恰好になりましたね。

これこれ。

 

2007年の流れの整理はここの後半に入れてある。

ロシアのモルグロフ外務次官、韓国で話す

 

米紙の伝え方では、南北朝鮮が2年ぶりに外交的話し合いを持つ、という点にハイライトを置いている風だった。来週1月9日を予定している模様。

North Korea and South Korea to hold diplomatic talks for the first time in two years

http://www.abc.net.au/news/2018-01-05/north-korea-and-south-korea-to-hold-diplomatic-talks/9306552

It's the first time the two countries have had formal dialogue in more than two years
It follows the US agreeing to delay annual joint military exercises with South Korea

South Korea's Unification Ministry said Pyongyang sent a statement accepting Seoul's offer for talks on January 9.

 

それに対する今日のチャイナGlobal Timesの社説。長続きする朝鮮半島の平和は五輪とともに始まるかもしれない、と。

Lasting Peninsula peace may start with Winter Olympics 

http://www.globaltimes.cn/content/1083409.shtml

US and South Korea military forces have postponed joint-military exercises until after next month's Pyeongchang Winter Olympics. During a phone conversation between US President Donald Trump and South Korean President Moon Jae-in, both agreed it would be best to focus on security during the games. 

ものすごくきっちり状況認識を書いてくれていて、いい記事だわこれ。こういうのこそ日本語でも出してほしいわ、チャイナさん。日本ではもう国際情勢についての筋の通った適切な言論はまったく期待できないので、他国(複数)の分析に頼るしかない。他国が英米のみならそれは日本にとっての分析にはならん。

 

金日成、金正日の時代にも朝鮮半島から核を無くすことを想定することはできた。しかし、北朝鮮は外国からの挑発の結果として核を開発した。こうした外からの影響に変化がない限り、朝鮮半島の非核化なんて目標は達成できない。

米国と北朝鮮は相互に信頼関係を維持するという考えをとっくの昔に諦めた。どちらの側も互いの敵対心にどう対応したらいいのかを知っている。そして、平壌は軍事的な核をあと数歩で手に入れられるところまで来ていて、北朝鮮はそれを放棄する気はない。

米国と北朝鮮の間の関係は、こんな状態で長続きできるわけもないほど重大な段階にある。南朝鮮はこうした関係がもたらす苦痛にこれ以上耐えられない。ソウルは朝鮮半島での戦争を望んだことは一度もなく、そして、ワシントンからの許可を求めずにコンタクトの開始に自ら着手した。しかし、米国と日本という同盟国との絆があって、それが故に彼らはソウルの行動を臆病だの偽りだのとみなしている。

朝鮮半島危機に直接にかかわる重要な当事者の一つである南朝鮮が、成り行きを形成したりそれに影響を与えたりするにあたって主要な役割を果たしていないことは興味深いことだ。南朝鮮は、その代わりに、朝鮮半島のみならず北東アジア地域全域で衝突が起こった場合に直ちに利用できる戦略的軍事力とみなされている

この指摘は重要ですね、ほんと。

南朝鮮は自分たちの将来を決める話であるのにもかかわらず、米軍の戦略的な軍事力にすぎない、少なくともそういう扱いをされている。これってどうなの、という話だし、より少ない程度に日本も同じ。

もちろん、南朝鮮がそれでいいというのならそれも一つの行き方、生き方でしょう。しかしそうでないというのなら、彼らが勇気を持ち、周囲はそれをサポートするというのが最も長続きする平和のための環境と言えるでしょう。Global Timesはそこまで書いてないけど、示唆されていることはそれだろうと私は読みます。

で、結論としては、中露がどれだけ頑張ったかわかれよ、中露なくしてこの問題が解決されるわけないだろう、と示唆して、最終的に、六か国協議を再開しろ、中国と韓国の代表団は明日ソウルで会う。平和と平穏に満ちた明るい将来こそ達成が望まれるゴールだ、で終わってる。

 

■ 戦争を煽った人たちはどうするんでしょうね

このままうまく話し合い方向に流れるか否かはトランプ次第ではあるんだが、しかし、ともあれ、ロシアのラブロフ外相が何度も言っている通り、正気の人はここで戦争なんて考えないという話ではあるわけですよ。そして、おおむね世界もそう見てる。朝鮮半島で戦争が起こるということは、防ぎようがあった事件を防げなかったために、韓国人100万人が死にます、みたいな話なわけですよ。100万が10万でも同じ。1945年において10万の犠牲はまったくあり得た犠牲だったが、今現在私たちはそれに耐えられるのだろうか? そう考えれば、話し合いに落ち着かせる以外に手はない。(むしろ、トランプが1年前に騒ぎださなければ、もっと地味に続けられたかもしれない)

ということで、まだいくつかの妨害はあるかもしれないが、方向性としては、朝鮮半島の緊張を緩和していく以外の方向性はない。

で、その影響は、米韓、米日と二国間で安保条約を築きながら、実質的にこの2国を戦略的な基地としてしか見てこなかったアメリカの今後に影響する。

朝鮮戦争の休戦協定を破り続けているのはアメリカで、その最たる部分は米韓同盟だともいえるわけで、ここは話し合わないとならないでしょうね。あと、朝鮮半島に核兵器を持ち込んだのは米なので、ここも、北のみならず関係者からお前が悪いと言われざるを得ないところ。このあたり、アメリカ人で北朝鮮問題に詳しい人は結構普通に知ってるらしく、過去1年何度も読んだ。

日本は・・・。多分、一番認識の変更を迫られるのは日本となるでしょうね。日本って実はどうやって1945年に戦争を終えたのかを整理して教えていないという、なんかこう、どうしてこれでいいんだろう・・・という国ではあるんですよ、ほんと。

韓国は過去10年ぐらいで、日本の統治時代から前回の朝鮮戦争をだいぶ掘り起こしているようなので、考え方、知識のレベルでは、日本との比較でいえばはたいした混乱はないかもしれない。

そういうわけで、今年は過去150年をまんべんなく振り返る年となるでしょう、ってところ。


 


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« UKで政府債務保証してまで原... | トップ | 関特演と1945年ソ連満洲侵攻作戦 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『トランプ外交始動』 (ローレライ)
2018-01-07 12:29:26
『ルーズベルト的』な『トランプ外交始動』で『アメリカのネオニューディール路線』の開始。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事