DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

ナチ組の中はそう一様ではない

2022-03-25 22:13:50 | WW1&2
いやしかし、なんというか、ぐったりするほどマジで西側はナチだった。

私は、過去何年も西側とは畢竟ナチなんだという話を書いてきたのでその意味では驚きはない。だがしかし、こうまで大っぴらに、バンデラ主義者を賛美する集団を日本やアメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリアetc.が公式に、大真面目に、情熱的に支持することになることまでは予想していなかった。

甘かったといえば甘かった。ナチのコアというのは、暴力に裏付けられた嘘とはったりだったわけだから、今現在の西側がそうであるように、嘘で人を扇動していくことは想定されるべきだったのかもしれない。

いやそんなことを反省してみても始まらない。

で、そのナチ組ですが、そうはいっても一様でもなくて、ナチ組にも若干の反抗は見られる。

アメリカで昨日出回ったのは、メディア、議会あたりの嘘があまりにも酷い中、ウクライナの戦況についてかなり冷静な記事が2つほど出て、それはペンタゴン(の一部)のソースに基づいているだろう、という話。

Pentagon Drops Truth Bombs to Stave Off War With Russia
March 23, 2022
https://consortiumnews.com/2022/03/23/pentagon-drops-truth-bombs-to-stave-off-war-with-russia/

1つはロシアが民間人をずだずだにしている、みたいな戦い方をしていることになってますが、それは違いますよ、というもので、もう1つは化学兵器をロシアが使うとかいう噂話への否定。


これはつまり、最初から書いてる通り、まるでまったくシリアと同じで、過激なメディアと政治屋が、飛行禁止区域を設定しろ=ロシアから制空権を奪え、と騒ぐことが、現実の責任者であるペンタゴンにとっては迷惑で叶わないからですね。

飛行禁止区域を求める声ふたたび


もう1つの化学兵器の方は、やりそうな人がいることを懸念しているのではなかろうか、と誰でも思う(笑)。

状況としても、昨晩、マリウポリがほぼ制圧できたっぽい(建物の1棟、1棟、1室、1室調べてた)感じになったので、いつまでも、ロシアは苦戦とかいう話では持たないという事情もあると思う。



■ セルビア

そんな中、西側に囲まれているヨーロッパの国だとはいえ、1999年にNATOに空爆されたセルビアでは、ロシア頑張れの集会があったりする。今回初めてではなくて前にもやってけど今回は前より大きそう。

 


■ イスラエル

セルビアは誰も驚かないと思うけど、なかなか興味深いのはイスラエル。
テルアビブでロシアの旗をあげて走ってる車が連なってる。

 

実のところ、イスラエルには多数のロシア系がいて、2014年には半分は反ロシア=親ウクライナ、半分は親ロシアらしいと言われていた。今はどうなんでしょうか。興味深い

なぜ反ロシアなのか、というのは、イスラエル建国の事情を物語る一つの鍵じゃないかと私は思っていたりする。

イスラエルというと、シオニストの流れが主として語られるけど、今話題のガリチアあたりのユダヤ人という流れもある。私の理解では、イスラエルは、シオニズムを父として、ガリチアのぐじゃぐじゃを母として成り立った、みたいなところじゃないのか、と。で、後者は一般にあまり語られないが、なぜアメリカ、イギリスと結びつくのかは結局後者の繋がりではないのかしら(逆には、だからソ連がイスラエルを嫌った)。

イスラエルは、ネタニヤフが足しげくモスクワに通って、ロシアのユダヤ人集団とも会って、

2017年に、5月9日、つまりロシアが大祖国戦争の勝利を祝うその日をビクトリーデーにした。

イスラエル、5月9日をビクトリーデーにする

また、2018年には、ネタニヤフが、ソビボル強制収容所で起こったユダヤ人側の蜂起、脱出に関する展示を見学し 、「イスラエルはナチズム打倒においてソ連が果たした役割を決して忘れない」と言った。

ナチズム打倒においてソ連が果たした役割を決して忘れない by ネタニヤフ

冷静に考えれば、こんなことを今頃言うというのがおかしい、実に不義理だ。

だがしかし、実際そうだった。しかも、西側主流メディアは、始終「ホロコースト」の話をするにもかかわらず、それを解放したことをイスラエルの首相が忘れませんと語りました、といった類のニュースには一切関心を向けてない。

それどころか、2015年(例のクーデターの次の年)には、アウシュビッツ解放の記念式典にプーチンを呼ばないという騒ぎがあった。

アウシュビッツ解放から70年、ロシア大統領は式典不参加へ



(勝利のバナー)
この旗があがって、多くの人がナチから解放されたということを記念することが、実はどれだけ難しかったか、抵抗があったかということなんだとも言える。

ソロスに送ってやろうかしら。引き付け起こすのかしら?

私自身、別にこの手のソ連の勝利を記念するものに何か愛着を持ったことはなかったんだけど、考えれば考えるほど、これを拒否していた(させてた)ことがナチ化への温床作りだったんだなという結論に至ったので、積極的に貼りまくってやる、とか思ってる。


ということで、ナチの西側が勝ち誇ってウクライナ頑張れを言っている舞台裏では、それはそれなりに、西側周辺の位置にあるところでも変化はある。


■ オマケ

今後、西ウクライナがどうなるのかが焦点になっていくだろうけど、その西ウクライナに根城を構える、クーデター後の大統領ポロシェンコが、ドイツのテレビで「ロシアの巡航ミサイルがウクライナの中のNATOのトレーニング・センターを攻撃したんだ」と語ったというのが、薄笑いを呼んでいる。


そう、このクーデター後に、ウクライナ内のNATO施設がどーっと作られたっぽい。それが今般、盛大に、システマチックに壊された。




コメント (7)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バンデラ・ウクライナ:不正... | トップ | ナチ組世界の外の状況(0325) »
最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ユダヤ系にとってもロシアは祖国 (Исао Симомура)
2022-03-25 22:57:56
”実のところ、イスラエルには多数のロシア系がいて、2014年には半分は反ロシア=親ウクライナ、半分は親ロシアらしいと言われていた。今はどうなんでしょうか。興味深い”
 これは無いでしょうね。半分は反ロシア=ポーランド恋しい派、残りがロシア恋しい派でしょう。ポーランドとロシアで育ったユダヤ人は、イスラエルの不自然な人工性に馴染めないようです。小生の友人のアブラーモヴィッチ(-イッチは父称ですが、姓で使われるときは、それはユダヤ系であることを示します)は、ソ連崩壊に幻滅してイスラエルに移住しましたが、この国の全ての人工性、政治性、欺瞞性に絶望し、離婚して単独ロシアに戻りました。生まれ故郷のイルクーツクでロシア女性と再婚し、魚類学の権威として活躍しておられる。ソルジェニーツィンが、ロシア人はロシアを離れると生きてゆけない、毎日がтоска по родине ”郷愁” だ、と言ったのは真実を述べたものなのです。 私は都合七年ほどを旧ソ連とロシアで生活しましたが、ポーランドよりもロシアに郷愁を抱きます。ポーランド人の家内には絶対に言いませんが。
返信する
ありがとうございます (ブログ主)
2022-03-25 23:48:42
なるほど、確かに、イスラエルの建国直後の人口のうちの非常に多くがポーランドからだと見たことがあったので、とても納得しました。

しかし、確かにガリチアのユダヤ人という人の影響もあるように思われます。では、それは70年代の大量移民の世代でしょうか?

いろいろと訂正してください。
返信する
昨日の討論番組から (石井)
2022-03-26 15:10:02
昨日は、プーチンと「大統領賞」受賞の芸術家の懇談会があり、そこでの発言が話題になっています。ロシア第一放送の番組から引用します。バッセルマンは、ロシアの「知の巨人」とでもいう人で、オデッサ出身のいかにもという感じのユダヤ人です。
https://www.youtube.com/channel/UCrrmyUMuTQfSy2xkrqaSWPQ

プーチン「ナチズムに対する唯一の勝利者はアメリカだというプロパガンダ映画が多い。ドイツ東部戦線での赤軍の勇敢、英雄的勝利は、消し去られた。例えば、日本。広島長崎に誰が原爆投下したかについて黙るか、教科書には得体の知れない「連合国」によると、ぼんやりと書かれている程度だ。アメリカの行った第2次大戦のこうした恐ろしい弁解の余地のない行為については何も語られない。」

司会者「これはどういうことでしょうか。彼らは我々の功績を盗んだ。そういう文化ですか。映画の影響ですか。」
バッセルマン「同じヨーロッパ文化の根を持ちながら、なぜロシア文明とアングロサクソン文明が真逆の方向に分かれたのかという論文を書いたことがあります。事実として明らかなことは、ロシア文明というのは人間的人道的であるのに対し、アングロサクソン文明は、残酷、背信、虚偽が基礎にあり、そのことにより数世紀の間、彼らの生存を保ってきた。この価値観は我々には受け入れがたいものだ。興味深いのは、ウクライナ独自の文明を唱え、ロシア文明を否定している一派にはアングロサクソン文明への傾斜が見られることだ。」

現代の生活の基盤になっているのは、西洋近代文明で、その元はアングロサクソン文明でしょう。そのアングロサクソン文明の根本にバッセルマンが言うような性質があるとすればどうなるでしょうか。成功体験により、他を見下し自民族が最高とでも言い出せば、これは立派なナチズムではないでしょうか。特に鼻持ちのならないエリートが多い「リベラル」がこれをこじらせば、どうなるか。現在はこういう文明の最終段階だと思いたいです。
返信する
植民地経営の有無も関与か (Исао Симомура)
2022-03-26 22:53:50
石井様の分析は正鵠を得ているように小生には感じられます。素晴らしい。娘はポストコローニアリズムの研究者です。修士課程での研究対象は「ポーランドによる、白ロシア(現べラルス)、小ロシア(現ウクライナ)に対する植民地経営」というもので、修士課程(といっても五年制大学の最終二年のみ)最優秀論文に選ばれました。(自慢をお赦しください)あのジョセフ・コンラッドはレイシストだったといいます。娘によれば、英米仏独伊西葡丁白という、欧州主要植民地経営経験国はナツィズムに極めて親和性が強い文芸思潮を発展させたと論じています。当時のポーランドに対しては仏からマダガスカル経営を持ち掛けられたといいます。しかしこれを波は拒否した。白ロシアとウクライナの植民地経営で手が一杯だったからです。デンマークは奴隷船貿易を最後まで手放さなかったとは、初めて知りました。今北欧社会民主主義国家の人物がNATOの事務方トップを務めてますが、十分根拠のある人事なのです。この所謂北欧社会民主主義の偽善が臭います。
返信する
Unknown (ミール)
2022-03-27 10:30:35
石井様,下村様
ありがとうございます.お二人の御賢察,まことにその通りと存じます.
ロシアはこれと言った植民地を持ちませんでした(満州をどう考えるかというのはありますが).
アメリカの西部開拓時代とロシアのシベリア開拓時代の原住民に対する扱いは正反対でした.
にもかかわらず,西欧植民地経営国家はロシアを野蛮国として描き続けました.そうする必要があったのでしょう.
返信する
ナチズムの西側社会 (石井)
2022-03-27 16:47:59
シモムラ様
小生如きの拙論にご賛同いただき、また貴重なご教示をいただきありがとうございます。お嬢様の指摘されているナチズムに対する「親和性」というのは、現代社会を考える上で非常に重要な論点だと考えています。西側世界でこれを論ずることは、多分恐ろしすぎて不可能でしょう。あまりに深い問題なので、到底小生の手に負えるものではありませんが、単細胞ながら少し考えてみます。先ず、宗教の問題。残虐非道な植民地支配、冷酷無比な人種差別を行ったのは、プロテスタント、カソリックの国々であったという事実。残酷、裏切り、デマを基調とする諜報破壊活動を確立させたのはアングロサクソンだという事実。実利的物質主義を追求し遂には金融資本主義を完成させたのは英米だという事実。これらは全てナチズムに直結する現象だと思います。これが社会的に機能するのは、「正当な略奪」により経済循環できるためで、白人であれば非白人から、ナチスであればユダヤ、スラブ人から、日本であれば朝鮮中国から富を奪い「豊かな社会」を形成したのだと思います。こう考えると我々の住む「近代文明」社会自体がナチズムの上に成り立っているということになります。しかし、ここまで極論してよいものか否かは、未だ僕にはよく分かりません。

昨晩のロシアテレビのニュースで、ロシアでは有名な映画「兄弟」(2000年公開)のラストシーンを使っていました。主人公のバドロフが単身NYの経済マフィアの事務所に乗り込み敵のボスに向かって言う台詞。「アメリカ人よ、言って見ろ。何が力か。金か?あんたには沢山金があるんだろう。それどうした。俺が思うには、力というのは真実だ。真理を持っている人間の方が強いんだ。あんたは騙して誰か俺等の金を盗んだんだろう。それで強くなったか。違うな。あんたには真実がないからだ。」ロシアは、ナチズムに支配されている西側とはもしかすると真逆の社会です。勿論、西側社会に傾倒する層もあり、彼らは「リベラル」と呼ばれています。彼らの説では、「ソ連はナチスドイツに占領されるべきだった」「レニングラードは早々に降伏すべきだった」ということを臆面もなく語っています。こういう彼らに支配されたのが90年代でした。プーチンになってからロシアを取り戻しつつあります。こういうオルタナティブとしてのロシアは大変貴重です。現在の「ロシア制裁」に賛同しない国々というのは、西側ナチズムに対し各々の歴史を通じ、腹に一物を持つ国々ではないでしょうか。更に言うと、西側社会に潜む「ナチズム性」について「自由に」議論できるような日本であればと思いますが、これは夢物語でしょうね。
返信する
多面体としてのナツィズム (Исао Симомура)
2022-03-28 22:27:27
石井様 石井様の分析に大いに共感いたします。私自身はこれまでナツィズムを「明示的素性の複合体コンプレクスкомплекс」という風に考えてきました。しかしこの頃は、関与する素性の数の多さから、数学上の概念である多面体многогранник」という幾何学的モデルを、思考の遊びとして構想しています。素性数は以下のものです:白人至上主義、有色人種蔑視、拝金主義、性的および政治的サディズム、健全な生き方への嫉妬、女性と子供への嫌悪、キリスト教至上主義、死への愛着、退廃への愛着、不具者への虐待嗜好、冷笑主義、破壊嗜好、悪臭嗜好(ヒトラーがそうだったと言われています。肥満のお婆さんの腐乱死体の臭いを好んだらしい)、役者嗜好、等々ですね。素性の数が増えてゆくにつれて、極限として球体に近づきます。それが究極のナツィズム。まあ言葉の遊びですが。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

WW1&2」カテゴリの最新記事