昨日はロシアの要請で化学兵器禁止機関が臨時総会を開いたようだったが、ロシアの専門家を入れて調査するというロシアの提案は通らなかった模様。
そこで今日はこっちもロシアの要請で国連安保理を開くといっていたのだがどうなっているのか現時点では不明。
いずれにしても、英米仏が結託してたらたいていの国際機関は動かない。例え英米仏が悪の巣窟でも。
ということ現状が示されるのは、考えようによっては次へのステップとも言えるでしょう。でもって、安保理じゃなくて、この事案は総会に持って行って決するというのもありのような気がする。平和のための結集とかなんとかいう手順が備わっている。
だってイギリスのやっていることは、あまりにも常識はずれで、危険すぎるから。
と、誰しも思うわけだし、イギリス国民も政府がおかしいことに気づいている人の方が多い模様。ただ、ネット上では、なぜロシアは認めないのか~、みたいな人たちが散見できる。ほとんどまったく日本のネトウヨと同じ。多分同じ機構で同じように雇ってるわけでしょ。「この人たち」のやることって、結局「サイコオペ(心理操作)」主体なんだと気が付いてみればなんということはない話。
だけど昨日のポートダウンの科学者がロシア製だと判定できるわけではないと言ったことが大きく響いたものか、昨日はイギリス外務省は自分たちがtweetしていた、ロシア製だと科学者たちが断定したのだ、という意味のtweetを削除して、それが見つかってまた大騒ぎ。
今度は、イギリスのガーディアンとかNYTなどが、ボリス・ジョンソンはロシアに責任があるとsuggestion(示唆)を行ったとかいう文章にしてきているんだそうだ。つい数日前まで、圧倒的な証拠でロシアが犯人だ、とまで言っていたのがイギリスの首相や外務省、そしてそのメディアなのだが・・・。
でもって、そんな小細工をしてどうするんだよというところなのだが、しているということは、また何か新しいことを考えているんでしょう(笑)。
いやしかし、ガーディアンとかNYTは、ジョンソンを庇っちゃうんですね(笑)。一般に、リベラル好きの人たちはそうは思わないと思うんですが。これはちょうど、ISだっていいじゃないか、ロシアやイランが苦しむならば(NYTがほんとにそう書いた)、というのと発想が同じですね。テロリストのメンタリティーっつーんだよ、それと教えてあげたい。
そんな中今日はRTにドイツのベテラン政治家のWilly Wimmerが出てきて、
スクリパルの問題でのイギリスの行動は「マフィア国家」のようだ、と言っていた。
Britain behaving like ‘mafia state’ in Skripal case – OSCE ex-VP Willy Wimmer
Published time: 4 Apr, 2018 23:25
Edited time: 5 Apr, 2018 08:14
https://www.rt.com/uk/423234-britain-skripal-mafia-state-wimmer/
‘UK govt behaves against all rules & regulations’ – ex-OSCE VP on Skripal casecase
多分この人はもう議員はやっていないと思うが、ひと昔前のCDUの大物の一人。
いくつか発言を拾うと、
「私たちはこの国家をマフィア国家と呼んだらいいと思います。なぜなら、英国政府が他国との刑事事件で振る舞う際のヨーロッパや各国間のすべての規則に反しているからです。」
“We, as Europeans, have an experience with the British. We only have to look back to Tony Blair. They lie from one war into the next one.”
「私たちヨーロッパ人は、ブリテンとある経験をしています。私たちはトニー・ブレアを思い出さないとならない。彼らは次から次へと嘘をつくんです。」
“We, as Europeans, have an experience with the British. We only have to look back to Tony Blair. They lie from one war into the next one.”
で、その上で、ある種の抑えとして、連帯とか言ったけどこれじゃ連帯にならない、危険だろう、ヨーロッパにもEUにもNATOにも悪い影響だ、という流れにもっていっている。これは批判をかわして、正統に論じるために非常に上手。
というか、じいちゃんがぼんやり語っているように聞こえる人なんだが、発言の中身はよく考えられていると思った。
マフィア国家と読んだらいいと思います、という話を先に持ってきたところは私も賛成。この間書いたように、まずなんといっても、他国人を1カ月も行方不明にさせているという現状が許し難く、そして恐ろしい。こんなことを許してはいけない。
ロシアからUK政府への14の質問&UKは危険だ
で、下のトニー・ブレアを思い出せ、というのも、イギリス人を含めて多くの人たちが言っていること。
これと一緒。この嘘つきを許したことが今日の、抑えの効かない嘘、嘘、嘘、嘘だらけの西側になったということですからね。まぁそれを言うなら911ですが。
ということで、誰か西側の人がこのぐらい言わないと、ヨーロッパ人はバカばっかりかよという事態になっているので、西側的にはよかったんじゃないですか。
しかし、そんなことを言おうが何を言おうが、いや、例え何らかの裁定がしかるべき機関から出ようが、そんなことで懲りる英米メディアではない。
なぜ、こうも稚拙な謀略を繰り返すのだろうか。これではロシア叩きどころか、自国とそれに組する者の威信を傷つけるだけではないか。なぜそんなことをあえてするのか。
「西側が世界のほんのひとかけら」というGlobal Timesの認識は正しく、それ故に、この非常に認めたくない現実に対し最後の悪あがきをしているということであろうか。
私は、英米が中心になって世界を動かすことの正当性が何なのか知りたい。あまりに稚拙な謀略の真意が知りたい。そして、それを英政府にさせている勢力が何なのか知りたい。(リベラルというだけでは漠然としすぎていると思う。)これらの質問に対する答えがどこにも見当たらない。
正統性などあるはずもないので、単なる既得権の問題というべきだと思います。
あと、大規模に軍や諜報を展開させたらそれを撤収できないというのは、どの帝国も辿り、そして凋落するって話じゃないでしょうか。
(大規模な展開には嘘、誇張が必ず含まれるから話はさらにやっかいになる)
日本も、あれだけ悪条件でも自分では戦争を止められなかったわけだし、今でも、あれは勝てたのだとか抜かすバカが大量にいるわけですから、まったく見ず知らずの問題ではないでしょう。
とても理解できる国が日本とドイツかもしれないです。
そう。私たちは英米の敗戦過程を見ているのだと思えば納得がいくのでは?
一昨日の番組「60分」 この19分過ぎ、ドイツ人政治学者ラール氏の話。
https://www.youtube.com/watch?v=aA2qDbtUMk4&t=967s
「事件以後の国内の雰囲気は最悪です。私が会話した人々全員が、メイが嘘を言う筈がない。ロシアが騙している。クリミア、ボーイング、ドンバス、常にロシアは嘘をついてきただろう。ウクライナ紛争でも独仏は和平調停の努力をしているのにロシアは応じない。イギリスの同盟国であるドイツがイギリスに反対するわけにはいかない。」
ラール氏はバルダイの会員でもあり、ロシア人と同等のロシア語力の持ち主で、僕は彼の言説には一目を置いているのですが、彼をしてもその周りの認識は「その程度」なのかとがっかりです。
ついでに、日本の「ネット知識人」
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/982038095141810177
問題の根本は何処にあるのかと考えさせられます。ロシアに対する無知無理解は確実ですが、それを醸成してきた様々な要因があります。権力がマスコミを利用している構図は、既に100年以上の歴史があると思います。しかし、それ以上の長きに渡る「西欧人」のロシアに対する差別意識を今回の一連の騒動に見ます。ロシア人にとっては非常に不快なことですが、西欧人にとっても何等の利益をもたらすものではないことをそろそろ理解してもよいのではないかと思います。
西欧人じゃなくてthe Westなので、日本も入ります。
このグループの人たちは主に英あたりが作った歴史観をこの世の真実だと思って150年(日本)から200年(ドイツ)、その他それ以上、生きてるから、今更ロシアだの中国、イランあたりを互いに尊重し合う関係として見ることは、極めて難しいと思います。
しばらくどうしようもないと思うし、括目するようなキッカケもないのでは?
若干の期待としてはフランス、イタリア、ドイツ(この順)の一部が文化背景から異論を述べるチャンスはあるかも、ってあたりですが、でも金融の方が大事でしょ、結局。
面白い時代になったなと思います。