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中国:英政府の蛮行を批判し、国防大臣は中露の絆を示すと言い出す

2018-04-04 22:06:05 | アジア情勢複雑怪奇

さっきノビチョク問題について書いて、最後に書いたように、これは対ソ連、対ロシアの化学兵器がらみの工作ネットワークの問題と、そのネットワークがどうも米大統領選挙にも関係してそうだし、シリアの問題にも関係してそうだしと、なかなか危険な話。

その一方で、しかしながら、英の取った方法、フランス、ドイツ、アメリカの「協力」ぶりと、その他諸国の追随ぶりはあまりにも見っともないだけでなく、危険なものだった。

 

そこで、この間最も正確に、適切な批判をしていたのが3月27日付けの中国のGlobal Timesだった。

長らくこのセミオフィシャルの中国の日報を読んでる人たちでも、こういう怒り方は珍しいと言っていたが私もそう思った。

Russian diplomat expulsions signal crude side of Western intention

http://www.globaltimes.cn/content/1095361.shtml

証拠もないのに、ロシアを犯人扱いするイギリス政府のやり方と、それに盲従した諸国を批判し、その上で、

主要な西側諸国が他の諸国が従うのと同じ手続きを踏まず、国際法の基本的な原則に従わず、一国を徒党を組んで攻撃し「刑に処する」ことができるという事実には寒々とさせられる。

冷戦時代、西側諸国のどの国もこんな挑発をしようと思った国はなかっただろう。しかし今日それが無制限に行われている。このような行動は、世界の平和と正義を脅かす西側のいじめの一形態に他ならない。

The fact that major Western powers can gang up and "sentence" a foreign country without following the same procedures other countries abide by and according to the basic tenets of international law is chilling. During the Cold War, not one Western nation would have dared to make such a provocation and yet today it is carried out with unrestrained ease. Such actions are nothing more than a form of Western bullying that threatens global peace and justice. 

 

その上で、今日こうなった今日の情勢をひとくさり書いた後、

米国と欧州のロシアの扱い方は、度を越している、beyond outrageousと書いている。理解できる範囲をもう超えて、無礼、悪意だ、と。

そして、ここからが凄い。

で、そうであるなら、非西側諸国は、まさに、互いに団結と協力を強化すべき時だ。これらの諸国は、独占的な宣言やあらかじめ決定された裁定の鎖を破り、西側の影響の範囲の外側に、独立のレベルを確立し、自ら自身の判断能力を評価する必要がある。

(英文は省略。上の記事参照)

と非西側の団結を呼びかけ、最後には、

西側は、世界のほんの一部であり、かつて彼ら自身が考えていたほどには世界など代表していない

だから、非西側の民族はそれを認識してそう行動することが重要で、

徹底した専門調査の最終結果ではなく、ある国が別の国を告発するという形での告発は奨励されるべきではないと確信している。 各国が同時に外交官を追放することは、直ちに廃止される必要のある非文明的な行動の一形態である。

で締めている。

 

もうほとんど、糞みそといっていいわけだけど、今日重要なのは、国際社会、国際社会とかいったって結局NATOと、イギリスとその旧植民地(カナダ、オージーetc)が騒いでるだけで、こんなの「世界」でもなければ「国際社会」でもない、ただの特殊権益者だろう、ってのがまったく丸見えになっているという点。

で、中国と、その特殊権益者にやられまくってるロシアというのは、要するに、その残りの世界、特殊権益者がいう「国際社会」よりずっと大きくてポテンシャリティーのある世界を代表している、と最低でも世界の半分はそう考えているというのが現状(30年前、50年前とは事情が異なる)。

そこが、これまでの特殊権益者である西側がそうまで「uncivilized(非文明的、野蛮)」であるのなら、西側でない人々は団結するしかない、と言ってる。

「独占的な宣言やあらかじめ決定された裁定の鎖」を断ち切れってのと、最初の方の、ロシアに対して勝手にいいがかりつけて「刑」を執行するかのようなやり方というのも平仄があってる。

非西側諸国よ、帝国主義者の鎖を断ち切れ、みたいなノリですね。これが表面的に平和だった90年代ぐらいまでだったら、何を言ってんだよ左翼が、みたいな風に思う人が多かっただろうが、なんせもうこの20年ぐらいの西側の蛮行を見れば、こういう集団が出てきてくれたことは、非西側にとっては安心以外の何物でもない。

つか、今日新しいのは、西側諸国の中でも、もうとにかく中露に止めてもらわないと、うちの国もどうもならん、と思ってる人は多いと思う。これはリビア、シリア、ウクライナあたりがあったればこその感想でしょうね。イラクまでではそうは思わなかったでしょう。とにかく、蛮行に終止符を打てないのが西側なんだとみんな気づいちゃった。自制心もなければ、自尊心もないのかよ、といったところ。

 

■ 中国国防相、ロシア訪問

と、そこから約1週間。昨日は、中国軍が、ロシアを訪問。

3月の習さん政権の入れ替えで国務委員兼国防部部長になった、中国軍のエライ人魏鳳和さんがこんなことを言った。

「私は、中国の新しい国防大臣として、世界に、我々両国間の関係の進展の高さと、両軍の戦略的協力の強化に対する固い決意を示すためにやってきました」

"I am visiting Russia as a new defense minister of China to show the world a high level of development of our bilateral relations and firm determination of our Armed Forces to strengthen strategic cooperation," the Chinese defense minister stressed.

http://tass.com/world/997455

 
これはもう、どう考えても、イギリス政府を中心としたヤバい取り組みに対する、中国からのウォーニングでしょう。
 
ロシア軍がほとんど数日置きに、シリアでやばいことやろうとしている奴らがいる、いる、いる、と騒いでも、西側諸国には聞く耳持たずに、きっかけを作って大戦争に持っていこうとする一群がいる。
 
中国もヤメロと言ったところで、西側が誇る最大の武器はデマを広めるメディアの多さなので、かなわない可能性がある。
 
もはや軍が出張るしかない、というところだと思う。あんたら、ロシア一国が相手じゃないからな、と。
 
経済で見てもそれはそうなんだが、

ペトロ元と中露の包括的・戦略的パートナーシップ

 

イギリスのあのぶっちゃけ方に危機感を持ってこういう行動に出ているんだと思う。

シリアに関していえば、実際には、ロシア一国でも大変なので、だからこそ実のところ米正規軍は逡巡しっぱなしなわけです。が、やめることもできない。こうやってると、何が起こるかわからない、非常に危険な状態なのが現在。
 
 
どうなることやら。まずとにかく、シリアだし、結局はイスラエル問題ということなんだろうと思う。多分、4月はとてつもない月になりそう。
 
 

 
  
 
 

 


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