慰安婦問題は朝日新聞の「誤報」をきっかけに広まって、そこに尾ひれがついて曲解がついてさらに大きな話になって現在に至る。この騒ぎは朝日が出発点なのだから朝日新聞に自分の報じたものが嘘であることを認め、その上で広がってしまった問題に対してなんらかの対策を取るよう求めることは正当なことではあるだろう。朝日は今のところそのごく一部しか果たしていない。
【アゴラVlog】朝日新聞世紀の大誤報 慰安婦問題の深層
http://www.youtube.com/watch?v=yd1UXTecs4U
慰安婦問題については私は池田信夫氏の功績は大きいと思ってる。ほぼ最初からこの話がメディアに出て来る過程をよく知っているからだし、自身がメディア関係者なのでいろいろ情報が入るようで、やっぱり詳しい。
■ こっちの誤報はどうなるの
そんなことを思っていたら、ふとリンクをたどっていった先で、読売新聞の記事に目が留まった。2014年11月2日付け。
国際 : 国際 : ニュース : 読売プレミアム
premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/list_INTERNATIONAL1
ここにあったものなのだけど、ログインしないと読めない。が、それをコピペされている方がいたのでちょっとお借りします。
冷戦期に米国と世界を二分したソ連は、軍拡競争で疲弊し、解体された。後継のロシアが混乱の収拾に追われている間に、旧ソ連の バルト3国 や東欧諸国は、続々と米主導の北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。
ロシアと最も緊密だったウクライナさえEUとの関係強化に踏み出そうとしたため、プーチン氏はウクライナへの軍事介入に突き進んだ。(太字、ブログ筆者)
これって、嘘というより、捏造、または相当な曲解報道。最低限控えめに言っても、真意を伝えようという意図は皆無。
この記事は上中下あって、それを全部読んだけど、キエフで前政権を打倒するためのデモからクーデターが発生したというきっかけは、示唆さえされていない。
あくまで、ロシアまたは強気の姿勢を取るプーチンがウクライナへの軍事介入に突き進んだとうストーリーで終わっている。
世の中って、こんなもん、ではあるけど、今になってもまだやっているところに日本の病理を感じてしまう。
■ 主流メディアとは政治のための宣撫工作機関
欧米の報道は、主流誌は嘘を書きたてたけど、非主流のメディアも結構多くて、アメリカのオバマ政権が主導して行った世界的な嘘報道の嵐は、結局のところ支持されなかったというべきでしょう。
この件に関してオバマ政権が嘘ばっかり言っていることはもはや一般人が一定以上知ってしまっているので、主流誌ももうあんまりそこへんには突っ込んで書いていない。この期に及んで読売新聞みたいなこざっぱりとした、むしろ清々とした嘘報道を行うという気はないように見える。
で、この嘘報道は結局のところ、どこまで行ったってアメリカ政府が虚偽の広報を認めることはないだろう。どこまでも突っぱねるだろう。あるいは、外交の分野に属するストーリーの一つとして取引材料として使うこともあるだろう。例えば、キエフでの騒乱に際して別の対処も考えるべきだったと米政権のエライ人が言いだしたら、ああ、米露関係軟化のきざしか、みたいな。
何を言いたいかというと、新聞を含む主流メディアというのは、真実を伝える機関ではないということ。最初に設立された時にはそれぞれ理想や信念もあり、記者の中には是非その理想を保ちたいと考える人もいるだろう。
しかし、どうやらできない。主流メディアとは政治のための宣撫工作機関である、ってことですね。
私たちはいい加減これに気づくべきだと思うわけです、はい。
朝日を倒せば世の中が変わるとか思ってる人ってどうかしてると思う。朝日を倒したら工作のバランスが崩れて、別の路線に引っ張られるだけでしょう。ぶっちゃけ、朝日は民主党系、読売は共和党+CIA、産経は共和党ネオコン+極東米軍、みたいなのがスポンサーじゃないんでしょうか。だから、このままでは日本は共和党のシマになる話になるわけで、これはこれでどうなのよ、と考えて付き合うべきじゃないですかね。
■ オマケ:情報戦には情報戦でしか勝てない
でもだったら何もできないかというと、そうでもないんだなというのが今回のウクライナ危機で得た教訓かしら。
それは、英米の主流メディアが今回苦境に立たされたのは、一つには相手のロシアもメディア使いの上手い国だったというのがあるけど、もう一つは、一般人の任意の行動はまったくバカにできなかった、ってこと。
とにかくそれは嘘だ、これはああだというコメント欄の書き込みによって、本文の意図が覆されているケースがあった。確か4月の2週目だかに、イギリスのメディアのウクライナもの記事のコメント欄が一斉に閉鎖された。その後2か月ぐらいして開いた時には、今度は最初っから本文の意図を擁護する、要するに工作員ってんだろうね、そういう人たちがしっかり張り付いていたし、編集権で削除もしているようだ。それは現在でも続いているし、多くの記事やyoutubeに人が張り付いていると思う。
で、そうするとこれに対抗して、あそこはこう、ここはこうというtwitterやらブログやらが出てくる。要するに情報戦が今も繰り広げられている。つまり、情報戦は情報戦によってしか勝てないってことなんだろうと思う。相手がネタ切れになって、根負けするまでやる。
いつか日本もこれが必要な時が来るんじゃないかと思うんだけど、どうでしょう。
■オマケ2: 情報機関が記事を書き、報道機関が報道する
上で引用した読売新聞の記事を読んで思ったのは、これはオリジナルは日本人が書いてないな、と。しかし署名記事でもないようでともあれ署名は探せない。解説扱いになってる。
まさに、CIAとBND(ドイツ情報機関)が記事を渡してそれを記者名で書く、ジャーナリストってこんなもんですと告発記事を書いてその本がベストセラーになってるドイツ人ジャーナリストUdo Ulfkotteさんが言っている通りのことが起きてるんだろうと思う。