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自由と民主というよりジミントー

2014-10-27 18:18:50 | アジア情勢複雑怪奇

福島知事選が見事に示したこの国の政治の不毛
天木直人 | 外交評論家
2014年10月27日 7時31分
http://bylines.news.yahoo.co.jp/amakinaoto/20141027-00040290/

福島知事選が予想通り不毛な結果に終わった。

私は与野党相乗りになった時点ですっかり関心をなくしたのだが、それにしてもこの福島知事選を見て日本のこれからの政治に絶望感を抱かざるを得ない。

私は原発事故が起きた時、この未曾有の不幸を乗り越える唯一の希望は、この不幸をきっかけにして、それまでの日本の権力構造(支配体制)が変わるかもしれない、いや変わらなければいけない、それこそが不幸を克服する唯一の救いだと思い、それを訴えた。

 

天木氏のお考えには私はたいていの場合賛同できないんだけど、この感想はなにか「そうそう」と頷かされるものがある。

今回の福島県知事選挙は、もともと民主党が推薦してた候補者に自民党が後から合流して、いわゆる相乗りになって、試合前からもう話はついちゃいました状態になった時点で、選挙の意味がまったくなくなっていた。公明党も相乗り。

自民党県連は当初、独自候補の擁立を目指した。だが、党本部は認めず、民主党などとの相乗りで内堀氏を支援することを決めた。7月の滋賀県知事選に続く敗北の回避を最優先したのだろう。(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20141026-OYT1T50094.html

という状態。

だから昨日は予想通りのことが起こった。また、思えば日本はもう長いこと地方選挙は結構不毛なので、特に何か目新しい話でもない。

しかし、天木氏が言うように、これってなぁ・・・とはまぁ思う。

自民党県連が一度候補者を作ったのに、中央自民党が相乗りを選択していったという経緯も不気味な話だ。なぜそんなことをしたかといえば自民党にとってこの選挙は負けられない選挙だから。

逆にいえば、自民党県連は勝てる候補者を立てられなかったので、勝てる方に乗った、ということなわけで、これって、根本的に複数政党制の理念を毀損していると思うし、それ以上に、地方自治の精神も危うくする。

中央の自民党の存在というのは、もはや政党のそれというより国家の完全掌握のためにあるような気がしたりもする(笑)。

いや、そこまで強いわけではないでしょう、と思うものの、他に強い党が出来る見込みもないので、この調子で中央自民党が、勝てそうなところに全部相乗りしていくという方法を取った場合にはそういう感じになる可能性は捨てられない。

しかし、ではその自民党が正常に機能しているのかといえば、民間議員だの諮問会議だのに妙な権力が発生していて、議会で選ばれた議員ではない人の力が増大傾向にあることが知られている。

ということは、まとめて考えれば、全国津々浦々の権力を効率的に掌握するグループ(党)が存在するが、その権力は議会制民主主義に依存しないという機構になる。(かつてはその権力は官僚にあると言われていたけど、最近は官僚+特定民間人)

これって何?

いずれにしても、現在の日本は理念の異なる複数の政党が討議してものごとを決するという議会制民主主義が機能しているとは言えない状態にある。

自由と民主主義、および議会制民主主義の尊重という観点から考えれば、今回、自民党は独自候補で戦うべきだっただろうと思う。

まぁでも、ジミントーって、自由と民主、Liberal democraticというよりジミントーなので、そんなことどうでもいいということかもしれないけど。

いっそのこと、政友会とでも改名したらどうだろう? そうすれば、憲政党とかなんちゃら同志会みたいな系統の政党が誘発されるかもしれない。ぶっちゃけ自由だの民主、自由党、保守党なんていうイギリス系統の物まねの名前じゃなくて、どのみちそんな理念で集合するなんてないんだから、政友会みたいな、なんの理念も感じられない名前の方の方がいいと思う。

■ 個別事情

とはいえ、ふと思うに、福島、宮城、岩手って日本で最も自民党の崩壊が進んだあたりじゃないのかな? 小沢氏が岩手だからというのが影響してるのかどうかまでは全然わからないけど、過去10年ぐらいを見るに、よくも悪くも元気のいい議員さんたちが自民党から分かれて民主党に移っていった地域が日本中に結構な数あるわけで、このへんもそうだったんじゃないのかと思う。それに連れて自民党県連も20年前のようには存在していない。一方民主党は5年前の民主党ではない。まとめていえば、政治活動を支える勢力が全体として弱体化している、ということ。

これもまた、自由と民主主義、議会制民主主義にとってマイナス。

でもってこれもまた折からの the Westの価値毀損問題の一つ。


自由と民主主義をもうやめる (幻冬舎新書)
佐伯 啓思
幻冬舎

 


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