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西側では正規軍の反乱は大した問題ではないらしい

2016-07-18 23:23:00 | 欧州情勢複雑怪奇

トルコの軍の反乱事件では、西側の態度がおかしいと前にも書いた。

なにより凄いのは、軍が航空機や攻撃ヘリを使って議事堂他の政府機関を攻撃するような事件が起きているにもかかわらず、そこへの非難よりも、エルドアンが大量の人を投獄したり死刑にするであろう事態を恐れている。

死刑復活なら交渉打ち切り=トルコに警告―独
http://news.goo.ne.jp/topstories/world/176/ac3d5fc36a12e023e1bf45e9d4de9911.html?fr=RSS

 

西側ってところは一体何を恐れているわけ? なんかこう、あんたらが犯人でしたって話なの・・・?とか思う人がいても不思議じゃないでしょう。態度が徹底的におかしいもの。判断の優先順位もおかしいし、メディアの誘導も見える。

 

そもそも、リビア侵攻で、NATOはカーダッフィーに何をしたっちゅーねんでしょう。晒し者にして見世物にして、勝利を喜んだのはまさにNATO。

それに比べれば、トルコは軍事力を使って政権転覆をもくろんだ者を所定の手続きにのっとって調べてるんだから、何の不服があるというの? そりゃ、私はトルコが民主主義的で秩序が整った素晴らしい国ですなんてまったく思ってないです。しかし、国家の秩序を軍事的に転覆させよう とした罪は罪として調べられるべきで、他国が何かをネタに取引をするような案件ではないでしょう。(つまり、ウクライナに続きまたまたEUが怪しいという話なのか?と思わずにはいられないでしょう、これ。)

死刑については、今回は遡及法になるならやめろよ、とは思うけど、一般論を言えば軍事転覆を狙った者に対する処罰には当然死刑が含まれるべきという論理にはそれなりの正当性があると思う。

軍事力を使うということは、近似値で、他人を即殺することを許容するということなんですよ。だからこそ使用までに様々なハードルを設ける。しかしクーデーターの場合はそれらの手続きを飛び越えて実に無法な人殺しを試みるという意味。であれば、その報復も同じであるべき、というのも一つのモラルだと思う。

 

■ 軍事攻撃の模様のクリップ

とはいえ、こうなる一つの理由は、クーデター未遂事件について西側で流された映像が、最後のイスタンブールあたりの群衆の動向を中心としていたからではなかろうか? 一般人が大挙してできて来て勝負を決する前の、エルドアン襲撃のみならず、国会議事堂他の政府機関への航空機による攻撃こそ政権転覆のハイライトでしょう。

あちこちの映像を見るに、発生した事態は政治的クーデターというより、ほとんど軍事攻撃のようというか、そのものですよ。

アンカラの大統領府前の広場。航空機によるいきなりの爆発。

Turkey coup attempt: Ankara's presidential palace, parliament building bombed

 

こっちは今日の英テレグラフ。トルコの省庁の外側の備え付けカメラで撮ったんじゃないかという映像。手に銃を持っている人たちが警察部隊らしい。空からの攻撃に応戦してる。この勇気は褒められるべきでしょう、これ。

Watch: Dramatic moment Turkish police attempt to shoot down F-16s with handguns during botched coup

 

こっちは、当日夜間の低空飛行の様子。市民の威嚇を目的としていた模様なので機関砲を撃ったりはしていない。しかし、その威圧的な音と振動をお楽しみください(笑)。これもテレグラフ。

Turkey coup: watch low-flying jets zoom overhead in Ankara
http://www.telegraph.co.uk/news/2016/07/15/turkey-coup-watch-low-flying-jets-zoom-overhead-in-ankara/

 

これは民間人の投稿。攻撃ヘリが夜間上空から撃ってる映像。花火じゃないんですよ。怖い音だ。同じ出来事を別のお家から撮ったらしいものがいくつか上がってる。警察署がターゲットじゃないのかという話。

turkey attack helicopter shoots during coup

 

とかとか探せばいっぱいあるけど、要するに、トルコはトルコでトルコ語内で事件を語っているし、最初インターネットも途切れた模様なので上がっているものが少ないようだ。

 


 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
NATO/EU (ブルグ主)
2016-07-19 19:14:27
ローレライさん、

NATOは今回、わらちゃうほど何もしてないので、これはつまり「お前らの出番でない」と言えるだけの勢力が表に出る出ないは別に絡んでた、ってことなんだろうと理解してます。
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the Westのきれいごと (ブログ主)
2016-07-19 19:10:14
西洋社会は目には目をではない、というより、the West は目に見えるところはキレイにする主義だからではないでしょうか。

旧ユーゴは戦犯法廷の問題よりも、それ以前にひっかけて戦争を起こしたことを今後 the Westさんチームは反省することになると思います。
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『クーデターもNATOの仕事』 (ローレライ)
2016-07-19 02:56:24
『クーデターもNATOの仕事』だから『工作員は無罪』と言いたい『ブリュッセル官僚』の皆さん!
返信する
Unknown (ファンです)
2016-07-19 01:50:05
こういうのはあまり紹介するものでも無いですが・・・
非常に残酷ですので自己責任でお願いします・・・
これも見ること無しには語れない・・・

https://twitter.com/Malikejder47/status/754119708333465600?lang=ja

>クーデーターの場合はそれらの手続きを飛び越えて実に無法な人殺しを試みるという意味。であれば、その報復も同じであるべき、というのも一つのモラルだと思う。

旧ユーゴ内戦、ルワンダ虐殺の戦犯法廷でも死刑は課されていないようです。西洋社会は目には目をじゃないんですよね。

キリスト教は、汝の敵は許せ、ですが、イスラムは、汝の敵は許すのが一番良い、許せなくてもやられた以上はやり返してはいけない、だそうで、アッラーフの方がムスリムにとっては、キリストよりも「優しい」のだそうです。
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