FIFAが汚れているという話は別に昨日今日はじまったわけでもなく、もう何十年も誰かれとなく言ってる。
しかし、なぜか突如、会長選の前日になって、サッカーと最も遠い大国であるアメリカさんがこれを気にして、まったくの他国の司法管轄に事実上踏み込むようなまねまでして、我々アメリカが正義の味方だ~的に汚職の代表者とされるFIFA理事7名を収賄罪容疑で起訴。
ほとんど直ちに反応したのはロシアで、
問題があるのだとしても、米国の領土内で起きていない問題は米国には関係がない
として、自国の司法権を他国に適用しようとする米国の露骨な試みだ、と早々にプーチンが語っていた。フォーカスはもっぱらここ。なんとなく余裕かましてというか、成り行きを見守るといった感じだなと私は思ったりした。
同じ頃インターネット上にざ~と出てきたのは、これはイスラエル問題という話。
1週間前ぐらいに、パレスチナがイスラエルのFAFA加盟を停止しろとキャンペーンをやっているという記事がざらざら出ていた。これは5月19日付けのFT。
Palestinians push for Israel’s suspension from Fifa
http://www.ft.com/cms/s/0/9711b95c-fe2a-11e4-8efb-00144feabdc0.html#axzz3bbhspEcQ
Sepp Blatter, Fifa’s president, arrived in the region on Tuesday for meetings with Israeli and Palestinian leaders and sporting officials aimed at defusing the conflict and avoiding a vote in Zurich next week. The vote at Fifa’s May 28-29 Congress would need the support of three-quarters of delegates to pass.
パレスチナ側の主張ではイスラエルがプレーをする選手や場所にいろいろ邪魔をする、これってなんとかなんないの!ということで、FIFAはそれなりに調整していたように見えた。
しかし、一説によればFIFA内でこのイスラエル停止決議が多数を占めて、件の会長選挙選出と同時に行われる会議で可決される見込みがあったらしい。(確か、AFPの記事がそう書いていた気がするんだけど今探せない)
と、その決議前に会長を含む数名の汚職疑惑がクルーズアップされる。
でもって、現会長のブラッター氏が倒れた場合、では次は誰だというの? ってのも問題。
すると、ヨルダンの王子様とかいう候補があがってて、私としては大爆笑。欧州寡頭勢力も嫌だが、中東の王子様にクリーンな統治を期待する方がバカげてる(笑)。
■ クーデーターみたいだ
と、そうそう、もう一つあった。ジョン・マケインが2018年のWCをロシアでやるのは間違い、やめろと騒いでいた。前から言ってるけど過去2、3週間にはどこかになんだったかレターを出したとかなんとかの記事を見た。
マイケインが登場するところにテロリストあり、クーデーターあり、紛争ありってのはもうすでに国際常識みたいなものなので、これは何か来るんだろうと私でさえ思ってた。あはは。
ということで、現在の私の推論はこんな感じ。
・長期的な取り組みとしては、ロシアを蹴落とさなならんな
・短期的目標として、イスラエルを救わなならん
が来て、この短期目標を達成するために急きょ簡易クーデーターもどきになったんじゃないのか、と思う。
簡易、急きょ、というのは、結局翌日の会議でブラッター会長は再選され、ヨルダンの王子様は負けたから。なんやねん、って話。FIFAブラッター体制の転覆を狙ったクーデーターまがいだったけど、勝算なしとしてみんな態度があいまいなところ乗ってくれたのは西側子飼いのヨルダンしかなかった、って話か
FIFAのブラッター会長、再選が決定…最後には対立候補も辞退し5期目
http://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20150530/317377.html
そして、
パレスチナはイスラエルの停止動議を取り下げていた。
Palestine drops motion to suspend Israel from FIFA
http://rt.com/news/263229-palestine-drop-israel-fifa/
ってことからして、この短期目標が達成できてよかったね、みたいな感じではなかろうか(笑)。
で、ロシアはネタでしょう。つまり、ロシアをたたくという目標が付けば、たいていのことは通りやすい、無法も通ると勘違いしている人たちがアメリカの一部に存在するってこと。
■ 感想
昨今世界中を騒がせているグループは、どうも相当な焦燥感があるのではなかろうか。誰だか知りませんけど。
で、そのグループはメディアを占拠することはできるので、ある程度の人々の世界観を支配することはできる。しかしそれは、メディア上の真実にすぎないので、地上の現実を変えることはできない。
ということではなかろうか。去年から再々書いてる通り、現状は、メディア上の真実、地上の現実の闘いだと思う。
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